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2012.06.05
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カテゴリ: 歴史
<日清開戦への道>

大使の歴史認識のミッシングリングは、厳密に言えば日清戦争から満州事変あたりなんですね。
で、日清開戦あたりを究明しようということで、できたばかりの 蔵書録作成中4 より関係ヵ所抜き出して読み込んでみよう。

「歴史にみる日本と韓国・朝鮮」より

【歴史にみる日本と韓国・朝鮮】
朝鮮
鈴木秀夫・吉井哲編著、明石書店、1999年刊

<「BOOK」データベースより>
この資料集は高校生のみなさんが日本史の副教材として活用するために編集しました。韓国・朝鮮との関係の歴史は、現在の日本の社会を理解し、隣国の韓国・朝鮮との友好関係をつくるうえで欠かせないものです。共通する東アジアの文化圏のなかに生活していることは事実ですが、ちがいにも目を向けなければなりません。共通性のなかにある差異を知らなければ、とんでもない誤解をすることになるからです。

<大使寸評>
最も近い隣国の歴史を知っておきたいのです。
この本のエッセンスを ここ に載せています。

Amazon 歴史にみる日本と韓国・朝鮮
**********************************************************************
<「日清戦争の義」とその実態> p86~87
 日清戦争開始の口実をつくるため、日本政府は朝鮮政府に対し、政治改革を実施すること、および清とむすんできた従属関係を絶つことの二つを要求していた。一方では朝鮮が清から独立することを求め、一方ではその独立国に改革を要求するのは内政干渉ではないかと、朝鮮政府は日本の矛盾をついて反論し、要求を拒んだ。これに対し、日本政府は期限つきの最後通知で、先の二つの要求をくり返し、2000余人の軍をソウルに送った。1894年7月23日、警護の名目で王宮を占領した日本軍は、反日的なミン妃(国王高宗の王妃)一派の勢力を押さえ、ミン妃のライバルだった大院君(高宗の父)をむりやりかつぎだした。そして開化派官僚からなる親日政権をつくりあげた。タイムズ紙は「日本軍が今ソウルを占拠し、国王高宗は彼らの虜囚」と報道した。大院君から、清の軍隊を国外においだしてくれという委託をとりつけた日本は、2日後に豊島沖の海戦をおこなって、清との本格的戦争に突入する。朝鮮の独立を目的にかかげながら日本は、朝鮮軍の武装解除をすすめる。そして組織的に朝鮮の文化財の略奪をおこなっては日本に送った。戦利品は日本各地で展示されて、さらに国民の戦意を高めるのに使われた。日本軍人と軍属20万人の兵糧の調達と輸送のために、朝鮮から強制的な物資と労働力の取り立てがすすめられていった。
 この王宮占領の軍事クーデターと日本軍の横暴に対して、朝鮮の農民軍は反日の姿勢をいっそう明らかにして再び挙兵し、民衆や地方の官吏たちのあいだにも、義兵闘争のはしりともいうべき根強い抵抗がわきあがった。
(中略)
 では朝鮮の政治改革を要求した日本政府のねらいは何だったのだろうか。開戦の1ヵ月後に、日本は朝鮮政府とのあいだに鉄道や電信などの利権獲得や、日本軍がより自由に行動できるための条約をむすんだ。外務大臣陸奥宗光は、朝鮮の内政改革はあくまで日本の利益のためであることを回想録に告白している。さらに日本に有利な状況をつくるべく、井上馨が特命全権公使として赴任した。彼は大院君をわずか4ヶ月で引退させ、日本に亡命していた朴泳孝を送りこんで親日政権を強化した。前後して40人におよぶ日本人顧問官を送りこみ、朝鮮政府のすべての政策を監視させ、いわば占領軍日本による強力な内政干渉をすすめた。日本には戦勝のニュースのみが流され、日本国民は勝利者としての優越感にひたった。忠義勇敢な天皇の軍隊のイメージが軍国美談として報道され、のちには教科書や軍歌となって国民に広まった。そのもっとも有名なものが修身教科書の木口小平ラッパ手の話である。

 井上馨公使が朝鮮の保護国化をいっそうすすめようとした矢先におきたのが三国干渉だった。これにより日本の力は大きく後退し、反比例してロシアの影響力は増大した。前年の王宮占領以来、政治から遠ざけられていたミン妃は、これを機に、日本に対抗し自派の勢力を回復するためにロシアに接近した。同時に、強引な日本の朝鮮支配に、列強から批判があいついだ。日本はおもてだった内政干渉を中止し、これまでにえた利権の維持に専念せざるをえなくなった。三国干渉以降1900年ごろまでは、日本よりもロシアの方が、朝鮮からの利権獲得においては目立つようになっていく。親日派閣僚の筆頭である朴泳孝は、ロシアと王室の関係を断って情勢をかえようとこころみるが失敗に終わり、逆に朝鮮政府から追放されて日本に再亡命した。



「韓国併合」より

【韓国併合】
韓国併合
海野福寿著、岩波新書、2004年刊

<「BOOK」データベースより>
江華島事件を口実に朝鮮の開国に成功した日本は、清国との角逐や欧米列強との利害調整をくり返しつつ、日清・日露戦争をへて、一九一〇年、韓国を「併合」する。それは同時に、朝鮮政府・人民の粘り強い抵抗を排除する過程であり、苛酷な弾圧の歴史でもあった。朝鮮植民地化の全過程を、最新の研究成果にもとづいて叙述する待望の通史。

<大使寸評>
この本は一部読んだままで積読状態であるが・・・・悔しいことに本棚に2冊あるのです。いい本なんだけどね。

Amazon 韓国併合

***********************************************************************
<日清両国が出兵> p88~89
 農民軍の全州占領にあわてた朝鮮政府は1894年(明治27)6月1日、袁世凱に非公式に清国軍の出動を要請、3日には公式に出兵を要請した。これをうけて漢城駐在の清国軍は即日出動し、8日からは清国派遣隊が忠清道牙山湾に上陸、忠清道一帯に駐屯した。
 清国出兵のしらせは、同時出兵の機をうかがっていた日本政府に迅速な対応をうながした。駐日清国公使汪汪鳳藻からの正式出兵通告があったのは7日であるが、すでに2日の臨時閣議は混成一個旅団の朝鮮派遣を決定していた。さらに5日には大本営を設置し、広島の第5旅団に内命を下して兵員7000~8000人の混成旅団の編成に着手していたのである。そして出兵通告を受けた7日には、日本政府も85年の「天津条約」第3款の「行文知照」の規定にもとづいて、清国政府に出兵を通告した。
 急遽、軍艦「八重山」に搭乗して帰任した大島圭介公使が、回航した「松島」「千代田」艦の海軍陸戦隊420人と仁川に上陸したのは10日早朝である。大島公使と日本軍は朝鮮側の制止をふりきって、その日のうちに漢城に入京した。派遣旅団の仁川上陸完了は16日である。
 しかし、11日には「全州和約」が成立し、日清両軍は朝鮮駐兵の理由を失っていた。「天津条約」には変乱などが解決したら、ただちに兵を「」し、ふたたび「」という規定がある。大島公使と袁世凱とのあいだで12日から始められた共同撤兵交渉では、15日の時点で日本軍四分の三、清軍五分の四は即時撤兵、民乱静穏化ののち全部撤兵で意見が一致した。だが、日本政府は駐兵と兵員増派計画をかえようとしなかった。

<駐兵の口実づくり> p89~90
 6月15日の閣議は、朝鮮駐兵の口実づくりに腐心し、農民軍の日清両軍による鎮圧と朝鮮内政の日清共同改革を清国に申し入れる案をこねあげた。どちらも、駐兵の理由としては陸奥外相が決定をためらうほど薄弱である。大島公使からの報告も、牙山の清国軍は動かず、農民軍は平静で漢城付近も静穏であると伝えていた。清国に提案した共同改革案は、朝鮮の内政干渉になるという理由で清国から拒否された。
 そのうえ朝鮮政府およびロシア・イギリスをはじめとする各国公使から日清同時撤兵の要求あるいは勧告が出され、清国側は撤兵に応ずる意向を示していた。しかし、日本側はこれを拒否、またしても同時撤兵の機は失われる。このとき日清両国の撤兵が実現していたら、日清戦争はおこらなかったはずである。だが、賽は投げられた。のちに陸奥が書いた『ケンケン録』には「何とか一種の外交攻略を施し時局の一転を講ずるの外、策なき場合となりぬ」とある。大量出兵した以上、無成果のまま撤兵することは国内世論の点からもできなかった。
 6月27日、陸奥は大島公使に開戦の口実作成を命ずる指示をあたえた。大島は清国勢力を排除した後でなければ内政干渉の実行は不可能であるが、日清軍の衝突はそう簡単にはおきないから、「内政改革を先にし、若し之が為め日清の衝突を促さば僥倖なり」(6月28日陸奥あて)と考えていた。
 大島は7月3日、外務督弁に改革綱領を提示したのについで、10日には内政改革案を朝鮮政府に手わたした。このとき大島は、改革勧告を朝鮮政府が拒絶した場合には、「兵威を以て」漢城の城門および王宮諸門を占拠してはどうか、と陸奥外相に指示を仰いでいる。次項で述べる王宮占領の計画はこのころめばえたのだろう。
 16日、朝鮮政府は日本側提示の改革案にたいし、日本軍の撤兵が実施の前提であると回答した。


日清、日露の戦いを経て満州の権益を得た日本であるが・・・・その後に関東軍の思い過ごしがあるわけですね。
この次の読み込み候補を挙げておきます。


【石原莞爾と満州帝国(歴史読本2009年9月号)】
石原
雑誌、新人物往来社、2009年刊

<出版社サイト>より
【特集対論】
満洲の二人の帝王 石原莞爾と甘粕正彦の思想と行動
松本健一vs佐野眞一

【特集ワイド】
写真図説 石原莞爾の生涯――波乱万丈の六十年
幼少年時代/陸軍幼年学校時代/陸軍士官学校・陸軍大学校時代/漢口・ベルリン駐在時代/日蓮信仰/満州時代1 関東軍作戦主任参謀/満州時代2 満州事変/民族協和と石原莞爾/歩兵第四連隊長時代/二・二六事件/参謀本部作戦部長時代/東條英機との確執/最終戦争論/東亜連盟運動/敗戦と極東国際軍事裁判/晩年

【深層探求】
「夢と野望の大帝国」満洲の実像
・概説――「満洲国文化」のエネルギー源
・満洲映画協会――国策会社の枠をはみ出した芸術家・技術屋集団
・満洲写真作家協会――満洲の地で確立された日本の近代的報道写真
・ハルビン交響楽団――大東亜終戦間近に発揮された「満洲文化」の力
・建国大学――共産主義に関する書物も回し読みされた国立大学
・超特急「あじあ号」――日本独自の技術によって製作された満鉄の象徴

<大使寸評>
図書館の旧雑誌放出で入手したのだが、拾い物のムック本といえます♪

新人物往来社 石原莞爾と満州帝国(歴史読本2009年9月号)






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Last updated  2012.06.05 08:20:14
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Re:日清開戦への道(06/05)  
KUMA0504  さん
「坂の上の雲」は日清戦争の処、淡々と事実を描いて結局、ここに書いているような明治政府歴史批判の視点は避けたようです。去年までの三年間は何だったのか。きちんと「総括」する必要を突然覚えました。 (2012.06.05 13:30:35)

Re[1]:日清開戦への道(06/05)  
Mドングリ  さん
KUMA0504さん

-----
<日露戦争なら視聴率を取れるドラマを作れるけど、日清戦争ではね~?後ろめたさもあり、視聴率を取れるドラマは難しいのでしょう。
それに、日清戦争ドラマを作ったら中国、韓国からクレームがつくかもしれないですね。 (2012.06.06 00:29:52)

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