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2013.02.25
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カテゴリ: 歴史
今回買った『おどろきの中国』の著者は、2011年のベストセラー『ふしぎなキリスト教』の社会学者カップルに宮台真司を加えた豪華な社会学者トリオになっています。
で、漢民族の病理が解明できるのではないかと期待して読み進めています(大使、動機が不純です)
なお、橋爪大三郎さんの奥さんは中国人なので、日常的に中国に接している最強のチャイナウォッチャーとも言えるようです。


【おどろきの中国】
中国

橋爪大三郎×大澤真幸×宮台真司著、講談社、2013年刊

<「BOOK」データベースより>
そもそも「国家」なのか?なぜ日本人の「常識」は彼らに通じないのか?日本を代表する三人の社会学者が対症療法ではない視座を求めて白熱の大討論。
【目次】
第1部 中国とはそもそも何か(中国は「国家」なのか?/二千年以上前に統一できたのはなぜか ほか)/第2部 近代中国と毛沢東の謎(なぜ近代化が遅れたのか/明治維新とどこがちがったか ほか)/第3部 日中の歴史問題をどう考えるか(伝統中国は日本をどう見ていたか/中国人の認知地図 ほか)/第4部 中国のいま・日本のこれから(「社会主義市場経済」の衝撃/トウ小平のプラグマティズム ほか)

<大使寸評>
この本の著者は、2011年のベストセラー「ふしぎなキリスト教」の社会学者カップルに宮台真司を加えた豪華な社会学者トリオになっています。
で、漢民族の病理が解明できるのではないかと期待したわけです。(大使、動機が不純です)
rakuten おどろきの中国


読みながら、ラインマーカーで勘所をマーキングしているのだが・・・・
ま~ カラフルなこと♪ それだけ読みどころが多いわけですね。
で、マーキングヵ所をメモしておきます。

エッセンス部分を紹介します。

<安全保障が何より大事>p55~59
大澤:「ホウ(邦の下に巾)」というのは、典型的には三国志の劉備と関羽と張飛に見られるような関係性です。仲間のためなら、自分のすべてを犠牲にしてもかまわないという猛烈な友情によって結ばれたグループで、互いに兄弟以上に兄弟になり、そこでは究極の利他性が発揮される。小室さんによれば、これが中国の核になっていて、ホウの内と外ですべてが変わってしまう。ホウの中では、約束や規範は、もちろん絶対的です。しかし、逆に、ホウの外は極端に言えば無法地帯になる。
 つまり中国社会はダブルスタンダード、ダブル・ノルムの社会だ、というわけです。
(中略)
 ホウを形成しているのは、非常に小さな、結束力の固い集団をつくるのには適した論理だと思います。そうすると、ふたたび、最初のほうから言っている疑問が出てくるんですよ。
 中国というのは、やっぱり圧倒的な大きさに特徴があるんですよね。たとえばインドと比べたってそうでしょう。だいぶ後になってからムガール帝国などができますけど、インドの半島はなかなか統一されなかった。そのことを思うと、中国がいかに早い段階から大規模な統一を成し遂げたかがわかる。
 そういう非常に大きな統一性をつくる論理と、「ホウ」のようなきわめて結束力の固い仲間をつくる論理。これは一見、水と油以上に異なった、対象的な社会の形成原理である感じがします。この両極に分かれた二つの中国像は、どの角度から眺めるとひとつの像を結ぶのでしょうか?

橋爪:どんな社会にも、大事な価値があり、それを実現するために、人間関係や組織をつくるのですが、社会ごとにその優先順位が微妙にちがっている。
 中国を見ていてつくづく思うのは、安全保障の優先順位がきわめて高い。政府が存在する理由は、安全保障のためと言ってもいいぐらいで、そのことを誰もが深く理解しているんじゃないか。法家も儒家も、基本はやっぱり、安全保障をどうするかという問題だった。
 いま話のあった「ホウ」も、それが結ばれる動機は安全保障です。
 「ホウ」は血縁とちがって、任意に設定できる。契約の一種ですね。そして、血縁や宗族とちがって、物理的実力をそなえることもある。血縁集団は運命的なもので、選択の余地がない。官僚機構は、誰でも加われるわけではない。どちらからもはみ出した流動的な人びとは、どうにかして、第三の自発的組織を結成しようとする。ビジネス。商業。それから、組織暴力団。組織暴力団は「ホウ」の典型です。
 よく考えてみると、孔子のつくった学校も、血縁でも官僚機構でもないわけで、「ホウ」みたいなものだ。三国志も水滸伝も「ホウ」の世界です。
 「ホウ」は社会学でいう、中間集団なのですね。トクヴィルはアメリカを観察し、中間集団をつくるのがうまい点がアメリカを理解するカギだと考えたが、中国を理解するカギも、中間集団かもしれない。
(中略)
 中国の場合、中間集団は存在してもいいが、第一に、政府に従うこと。第二に、最後の最後には血縁を上回ってはならないこと。こういうふうに、上と下で挟まれた、限定的な中間集団をつくるという特色があると思うんです。
 このことを補助線として、中国がなぜ世界でもっとも安全保障を重視する人びとだと言えるのか、のべてみたい。
 中国には、都市国家がある。都市国家は、城壁で防御されている。ここまでは世界共通で、インドでも中東でもヨーロッパでも例外でない。
 でも中国の人びとは、これで十分だと思わない。そこで都市国家の城壁に加えて、どこまでも続く城壁(長城)をもう一重、遊牧民との境界地帯にこしらえた。こんなことをしたのは中国人だけです。
 政府に命令されたにしても、農民自身が、この城壁が大事だと理解できなければ、こんなものは建設できない。つまりそれだけ安全保障の優先順位が高い。遊牧民族が攻めてきたらどうなるか、農民も身にしみて知っている。
 「ホウ」のことを私があんまり強調しなかったのは、こういう任意の人間関係は、個々人の安全保障のためには有益だし、中間集団をつくりだす論理としてはよいのだけれど、行き過ぎると有害になるからです。行政機構のなかにこれが生まれることを、「党」という。党は、警戒の対象です。行政機構の合理性を阻害し、党派闘争を生み、秩序を混乱させるもとになる。
よく考えてみると、中国共産党も、「ホウ」の一種だと考えられる。中国共産党や人民解放軍は、官僚機構である以前に、「ホウ」なんじゃないか。その「ホウ」が、まず軍事力を手に入れる。そして、実力闘争によって政府を乗っ取り、官僚機構に転換していくという順序を踏んでいる。国家主席とか党総書記とか中央委員とかいろいろ言うけど、その内実は「ホウ」であるという側面を、中国建国のあとも残している。


なるほど、これが上海閥とか太子党と言われる中国特有の「ホウ」であり、中国をとくカギなんでしょうね。

『おどろきの中国』1





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Last updated  2013.03.01 00:17:46
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