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2014.01.01
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カテゴリ: 歴史
明けまして、おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

年越し用として図書館で借りた5冊ですが、「中国が海を支配したとき」をメインに読もうと思っているのです。
とにかく、この本のタイトル「中国が海を支配したとき」が刺激的なんですね。
…では、年を跨いで読んでいるこの本を、最新報道と絡めて紹介します。

【中国が海を支配したとき】
鄭和

ルイーズ・リヴァシーズ著、新書館、1996年刊

<「MARC」データベース>より
大航海時代に先立つこと数十年前に、ヨーロッパ艦隊とは比較にならないほどの大艦隊が世界の海を牛耳っていた。中国に出現した鄭和の艦隊の大航海と、蜃気楼のように歴史の舞台から姿を消すまでを描く。

<読む前の大使寸評>
1996年刊のこの本のタイトルが、今日的であることが気になるのです。

amazon 中国が海を支配したとき


この本の冒頭部のさわりを、一部紹介します。
著者の中華を見定めるスタンスが感じられるけど、ええでぇ♪

<夷狄の民>
 2世紀以降、漢王朝の隆盛にともなって儒教は上層階級の道徳規範となり、同時に形を整えつつあった封建官僚制度の基盤となった。華南の大部分をはじめて統治下においた漢は、皇帝の政治的・道徳的権威を強化し。同時に諸王の力を抑える切り札として、儒教を国教に採用した。孔子は、皇帝こそ天と人とを媒介する存在であるという、商(殷)に起源する古代的観念を主張したにとどまらず、さらに、真の支配者たるものは「社会を徳で感化する」存在だと述べている。

 漢の皇帝たちは1種のアカデミーを設置し、儒教の普及に努めた。そうした風潮のもとでたちまち公務と農業こそが徳ある人間の就くべき職業として称揚されてゆ一方、商業や交易は本質的に堕落した行為として貶められることになった。商人は社会的に職人の下に位置する階層とされ、ぜいたくをいましめる法律によって上質の絹服を着てはならない存在とされたのである。

 3世紀、漢王朝の没落に引き続く混乱した時代の中で、華北一帯における交易活動は、皆無とは言わないまでもきわめて限定されたものでしかなかった。まずは生きのびるのが先決という状況にあっては、異国に対するさまざまな好奇心が育たなかったのも無理はない。後漢が滅亡したのち、分裂した各地方勢力はその後400年間を絶えざる戦争状態の中で過ごすことになる。7世紀のはじめにいたって、ついに李家が覇権をおさめ、隋の後を継いで618年に唐を建国する。唐の軍勢はモンゴル地方にいた東トルコ系の諸民族を破り、満州南部および朝鮮を支配下に置いたのち、今度は西に向かって進み、現在の新疆(ウイグル自治区)にあたる地にいたトルコ人たちを制圧した。

 こうして成立した大帝国は、その内部にトルコ人、ウイグル人、ペルシャ人、アラブ人、そしてインド人といった多数の「夷狄の民」を抱えこむことになった。中国は人種のるつぼとなったわけだが、そもそも唐の皇室自体にトルコ人の血が混じっている。当時の中国人はこうした異国の民について知りたくてうずうずしていながら、一方では外国人に対する儒教的な疑惑がその好奇心に歯止めをかけているという状態にあった。
 このふたつの相矛盾する感情は、荒れ狂う海の波のようにめまぐるしく両極を行き来した。それをもっともはっきりと示した場所は、ほかならぬ長安にあった唐の朝廷であろう。異国人のまねをしたかと思えば次にはそれを唾棄すべきものとし、惜しげもなく歓待したかと思えば次には迫害するということを繰り返していた。

ジャレド ダイアモンドの中国観を なぜ中国は眠れる獅子だったのか で紹介したが、このルイーズ・リヴァシーズさんの中国観も、なかなかなもんやと思うのです。

ここで、現代の朝廷とも言える中国共産党の海洋政策を最新の報道から見てみましょう。覇権のための新ルールを目指しているようだが、その自己中なマインドが果たして通用するでしょうか?

12/25 航行の自由、異なる思惑 日本・中国 より
■日本、あいまいさに利点
 「何としてでも『航行の自由』を入れてくれ」
 10月9日にバンダルスリブガワン(ブルネイ)で開かれた日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)の首脳会議。安倍晋三首相は直前まで、議長声明の文言を巡って各国との調整に走る外務省幹部に発破をかけた。

 首相は昨年12月の就任以来、外国首脳との会談などの場で「航行の自由」の重要性を訴えてきた。東シナ海や南シナ海に大量の漁船を送り込んだりして周辺国を威圧している中国への牽制であるのは明らかだった。

 ブルネイでは親中派の国が尻込みしたが、なんとか議長声明に盛り込ませることができた。
 さらに、12月14日の日本・ASEAN特別首脳会議では、議長声明より格上の共同声明に「航行の自由」が明記され、行数も増えた。「ブルネイが下地になった」と外務省幹部。

 「航行の自由」は、海のルールである国連海洋法条約(UNCLOS)の根幹であり、太平洋を仕切る米国の金科玉条だ。ただ、米国と日本との間には微妙な温度差がある。
 米国は、沿岸国に水産資源の探査・開発の権利を与えている排他的経済水域(EEZ)でも他国は軍事活動を原則としてできる、と繰り返す。

 対して、日本政府は「他国のEEZ内でも軍事的活動はできる」と公言するのは避けてきた。2003年に参議院で当時の外務省北米局長が、国連海洋法条約の「自由だが沿岸国に妥当な配慮が必要」という条文をなぞった。それが公式見解だ。

 対中外交の交渉の余地を残しておきたいためだ。
 海洋問題に詳しい海洋政策研究財団の秋元一峰・主任研究員は「『あいまい』にプラスの面がある」と指摘する。

 日本の最南端、沖ノ鳥島を巡って中国は「島ではなく岩だ」と主張している。「島」と認められると周りは日本のEEZとなる。沿岸国のEEZでの他国の軍事的活動は規制される、との立場の中国の海軍は、周辺海域での活動を自粛するしかなくなる。米軍の拠点のグアムなどの情報を集めるのも難しくなる。

■中国、新ルールめざす
 米国と中国のEEZをめぐる対立の歴史は浅い。1982年に国連海洋法条約が採択されてからだ。

 海洋ルールづくりが本格化したのは第2次大戦後。58年に領海や公海に関する条約が採択された。60年代になって先進国と途上国の対立が起きると、新興の独立国が水産資源の権利を主張。それまでの条約を見直して一本化する形で国連海洋法条約の交渉が73年に始まり、EEZの創設につながった。条約づくりでは、すでに海洋大国だった米国と旧ソ連が、軍事活動に不可欠な「航行の自由」が脅かされないよう領海の範囲をあまり広げない方針で一致し、交渉をリードした。

 同志社大学の坂元茂樹教授は「航行や上空飛行の自由を制約されたくない先進国と、小国なので脅威を減らしたい途上国のせめぎ合いだった。このため、軍事的な活動との兼ね合いも十分に考慮されて作られた」と話す。EEZで経済的な権利だけを与えることにしたのもそのためだった。

 一方、中国は出遅れた。「当時は海洋法の研究は十分ではなく、交渉の最初のころは法律の専門家も入っていなかった」と上海社会科学院中国海洋戦略研究センター主任の金永明氏。不満が募り、EEZでの他国の軍事活動の規制を正当化するようになる。

 EEZは新しい法的概念のため、「条文にはあいまいなところがあり、一部は自国に有利に解釈できる」(金主任)。実際、中国と同じようにEEZでの航行の自由に否定的な立場を取っている国はブラジルやインドなど約20ある。

 米国の海洋専門家の多くは「中国は大きくなり続けるため、航行の自由を尊重していくようになるだろう」(元米海軍大佐のカーレトン・クレイマー氏)とみている。
 ただ、アジア太平洋安全保障研究センター(APCSS)のジェフリー・ホーナン准教授は「中国に変化を期待するのは容易でない」と楽観論をいさめる。

 「中国がEEZの管理を強めたいのは、西側諸国に植民地支配されてきた歴史的な背景がある。欧米主導のルールとは異なる新たな海洋秩序を目指している」

■摩擦、防空圏に飛び火
 11月23日午前10時(日本時間同11時)。「海」の緊張が「空」に飛び火した。中国国防省が突然、日本の領土の尖閣諸島の上空に防空識別圏(ADIZ)を設けたのだ。

 ケリー米国務長官はすぐさま「東シナ海の現状を一方的に変えようとする行為だ」と批判。日本も「一方的な措置は認められない」(岸田文雄外相)と色をなした。日米も周辺にADIZを設定しているが、中国は一方的で、内容も強制的だったためだ。

 通過するすべての飛行機に飛行計画などの提出を義務づけ、指示に従わないと軍が緊急措置をとると言い切っていた。

 中国は「ADIZは領空ではない」(国防省)と国際法に沿った姿勢をみせている。
 ただ、中国は以前から、「EEZでの軍事活動を規制するな」という米国に対し、「米国は本土から遠く離れた公海上にADIZを設け、飛行する場合には自国に目的地などを事前通知するよう求めている」(上海交通大学の薛桂芳教授)と反論してきた。

 ADIZは沿岸国が管轄できる空域と我田引水の解釈をし、海と空を連携させて米国に対抗しようとしてきたのだ。今回のADIZは、中国流EEZの空中バージョンといえる。
 中国は、米国と旧ソ連が主導した海のルールに納得していない。APCSSのホーナン准教授は「ADIZの問題はEEZの話と似ている。中国は空でも新たな秩序をつくろうとしている」と指摘する。
 中国国防省はADIZ設定について「軍の能力や国の政治状況を総合的に判断し、ふさわしい時期に発表した」と説明。南シナ海にも設ける方針だ。

 東シナ海と違って南シナ海は中国大陸から遠く、大陸にある対空監視施設のカバー範囲に限界がある。このため、中国空軍が全域で情報収集や警戒監視・偵察をするのは難しく、すぐには設定できない、との見方もある。(寺西和男、倉重奈苗=北京、奥寺淳=ワシントン、織田一)

◆キーワード
 <国連海洋法条約> 海洋のルールを包括的に決めた条約。166の国・機関が批准し、「海の憲法」とも呼ばれる。海洋を、沿岸国の主権が及ぶ「領海」、領海の外にあり、沿岸から200カイリ(約370キロ)までの「排他的経済水域(EEZ)」、どの国の領海とEEZにも含まれない「公海」に区分。EEZでは、沿岸国に天然資源の開発などの権利を認めている。米国は批准していないが、国際慣習法として順守する立場だ。







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Last updated  2014.01.02 11:29:55
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