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2013.08.21
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カテゴリ: 経済
 今では中国だって「タイ+ワン」の安い労働力を求めているように、グローバリズムが加速しているが・・・
 この根っこにはゼロサムで、カネが全ての米英型資本主義があるわけです。
でも、この経済原理ではうまく機能しないことが次第に世界の常識となってきつつある、ではどうすればいいのか?
アメリカではアベノミクスがわりと好評であるが、もしかして日本型経済に妙薬があるのではないか?
(米金融界は、日本という実体経済に悪乗りを決め込んでいるだけだと思うが)

そうだ、藻谷さんに聞いてみよう♪
藻谷さんといえば、「人口の波」グラフに着目して発想を転換してみせた気鋭のエコノミストである。

前ぶりが長くなったが・・・
本屋で衝動的に買った「里山資本主義」という本をいま読んでいるところです。


そのエッセンス部分を紹介します。


<独自技術は多くの雇用も生む> よりp76~79
 オーストリアがペレットボイラーの技術革新にこれほど力を入れるのはどのような背景があるのか。ヴィントハーガー社で15年前からボイラーの開発に携わり、今は開発部長を務める、ヨーゼフ・ゴイギンガー氏にその哲学を聞いた。
 そこには、岡山県真庭市が追求してきた、外部への資源依存を断ち切ることで実現する里山資本主義の将来像があった。
(中略)
 日本と同じく地下資源に乏しいオーストリア。原油を中東諸国に、天然ガスをロシアからのパイプラインによる供給に依存してきた。そのため、国際情勢が不安定化するたびに、エネルギー危機に見舞われてきた。元栓を外国に握られる恐怖を身にしみて知っているのである。
「石油やガスのことを考えると、これまで供給してきた東欧のパイプラインが今後も大丈夫か、中東情勢が今のまま続くか、そもそも原油がいつまで採掘できるか分からない。好むと好まざるとにかかわらず、化石燃料以後の時代を考えて準備しなければなりません。我が社は、こうした状況をビッグチャンスと捉えました。将来的にエネルギーはどういう形であれ今より安くなるとは思えません。オーストリア人には、中東の首長国からタンカーで運んでくる原油より、身近な資源の方が信頼できるのです」
 石油やガスをペレットに置き換えることで、安心・安全を守れると考えたのだ。
「都合のいいことに、ザルツブルグ周辺の、ここから10キロメートルほど離れたところに既にペレット製造機会社があったのです。これが、完全自動運転の暖房を開発してみようという動機につながりました。ペレットの原料も周辺地域でまかなえます。おがくずは、農家や製材所や家具の製作所から手に入ります。まさに持続可能な供給チェーンがあるのです。この持続可能性という言葉が大きな原動力です」
 労働市場でも、ペレットは、ガスや原油にはない、大きな可能性を生み出した。そもそも原油や天然ガスの輸入ばかりしていては、雇用はほとんど増えない。
 ペレットやそれを利用したボイラーの生産技術は、オーストリアが他国の二歩も三歩も先を進んでいる。他国にはない産業を育てれば、当然、関連技術も自前で育てることになり、労働需要が高まる。
 たとえば、ボイラーのバーナー。オーストリアにはペレットボイラーメーカーが6、7社あるが、いずれもかつては石油用やガス用のバーナーを流用していたという。しかし、燃焼効率を追求する中で、専用のバーナーが開発されていった。いまでは全てのバーナーはオーストリア国内で生産されている。結果、多くの人が新たな仕事にありつけた。
(中略)
 森林の育成・伐採から、ペレットへの加工、付随する機械の開発・生産、さらには煙突掃除などのアフターケアに至るまで。ペレット産業の裾野が広がれば広がるほで、うなぎ登りで労働市場が生み出されていったのである。
 最後にヴィントハーガー社の開発部長・ヨーゼフ・ゴイギンガー氏は、世界に先んじてバイオマスの世界を突き進むことは、後の世代への責任だと言い切った。
「我々が望むか、望まないかということではないのです。20年後、30年後、あるいは50年後に化石燃料があるかどうか議論しても何の意味もありません。再生可能エネルギーを利用するのがあまりにも遅すぎたと、我々のことを呪う世代がいつか出てくるのは間違いないと、私は個人的に確信しています」


「外部への資源依存を断ち切る」という考えは、言うは安いが行うには相当な覚悟と実行力が要るわけで・・・
既得権益にすがり、短期利益が求められる米中日の経営者、政治家からは生まれない発想なんでしょうね。

なお、朝日デジタルの書評がこの本を取り上げたので、紹介します。

『里山資本主義』 より
里山

<持続可能なシステム目指す:梶山寿子(ジャーナリスト)>
 赤字国債の増発も、原発の再稼働を進めるのも、とにかく今を乗り切るため。刹那的な行動に走り重要な問題を先送りするのが、マネー資本主義に染まった人間の病理だと本書は説く。

 その対極にあるのが、山林など身近にある資源を活かしてエネルギーや食糧を自給し、地域の経済的な自立と安定を図る「里山資本主義」である。例えば岡山県の製材工場では、通常なら廃棄する木くずによるバイオマス発電で電力を賄い、余剰分は売電。木くずはさらにペレット燃料にも加工されて、地域家庭の暖房などに使われる。

 NHK広島の番組がベースのため、紹介される事例は中国地方中心だが、同様の試みは全国で始まっている。本書の魅力は「里山資本主義」という絶妙なネーミングに尽きよう。取り組みが拡大すれば過疎の町に雇用が生まれ、地域内でお金が回る。持続可能なこのシステムをマネー資本主義の自壊に備える“保険”とせよ、というわけだ。

 「先進国・オーストリア」では木造ビルも建築可能な新集成材が開発されるなど、木の潜在能力は侮れない。最先端技術で甦る古くて新しい経済モデル。里山には年金問題、少子化、無縁社会を解決するヒントも潜む。長所だけを強調しているきらいもあるが、日本の有力な選択肢として熟考したい。

 ◇

『里山資本主義』藻谷浩介・NHK広島取材班著、角川oneテーマ21、2013年刊

<「BOOK」データベース>より
課題先進国を救うモデル。その最先端は“里山”にあった!!危機を超え未来を生む、すり潰されない生き方を提言!!
【目次】
はじめに 「里山資本主義」のススメ/第1章 世界経済の最先端、中国山地ー原価ゼロ円からの経済再生、地域復活/第2章 21世紀先進国はオーストリアーユーロ危機と無縁だった国の秘密/中国総括 「里山資本主義」の極意ーマネーに依存しないサブシステム/第3章 グローバル経済からの奴隷解放ー費用と人手をかけた田舎の商売の成功/第4章 “無縁社会”の克服ー福祉先進国も学ぶ“過疎の町”の知恵/第5章 「マッチョな20世紀」から「しなやかな21世紀」へー課題先進国を救う里山モデル/最終総括 「里山資本主義」で不安・不満・不信に訣別をー日本の本当の危機・少子化への解決策/おわりに 里山資本主義の爽やかな風が吹き抜ける、2060年の日本

<大使寸評>
大震災前の2011年1月、NHKスペシャル「2011ニッポンの生きる道」が放送された。その後2011年夏、藻谷さんを推進役としてNHK広島で「里山資本主義」の番組造りがスタートした。
マネー資本主義の対極を志す「里山資本主義」という造語はここで開発されたそうです。
経済と森林を結びつけて、発想の転換を促しているわけで・・・・
ウォール街のバカタレどもの対極をなしていると思うのです♪

rakuten 『里山資本主義』


エコノミストの資質として、未来を予測する洞察力も必要だが・・・・
未来を変えようとする意志が求められているんでしょうね♪
金融工学で儲けに走るなど、語るにおちるんだけど。

藻谷さんの里山資本主義1






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Last updated  2013.08.21 09:07:26
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Re:藻谷さんの里山資本主義2(08/21)  
KUMA0504  さん
一度この真庭市の里山へ行こうと思っています。ぶらりと行くので何も掴めないかもしれませんが、現場主義なので、先ずは行きたいと思います。 (2013.08.21 20:56:02)

Re[1]:藻谷さんの里山資本主義2(08/21)  
Mドングリ  さん
KUMA0504さん
>一度この真庭市の里山へ行こうと思っています。ぶらりと行くので何も掴めないかもしれませんが、現場主義なので、先ずは行きたいと思います。
-----
<それは、いいですね♪
ぜひ、レポートを報告してほしいものです。

福一の収束もおぼつかない中で、原発の輸出を画策する原子力村などに日本型資本主義の劣化が見えると思うのですが・・・
その対極に里山資本主義などがあるのでしょうね♪ (2013.08.21 23:32:58)

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