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2011.09.07
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 中国雲南省でミャオ族が清朝に迫害されてラオスまで逃げて、モン族と呼ばれるようになったそうです。


グラントリノ

図書館で、たまたま「モンの悲劇」という本を手にしたが、「グラントリノ」で疑問に思っていたモン族について知りたいと思ったのです。
中国、ベトナム、ラオスで蔑視されたモン族は、インドシナ戦争ではフランスのために、ベトナム戦争ではアメリカのために戦ったのです。
ちなみに、この本の副題は「暴かれたケネディの戦争の罪」となっています。

「モンの悲劇」竹内正右著、毎日新聞社、1999年刊

モンの悲劇

<インドシナ戦争を戦ったモンの悲劇>p16~17
 インドシナ戦争は、第一次から第三次にわたり、ベトナム、ラオス、カンボジアを戦場にした、50年代半ばから70年代半ばの第二次インドシナ戦争は、ラオスを反共の砦とし、自由世界を守ろうとする米国と、南北統一・インドシナ三国覇権を目指す北ベトナム政府の全面衝突だった。ベトナム労働党とその党が主導する南ベトナム民族解放戦線は、中国・旧ソ連を後ろ盾に戦った。いずれにせよ、両者の軍事衝突でインドシナ三国の全土と人心は荒廃した。
 闘いは激化した。米軍は一時期50万人を超える兵士と、大量の殺戮兵器をインドシナ三国に送り込んだ。そして75年4月、南ベトナムの首都サイゴン陥落。戦争は終焉した。米国は、これを「名誉ある撤退」と謳い、北ベトナムの首都ハノイでは「開放戦争の勝利」が高らかに宣言された。ベトナムは南北統一された。ベトナム人の悲劇、米国の悲劇がおびただしく記録に刻まれた。
 だが、この長期にわたる戦争のもうひとつの悲劇・・・一民族「モン」の運命と甚大な犠牲は、これまでのインドシナ戦争のなかに、ほとんど刻まれることはなかった。
 第二次インドシナ戦争終結から24年。米国ワシントンDCの一角に、御影石でできた黒い壁が今もひっそりと建っている。その数五万八千人あまり。第二次インドシナ戦争で亡くなった米軍戦死者の墓碑銘だ。
 だが、ここにも、米軍のために戦った「モン」兵士の名前は、見当たらない。
「もし、モンの特殊攻撃部隊がいなければ、この壁は、五倍、六倍の長さにもなっていただろう」・・・ペンタゴンは、いまようやく長らく極秘とされていた「モン」について、重い口を開くようになった。だが、いったいなぜ、そうした分析作業まで、これほどまでに年月を要したのであろうか。その真相を、私はこの本で明らかにしたい。  

<モン「コントラ」投入計画の挫折>p40~41
 81年5月、当時のレーガン大統領は、ニカラグアの左派サンディニスタのエルサルバドル浸透阻止と転覆目的のため、反政府右派ゲリラ、コントラを結成する。クラウゼヴィツの「戦争論」の再生を思わせる低水準紛争戦略を中米で進めるレーガン大統領にとって「白い米国」を守るために在米のモンはのどから手が出るほど欲しい存在となった。ワシントンDCは、モンの再定住を受け入れる替わりに、実戦経験豊富なモンをニカラグア戦線の「自由の戦士」コントラ軍投入作戦に乗りだす。こちらはレーガン大統領の「モン狩り」である。これに対して、ハノイからザップ将軍がニカラグアに入り、ソモサ独裁政権を倒したサンディニスタのオルテガ書記長へAK47銃を供与するのである。
 89年2月、3月とモンの生活を追ってモンタナ、カルフォルニア州と歩いていた私は幾度かこの計画を耳にしていた。モン再定住政策の真の狙いはこれにあったと言えよう。
 ラテンアメリカ援助計画、すなわち「進歩のための同盟」に腐心したように、J.F.ケネディの対共産ゲリラ戦術がラテンの地で始まってから22年後、その戦術をレーガンが継承したことから、ラテンでケネディの戦争の輪廻を見ることになる。が、在米モン青年たちは、コントラ参軍を拒絶する。参軍したら、コントラ軍の中に自分たちと同じ存在を見出しただろう。英国の300年統治でプロテスタントのモラバ教に改宗させられた、土着信仰を失った、英語を話す、尻にモンゴロイドの青痣をみせる人々、ミスキート・インディアンの中のスモ、ラマ族だ。

ケネディ家はアイルランド移民の子孫であり、ケネディはアメリカの大統領で唯一の非プロテスタントという異例の大統領であった。
ネイティブや移民にとって期待されるはずのケネディにして、このような戦略をとったということに、多民族国家アメリカの難しさを見る思いがします。

それにしても、竹内さんのこの本は時間的、そして空間的にパースペクティブの広いドキュメンタリーである。(反米の大使がお奨めします)

グラン・トリノ
Justice has been done?





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Last updated  2011.09.08 21:48:54
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