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2013.05.05
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カテゴリ: 気になる本
日曜日の朝日新聞に読書欄があるので、ときどき切り取ってスクラップで残していたのだが、これを一歩進めて、無料デジタル版のデータで残すことにしたのです。


・昨日までの世界(上・下)―文明の源流と人類の未来 
・オラン・ペンデクの復讐

さっそく、図書館に借り出し予約するのもいいかもね。
********************************************************************************

昨日までの世界(上・下)―文明の源流と人類の未来 より
世界

<風土と環境因重視、叡智をたどり直す:福岡伸一(青山学院大学・生物学)> 
 朝日新聞が、識者アンケートによるゼロ年代の書物50冊を選んだ際、1位に輝いたのが著者の『銃・病原菌・鉄』だった。その彼が満を持して書いた新刊が本書である。テーマは「昨日までの世界」の叡智をいま一度たどり直し、現代の工業化社会に生かすことができないかを模索すること。
 「今日の世界」とは、ヨーロッパ化された世界のことである。『銃・病原菌・鉄』ではその理由が問われた。アフリカに起源を持つ人類のうち、ヨーロッパに旅立った一握りの白い人々が今日、政治、経済、文化、あらゆる面で世界を制覇している。白人が生物学的に優れていたからではない。ささいな環境要因の偶発的な差がそれを可能にした。穀物の元になる植物の自生。家畜化に適した動物。動物との接触がもたらした感染症ですら彼らを利した。しかし、成功を収めたはずの私たちの社会は今、新しい課題を抱え行き詰まっている。人間関係と経済、戦争と平和、子育て、高齢者、宗教…。

 700万年にも及ぶ人類史全体から見ると、私たちの文明は、今しがた出来たものにすぎない。それよりも「昨日までの世界」を知った方がよい。人類はこれらの問題群とずっと取り組んできた。昨日まで、とはいえそれは農耕が始まる前、1万年以前のことである。著者はニューギニア、アフリカ、南米に散在する「伝統的社会」の中に「昨日」の名残を見いだせるという。伝統的社会は、問題に対する巧みな解決策を持っている。その叡智に学ばない手はない。

 例えば今、日本で問題の体罰。ほとんどの伝統的社会ではいわゆる「体罰」は行わないという。アフリカのアカ・ピグミー族は子どもを絶対に叩かない。ニューギニアのある部族に至っては、赤ん坊がナイフを振り回しても叱ることさえしない。放任主義の中で子どもが自律的に学んでいくことに委ねる。日本のように「他人に迷惑をかけてはいけない」という規範を教育の徳目に掲げる集団もほとんど存在しない。他人のことよりまず自分の生存を優先させる。
 一方、農耕民の社会はある程度、体罰を行い、牧畜民の集団は体罰を行う傾向が強いように見受けられる。これは集団の生業形態に関係するのではないか。価値の高いものを所有する集団ほど体罰をし、教育を強化する傾向がある。

 一言でいえば、著者の立場は、発展史観ではなく生態史観を採るということ。遺伝的決定論や適応度の物語にも取り込まれない。その意味で、風土と環境因を重視した和辻哲郎や梅棹忠夫にも通じる。ドグマやイデオロギーによらない公平さ、自由さが持ち味。そのスタンスは一貫している。ダイアモンド文明論の決定版的集大成。
  ◇

ジャレド・ダイアモンド著、日本経済新聞出版社、2013年刊

<「BOOK」データベース>より
現代の工業化社会=西洋社会と伝統的社会の違いを浮き彫りにし、そこから判明する叡知をどのようにわれわれの人生や生活に取り入れ、さらに社会全体に影響を与える政策に反映させるかについて解説。世界的大ベストセラー『銃・病原菌・鉄』の著者、ピュリツァー賞受賞者が人類の未来を予見する。

<読む前の大使寸評>
『銃・病原菌・鉄』の著者と福岡博士の書評という取り合わせが、すでに見過ごすことができないわけです。
おお♪ 福岡博士が梅棹忠夫の生態史観を引き合いに出すあたり、我が意を得たりと思ったりする。

で、図書館で先ず『銃・病原菌・鉄』を借りて読もうと思っています。

rakuten 昨日までの世界(上・下)―文明の源流と人類の未来



オラン・ペンデクの復讐 より
ペンデク

<幼時の「わくわく」思い出す:佐野史郎(俳優)>
 香山滋は、戦後、「宝石」の第1回の懸賞小説に当選した新人作家の一人で、江戸川乱歩が評価していました。「オラン・ペンデクの復讐」は、その時の作品です。書店の教養文庫の棚に並んでいたのがずっと気になってはいたんですが、読んだのは20代半ばになってから。これはすごい、と子どもみたいに引き込まれました。スマトラの未開の地で新種の人類「オラン・ペンデク(小さな人)」を発見した博士の学会発表から始まるんですが、理科系の探偵小説の高揚感がのっけから全開で、理科実験室とか博物館に足を踏み入れた小学生の時のわくわく感が、よみがえってくるようでした。

 怪奇幻想文学や怪獣映画がもともと好きでした。秘境探検ものとかね。子どものころ、水を入れたビール瓶を背負って、突っ込んだゴムホースから口で空気を入れてボコボコ音をさせ、林の中を海の底に見立ててさまよう遊びなんかしていました。香山さんの作品世界は、そんな少年の心を持ち続けている。科学的知識に裏付けられながらもロマンや幻想に満ち、しかも妙にリアルな肌触りや質感がある。
 映画「ゴジラ」第1作の原作者でもある。「モスラ」は中村真一郎、堀田善衛、福永武彦の3人が原作者ですが、多分に香山さんの世界観を踏襲していると思います。「密林の小美人」なんてね。怪獣映画には「宝石」周辺の探偵小説作家が少なからずかかわっていて、映画と探偵小説が密接だと知ったのは1980年代半ばでした。僕の映画デビュー作「夢みるように眠りたい」(86年)の林海象監督や、ドラマでお世話になったTBSのディレクターたちなど、映像の世界に「香山滋が好き」という人が当時周りにいた。呼び合ったのですかね? 女性では「好きだ」という人にあまり会ったことないですけど。

 ライフワークとして自分でシナリオを構成して小泉八雲の朗読を続けているのですが、それも「怪奇幻想」好きの延長です。大人になってからの自分が幼少期の感覚と一気につながれる、風穴のような一作が「オラン・ペンデク」ですね。迷ってもここに戻ればいい、という。時空を超えた救いがここにはあると思えるんですよ。
 最近、ドラマ「ビブリア古書堂の事件手帖」で乱歩ファンの古書店主を演じたばかりなので、乱歩が見いだした香山滋のことを思い返していたのかもしれません。香山滋の作品を演じるのが夢です。いや、出演しなくてもいい、何かの形でかかわりたい。読んでいると、次々に映像が浮かんでくるんですよ。
    ◇

香山滋著、現代教養文庫・絶版、1977年刊

<商品の説明>より
古書につき、内容説明なし
中古品の最安値4,800円より

<読む前の大使寸評>
佐野史郎さんお奨めの本であるが・・・・・
この本の著者が「ゴジラ」第1作の原作者とのことで、そそられるのです。

amazon オラン・ペンデクの復讐

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Last updated  2013.05.05 14:31:25
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