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2013.10.25
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カテゴリ: 気になる本
毎度のことではあるが・・・・
中国報道官の発言に、イラッとしますね。
最新の発言を紹介します。

10/22 「断固対応」と反発 日本政府の無人機撃墜方針に中国 より
 領空侵犯した無人機が警告に従わない場合に撃墜を含めた強制措置を取る方針を日本政府が固めたことについて、中国外務省の華春瑩報道官は22日の記者会見で、「外来勢力によるいかなる挑発行為のエスカレートにも断固として対応する」と述べ、強く反発した。
 華氏は「日本は外部の脅威を誇張して、人為的に地域の緊張や対立を生み出し、それを口実に軍備増強を進めている」と非難。尖閣諸島(沖縄県石垣市)の中国領有権を主張し、「中国政府は国家の領土主権を守る決意と能力がある」と訴えた。(共同)

チキンレースの論法なんだろうが、論理が逆転しているじゃないか!
このような中国の威嚇に対して、いちいち反応していると気分が良くないので…
もっと冷静な論調を探してみました。

朝日デジタルから、わりと心強い論調を紹介します。

10/11 安保の底流、中国は脅威か より
 日米外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)が終わり、安倍政権は安全保障の論議を本格化させる。底流にある「中国脅威論」は見る角度によって大きく異なる。防衛、経済の最前線で感じたリアルな中国とは。何が実像で、虚像なのか。

<経済成長の幻影に惑うな:津上俊哉>
 約1年前、日本が尖閣諸島を国有化したのを機に、中国各地で反日暴動が起きました。何十年も地元経済に貢献してきた工場が焼き打ちされ、百貨店なども壊されました。それまでは、経済の深い結びつきが安全を保障していると楽観していましたが、そうした信頼は崩れ去りました。

 偶発的にせよ、もし領土・領海問題で武力衝突が起きたら、一気に反日の風が吹く。私は日系企業に、万一に備えた脱出ルートを確保するように助言しています。「従業員本人と家族には、航空券を持たせておいてください。いつでも使えるオープンチケット、それも外国航空会社の日本行き以外の便で」と。そうでないと飛ばなくなる恐れがあるからです。

<世界一は不可能>
 ただ、3月に発足した習近平体制が最重視するのは、権力基盤の確立と経済政策のかじ取りです。日本では「国民向けの人気取りのために、中国が領土紛争で強い行動に出る恐れ」がささやかれます。しかし、国民は暮らしが良くなることを願っているのに社会は不安だらけのもろい国です。うかつに拳を振り上げれば、国内が大混乱になる恐れがある。そんな危険は容易に冒せないでしょう。

 ただでさえ、中国経済は瀬戸際にある。飛行機にたとえるなら、機長と副機長は乗客には平静を装っているが、実際は失速警告ブザーが鳴っているようなものです。

 中国の成長予想は誇張されてきました。国内総生産(GDP)で世界2位の中国は近い将来に首位の米国を抜く勢い、と世界中が見てきました。 その幻想が、特に東アジアの安全保障をかき乱したのだと思います。いわば影絵のスクリーンに映る大きさを見て、おびえるようなもの。日本も「中国はどこまで強大化するのか」と脅威に感じ、対抗しようとしてきたと言わざるをえません。

 でも、その仮定は誤っていませんか? 私には、中国がその倍のGDPを誇る米国を抜く日が来るとは思えません。

 中国は2008年のリーマン・ショックを乗り切るために4兆元(約60兆円)もの景気刺激策を打ちました。しかし投資頼みが習い性になり、いま深刻な後遺症に襲われています。過大投資で負債が膨張したのに、収益性は低いので、元本償還を借り換えでしのぐ例が急増しています。だから、まるで多重債務者のように高金利のシャドーバンキング(影の銀行)を利用しているのが現状です。

<停滞に向かって>
 習体制は、成長率が少し下がっても経済成長が持続可能になるよう試みています。ただ、投資を前年並みに抑えるだけでも成長率はがくんと落ちるのでブレーキをかけるのは簡単でない。

 中国の今年の成長率目標は7.5%。ところが本当の成長率はすでに5%前後まで下がっていると見たほうがいい。高成長を支えた要因の多くもすでに峠を越したか、越えようとしています。

 特に、少子化が不安材料です。一人っ子政策だけが背景ではありません。教育費や住宅事情などを考えると、子どもを2人も3人も持つ経済的な余裕がないのです。10年後には確実に、成長の足かせになるはず。私は、中国経済は減速というよりも停滞に向かっていると見ています。

リーマン・ショックに打ちのめされた欧米や日本を横目に、劇的に回復を果たした中国では「我々の時代が来た」という心理バブルが起きたと思います。アヘン戦争後、列強に侵略された歴史があるからこそ、気持ちがはじけた。それからですよ、領土・領海問題を「核心的利益」と位置づけ、対外姿勢が強硬になったのは。

 第一線のビジネスマンやエコノミストは、すでに中国の変調に気づいている。しかし、政治や安全保障に携わる人たちは経済から遠い分、まだ「中国の成長は続く」という仮定に沿って動いている。経済という下部構造から政治・安全保障という上部構造へ実像が伝わるまでには「時差」があるようです。 中国も日本も「中国高成長」の幻想から醒(さ)めて、現実に向き合うべきです。軍事的緊張を高めている経済的余裕はどちらにもない。ことを構えれば、両者とも敗者になるだけです。 (聞き手・磯村健太郎)

津上俊哉:コンサルティング会社「津上工作室」代表 57年生まれ。04年まで経済産業省に勤務し、在中国日本大使館参事官、北東アジア課長を歴任。著書に「岐路に立つ中国」「中国台頭の終焉」など。


更に・・・
図書館で「中国人民解放軍の実力」と言う本を借りたので、この本から「脅威」のあたりを紹介します。

<脅威で抑止> よりp170~172
 中国政府は日本の政治家の口から中国脅威論が出ると、強く批判する。最近では2011年4月、北澤俊美防衛相が中国海軍の拡大を懸念し、米韓との連携強化が必要との認識を示したことに中国国防省の報道官が「中国軍事脅威を吹聴している」と反発した。2005年12月に民主党の前原誠司代表が「中国の軍事力は現実的脅威」と発言した際には、直後の訪中で、中国側は要人会見までキャンセルして冷遇した。「脅威」という言葉を口にすることも許さないような威圧感だ。
 しかし人民解放軍の基礎理論には「威ショウによる攻撃抑止」がある。威ショウは、相手が恐れることで、日本語では「脅威」に近い。相手に畏怖を抱かせることによって、自分に対する攻撃を防ぐ。これは中国の核兵器理論でよく使われるが、武装力全般に当てはまる。抑止論の基本でもある。報復が怖いぞ、と恐怖を与えて相手に行動を思いとどまらせる戦術だ。
 中国軍の退役少将で、軍事戦略の専門家、除光裕は、中国の核戦略の基本は「威ショウあって威脅なしだ」と語っている。ここで使っている中国語の「威脅」は一般に「脅威」と日本語に訳されるが、意味は積極的に相手を脅かすこと「脅迫、威嚇」に近い。中国の核兵器は本物で相手に「威ショウ」は感じさせるけれど、中国から積極的に脅かしたりはしない。非核保有国には使わないとしているので、脅迫はしていないというわけだ。要するに外国が「恐れる」ことの必要性は認めている。
 日本と中国は漢字を使っているから、双方が「脅威」を同じ概念と思っているが、意味は微妙に違う。日本人は中国が積極的に脅かしてこなくても、存在を脅威と表現する。ここに誤解がある。少なくとも中国に対して「中国の軍事力は威ショウだ」と言えば反論できないだろう。
 ある国家の軍事力は一般的にはその能力と意図で評価される。しかし、中国の場合、その能力が公表されていないし、公表している意図にこれまで見てきたように疑念が生じる。具体的な戦力、核弾頭数はもちろん、戦車や戦闘機、ミサイルなどの数は一切公表されていない。人間は分からないことには不安や恐怖を覚えるだろう。

 中国は抑止力の効果を高めるために不透明さを必要としている。だから不透明性は意図的なものといえる。中国軍事科学院の羅援は「透明性は軍事機密の保持とは対立する。われわれの軍事力はまだ遅れており、秘密も国の安全を守る手段だ。強い国とは違う」と私に語っている。実力を分からせないことが抑止力になるとの認識を明確にしている。だから日本が「中国は怖い」と感じる時、抑止の効果が出ているということであり、中国側の思惑通りになっていると言える。
「威ショウ」は確かに軍事行動を抑止するだろう。ただ、われわれに違和感があるのは「威ショウ」のためにはうそやデマも正当化されることだ。
『ショウ戦』(2003年)は戦略ミサイル部隊の「威ショウ戦術」について次のように書いている。「虚実を結合させ…敵の判断力を失わせる、真偽の判別を困難にさせる。…秘密保持とリークを結合させ、威力を誇示し、こちらの具体的状況を分からなくさせる」
「さまざまなメディアを利用して核兵器を使うと威嚇して心理的な恐怖感を植え付ける」などとしている。「防御的」とはいえ、こうした戦術を目の当たりにすれば、相手が「脅威」と受け止めるのは避けられないだろう。中国側もそれをある程度期待しているのだ。
(ショウはリッシン偏に耳が三つの漢字)



<非先制攻撃> よりp63~66
 米英仏中露の核保有5大国のうち、核の先制不使用を宣言しているのは中国だけだ。中国はそれを売りにしている。日本政府も中国の先制不使用政策を高く評価し、2009年、岡田克也画外相が米国も中国に倣って宣言するよう求めたこともある。中国は先制不使用をほかの国にも宣言するよう求めている。
 しかし核戦略理論の分野では、先制不使用(no-first-use)と非先制攻撃(no-first-strike)という言葉を別の概念として使い分けている。

(以下、文字数制限により省略、全文は フリーページ 参照)



【中国人民解放軍の実力】
中国

塩沢英一著、筑摩書房、2012年刊

<「BOOK」データベース>より
中国の軍事力に対する警戒感が高まっている。空母の建造、対艦弾道ミサイルや次世代ステルス戦闘機の開発…など、経済成長を背景に、軍備も膨張し続けている。領土・領海への野心も小さくない。けれど、その実力は未知数である。他国に比べて情報が少ないため、専門家でも評価が極端に異なるのだ。パワーを得た彼らが暴発することはないのか。そもそもどんな思想のもと、彼らは何を目指しているか。特派員として現地を取材し、数々のスクープを上げたジャーナリストが、不透明な中国軍の裏側をえぐる。軍幹部の証言や、独自入手した資料で浮かび上がった、人民解放軍の実像とは。

<読む前の大使寸評>
尖閣問題でチキンレースのように威嚇カードを切ってくる中国であるが・・・
この時期、人民解放軍の実力を押さえておくことは、対中リテラシーとして必須のものだと思うのです。

rakuten 中国人民解放軍の実力









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Last updated  2013.10.25 12:31:41
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