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2013.10.30
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カテゴリ: 気になる本
日曜日の朝日新聞に読書欄があるので、ときどき切り取ってスクラップで残していたのだが、これを一歩進めて、無料デジタル版のデータで残すことにしたのです。


・蔵書の苦しみ 
・街場の憂国論

さっそく、図書館に借り出し予約するのもいいかもね。
********************************************************************************

蔵書の苦しみ より
蔵書

<読書家は゛いい意味゛の言葉じゃない:青木るえか>
苦しみったってオマエ、糖尿とか結核とか痔とかの苦しみじゃないだろう。いや痔だって、辛いもの食べ過ぎとか自分の放埒な生活による報いの場合があるわけだが、蔵書の苦しみって、好きで買い散らかした結果以外の何ものでもない。ケーキの食い過ぎでデブになるのと同じぐらいみっともないことなのに、コトが本となると、何か文化の香りが漂い、困った困ったと言いながら自慢げというか……と、私はずーっと、蔵書の多さを得々と嘆く人のことを批判してきたのであった。
 岡崎武志といえば書評家だし、またぞろその手の自慢本か、と思ったが、この本はちょっと色合いが違う。蔵書の有名人、蔵書で困ってる人、蔵書の始末の仕方、なぜ蔵書が膨大になってしまうのか、などが書かれている。蔵書のために家を建てた人も登場し、ふだんなら私の怨嗟の的になる人だが、壁いちめんにびっしり収まってる本の写真を見てもうらやましさは芽生えない。たぶん、この家を建てた人も、書いた岡崎さんも、本のことでしみじみ困ってるからだろう。
 それにしたって、生きていくにも困るような金銭状況だったら本など買わないわけで、いい気な悩みである。それに世の中には「本は読まない」人はいっぱいいて、蔵書の悩みと言われたって意味もわからないだろう。そこでよくある悲劇が「妻が夫のマンガコレクションをゴミに出した」とかいう話であり、これにもそういう話はちらっと出てくる。こういうのは「実は売ればすごい高値がついて妻は後で地団駄」というオチがつきものだが、私も本が好きでよく買うけれど他人の本は捨ててしまおうといつも思ったりしているので、妻の味方なのである。
 読書家、という言葉が「いい意味」で使われるのは間違いである。断酒道場ならぬ断書道場みたいなものだって出来てしかるべきだ。本が売れないと嘆く声があるが、本なんかなくても別にいいじゃん、となげやりな気持ちになる、ちょっと不思議な本であった。
    ◇

『蔵書の苦しみ』岡崎武志著、光文社、2013年刊

<「BOOK」データベース>より
多すぎる本は知的生産の妨げ。自分の血肉と化した500冊があればいい。机のまわりに積んだ本こそ活きる。-2万冊超の本に苦しみ続けている著者が、格闘の果てに至った蔵書の理想とは?
【目次】
蔵書が家を破壊する/蔵書は健全で賢明でなければならない/蔵書買い取りのウラ側/本棚が書斎を堕落させる/本棚のない蔵書生活/谷沢永一の蔵書/蔵書が燃えた人々/蔵書のために家を建てました/トランクルームは役にたつか?/理想は五百冊/男は集める生き物/「自炊」は蔵書問題を解決sるか?/図書館があれば蔵書はいらない?/蔵書処分の最終手段

<読む前の大使寸評>
最近は図書館の本をよく読んでいるが、大使の蔵書といっても、ささやかな物量である。だから、当面の原則として、蔵書は捨てずに抱え込んでいるのです。
貧乏性の大使は、本棚のスペースを意識して買い込む本の物量を制限しているんでしょうね。
一方で、蔵書のために家を建てた人もいるそうだが、そういう身分になってみたいものだ(アハハ)

・・・ということで『蔵書の苦しみ』というこの本は、今後の対応として気になるのです。
rakuten 蔵書の苦しみ



街場の憂国論 より
憂国

<内田樹人気を考える:永江朗>
 書店観察が好きなぼくにとって、晶文社の本はひとつの指標だった。晶文社の本がどう置かれているかで、書店の性格がわかる。しかしこのところ晶文社の元気がなかった。冬眠とまではいわないが、昼寝している感じ。それが最近、目を覚ました。「犀の教室」なんていう、晶文社らしいシリーズも始まった。
 第1弾、鷲田清一『パラレルな知性』とともに刊行されたのが内田樹『街場の憂国論』だ。他の多くのウチダ本と同じく、著者がブログはじめあちこちに書いた文章を編集者が集めて1冊にした。内田センセ、国を憂えておられるのである。
 内田樹はなぜ人気があるのか。その理由は、まえがきに書いてある。いや、「だからオレは人気がある」とは書いてないけど。
 内田はあるときから「他の人があまり言わないこと」だけを書くようになったという。その理由のひとつは仕事を減らすため。原稿を読んだデスク(編集部の現場監督)が拒絶するような原稿を書けば仕事が減るだろうと考えた。ところが意に反して原稿は好意的に受け止められ、センセますます商売繁盛。
 どうしてそんなことが?
 「他の人があまり言わないこと」を書くと、意外にもリーダー・フレンドリーになるのでは、と内田は推測している。聞いたこともないような意見を伝えるためには、ちゃんとわかりやすく説明しなければならない。しかも最後まで聞いてもらうためには、そのための工夫も必要だ。
 対極にあるのがネットの匿名発言だ。誰でも言いそうなことを(下品な言葉遣いで)書き飛ばしているのだけど、凡庸なので発言者は誰とでも交換可能だ。
 本書の中に、情報の格差について述べている部分がある。情報リテラシーとは、情報についての情報を把握できること。持っている情報と持っていない情報について判断できること。ないものについて思いを巡らせることだ。
    ◇

『街場の憂国論』 内田樹著、晶文社、2013年刊

<「BOOK」データベース>より
行き過ぎた市場原理主義、国民を過酷な競争に駆り立てるグローバル化の波、排外的なナショナリストたちの跋扈、改憲派の危険な動き…未曾有の国難に対し、わたしたちはどう処すべきなのか?日本が直面する危機に、誰も言えなかった天下の暴論でお答えします。真に日本の未来を憂うウチダ先生が説く、国を揺るがす危機への備え方。
【目次】
第1章 脱グローバル宣言、あるいは国民国家擁護のために(壊れゆく国民国家/自民党改憲案に伏流するもの ほか)/第2章 贈与経済への回帰(市場からの撤収/経済成長の終わりと贈与経済の始まり ほか)/第3章 国を守るということ(領土問題は終わらない/沖縄の基地問題はどうして解決しないのか? ほか)/第4章 国難の諸相(日本のメディアの病/暴言と知性について ほか)/第5章 次世代にパスを送る(教育の奇跡/大学統廃合がもたらすもの ほか)

<読む前の大使寸評>
ブログ 内田樹の研究室 で述べられる内田先生の論説は、目を通していちいち納得する大使であるが・・・
このところ先生が世に出す本が多いので、おっつかない有様である。
評者の永江朗がさんが「内田樹人気を考える」という切り口で、この本をとりあげているが・・・・大使としても内田先生の人気の秘密が知りたいわけです。

rakuten 街場の憂国論


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Last updated  2013.10.31 07:37:03
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