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2013.05.14
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カテゴリ: 気になる本
図書館で借りた「ハーモニー」を読んでいるのだが・・・・
40年ぶりのSF熱か に書いています。
ま~暇になった昨今は、まるでSF熱にかかった様でおま♪


【ハーモニー】
ハーモニー

伊藤計劃著、早川書房、2010/年刊

<内容紹介より>
ベストセラー『虐殺器官』の著者による“最後”のオリジナル作品 21世紀後半、〈大災禍〉と呼ばれる世界的な混乱を経て、人類は見せかけの優しさと倫理が支配する“ユートピア”を築いていた。そんな社会に抵抗するため、3人の少女は餓死することを選択した……。 それから13年後。死ねなかった少女・霧慧トァンは、医療社会に襲いかかった未曾有の危機に、ただひとり死んだはずだった友人の影を見る――『虐殺器官』の著者が描く、ユートピアの臨界点。日本SF大賞受賞作。

<読む前の大使寸評>
数々の文芸大賞を受賞したその年に亡くなるとは、まったくもって惜しいのです。
享年35歳か…若いな~ジェームス・ディーンのようだ(例えが良くなかったかも)
「大災禍」のあとには、いじめ問題も無くなったとか…興味深いですね。とにかく、紹介文に“ユートピアの臨界点”とあるが、哲学的な読み方もできるかも。

なお、この本は図書館に借り出し予約し、10日ほど順番待ちして借りたのです。

amazon ハーモニー


この本の一部を紹介します。
慈母によるファシズム…
なんか凄いコピーであるが、伊藤の描くこの世界は徹底的に優しくなっていたようです。

(p46~47)
 「生府。正確に言うところの医療合意共同体。提供される医療システムについて一定の合意に至った人々の集まり。調和者(ハーモニクス)たち。そりゃ、生府にも評議員はいるけど、昔の政府の議員とはぜんぜん違う。評議員連中やコミッショナーあたりに、王様や政府ほどの権力は集中してない。なぜって、みんなに力を細かく割って配りすぎた結果、何もできなくなってしまったから。生府を攻撃しよう。って言ったところで、わたしたちには昔の学生みたいに火炎瓶を叩きつける国会議事堂もありゃしない」
 キアンはそこで不安を感じたのか、かすかに眉を寄せ、
「だから自殺するっていうの…。攻撃の一環として自分で死を選ぶわけ…」
 ミァハはあっきらかんとキアンにうなずいてみせ、
「わたしたちが奴らにとって大事だから、わたしたちの将来の可能性が奴らにとって貴重だから。わたしたち自身が奴らのインフラだから。だから、奴らの財産となってしまったこの身体を奪い去ってやるの。この身体はわたし自身のものなんだって、セカイに宣言するために。奴らのインフラを傷つけようとしたら、それがたまたまこのカラダだった、ただそれだけよ」 
 ミァハはそう言って、キアンの不安に答えた。
 もちろん、わたしとキアン、ふたりだけのカリスマ。
 あまりに多くのことを知りすぎていて、あまりに多くのことを憎みすぎているこのイデオローグ。
 あの選択が自由意志だったなんて、さすがに今は思っていない。けれど、ミァハは賢すぎて、用意周到すぎて、いつだって確かなやり方を心得すぎていた。だから、今回もきっと確かな手段を用意してくれてるに違いない、とあのときのわたしは考えてた。ミァハはポケットから握りしめた手を出すと、わたしたちの前でそっと指を開き、わたしたちにとってたったひとつの冴えたやりかたを提示してみせる。
「これ、錠剤。1日1回飲むだけ。それで胃から腸に至るまで全部の消化器官が、口から入れた食べ物をシカトしてくれる」

(p139)
 わたしは、ミァハが誰にも語らない―わたしたちにすら語らない、深い闇を抱えていたことをはじめて知った。そんな地獄のような場所から命からがら逃げてきたというのに、御冷ミァハはそれでもこの天国のような生府世界―天国の紛い物のような世界を憎んだのだ。

(p362~363)
システムに完全に準拠した現在の人類にとって、旧人類がヒーローや神と呼んでいたいたようなアイコンは不必要だが、それを知っておくことも無駄ではない。

 かつて、御冷ミァハと霧彗トァンという女性がいた。彼女たちこそ、我々の「わたし」の最後の弔い手。
 「さようなら、わたし。
  さようなら、たましい。
  もう二度と会うことはないでしょう。」
 それは、WatchMeがオンラインになり、無意識が「降ってくる」直前、トァンがつぶやいた最後の言葉。これから失われる、数十億の魂に向けられた鎮魂のことばだった。


最近読んだ日本のSFと言えば、村上龍の「歌うクジラ」と小松左京の「日本沈没 第二部」くらいで・・・・
SFマガジンを読むほどのファンではないが、日本SFへの関心は途切れていないわけです。
「アパッチ族」アンソロジー としてまとめています。

ニューウェーブと言っても
何を指すかピンとくる人も少ないかも知れない。
一時期、SFばかり読んでいた時期がある。
クレメント、ブラッドベリ、クラークなどの50年代SFに続いて、
ニューウェーブと呼ばれた60年代SFが登場した。
バラード、オールディス、ディック、レム・・・
ここまでは 良く読んだけど、私のSF熱は 
それ以降 ハシカのように冷めてしまった。

どうも それ以降にSFが隆盛を極めているという噂を聞かないので、私のSF熱は SFの幸せな隆盛期に感染していたようである。
SF映画にしても クラーク原作の「2001年宇宙の旅」、ディック原作の「ブレードランナー」を越える映画が現われていないようだ。(以上、昔の日記より転載)









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Last updated  2013.05.15 14:31:41
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