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2014.01.31
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カテゴリ: 自然・環境
<林業経営はシンドイ>
WOOD JOB!(ウッジョブ)には光と影があるわけで、影の部分も知っておく必要がある。その蔭のあたりを「木と森の雑学」という本で読んでみました。



雑学

鈴木啓三著、グラフ社、1985年刊

<「BOOK」データベース>より
データなし

<大使寸評>
このところ WOOD JOB!(ウッジョブ)が気になる わけです。
この本で、林業経営はシンドイということがよくわかります。

rakuten 木と森の雑学



<全国きわめつき林業地ベスト10> p118~124
 日本の林業は、世界に誇れるほどに立派なものですが、なかでも青森ヒバ、秋田スギ、木曾ヒノキの三大美林は別格としても、ここにあげる10ヵ所はいずれ劣らぬ優秀な林業地ばかりです。覚えておいてソンはありませんよ。

1.パイロット・フォレスト(北海道・標茶営林署、カラマツ)
2.会津キリ(福島県、日本キリ)
3.西川林業(埼玉県、ヒノキ、スギ)
4.天竜林業(静岡県、ヒノキ、スギ)
5.能登のアテ林業(石川県能登地域、アスナロ)
6.北山林業(京都市、スギの磨き丸太)
7.吉野林業(奈良県、ヒノキ、スギ、楢)
特記すべき点は、他の林業地にはないことですが、村外の商業資本にによって、その9割が支えられていることです。地元にはその保護管理が委ねられており、その山守りの任は権利として世襲されています。村外の森林保有者一人に対して、一人から数十人の山守りがおり、出頭(大番頭)が置かれている例があります。

8.木頭林業(徳島県、スギ)
9.日田林業(大分県、ヒノキ、スギ、アカマツ)
10.屋久スギ(屋久島、スギ、天然広葉樹)

(この本には、各林業地のお話が載っているが、吉野林業についてのみ紹介しました)


山師といえば、なんとなく詐欺師のようなイメージであるが、次の説明でよくわかりました♪

<「素人は山に手を出すべからず」の根拠> p139~141
 山師という言葉があるように、山については専門家でない人の感覚がそのまま通用しにくいところがあります。投機的に万に一つの幸運を夢みたり、山なら確かに資産だからと貸借関係の担保にいたり、といったことは避けたほうがよい、とご忠告いたします。
 まず林業投資は利率5%程度が最高限度であること、200ヘクタール以上の経営規模がなければ十分成り立つとはいえない事業であることを知っておいてください。
 また担保の設定についてみると、全国に202の支店をもつある上位の都市銀行でさえ、山という不動資産の扱いは本店のみに限っています。それほど山林担保はむずかしいということなのですが、仮に担保を取ったとして、この物件を処分する際には、以下のようなポイントを十分理解し、適切な処置ができなくてはなりません。

1.その山(森林・林地)は純山林か農地介在林か。
2.針葉樹林か広葉樹林か。
3.林齢構成はどうなっているか。
4.上物(木のこと)の時価はいくらか。
5.その森林面積は森林簿によるものか、それとも確実に実測した登記か。
6.常時監視できないその山林が慢用されていないかどうか。
7.森林林地の境界は確かか、それを示す永久石柱はあるか。

 こういう事実を確認するだけでもむずかしく、素人には理解しにくいことがあまりに多すぎるという気がするのですが、要するに公図を見て、その山の地形・環境などを十分読みとることができ、しかもその読みとりと現地の状態とが一致するような知識や経験が、山を扱うには絶対に必要である、ということです。
 この意味から「素人は山には手を出さないほうがよい」という教訓となるわけですが、これとは別に、国や地方自治体で進めている緑の国づくり、郷土づくりのための山林共同経営企画、また林野庁が昭和59年から始めた国有林の育林契約制度などがあります。
 こちらのほうは、投資というよりも、国や県、市町村の事業に参加するということが目的ですから、あまり大きな見返りを期待せずに緑づくりに参加している、あるいは自分もオーナーの一人であるという誇りなり、満足感のためであれば、大いにおすすめします。

2007年、緑のオーナー制度の元本割れが判明する前に述べられた本なので、当時の林野庁の能天気さが見てとれるようです。山師とは林野庁の官僚だったりして、アハハ!

次は林業経営についてです。
約30年前の本なので金銭事情が古くなっているが、林業経営の苦境は変わっていないはずです。

<林業経営でメシを食うのはシンドイ話> p141~146
 山持ち、つまり山林の所有者というと、なんだかずいぶんお金持ちのように聞こえますが、実際はそうとばかりも言えません。所有する山林の面積や、そこに植えられている木の種類などによっても、いろいろな違いがあるからです。ここで、一般的林業経営の場合、どのくらいの山持ちであれば、メシが食えるのかを、みてみましょう。

 1ヘクタールというと100アール、1万平方メートルです。一般の家庭の敷地などからみたら、とてつもない広さです。そこで、山林を50ヘクタール所有しているというと、相当な山持ちのようですが、実際にはまず200ヘクタールくらいを所有あるいは保有していないと、林業経営者とは言えないのです。
 昭和58年度の「」によると、前年度の林家一戸当りの年平均の林業所得は、50~100ヘクタール所有階層では、103万5000円で、これでは家族4人はとうてい食べていけません。100~500ヘクタールではどうでしょうか。この所有階層で、やっと平均328万6000円の収入があり、もう少しで一般サラリーマンに並べるかといったところです。

 もう少し詳しく調べてみましょう。
 計算の基礎になる数字を、1.人工林率=55%、2.伐採時期=植林後40年、3.法正林率の完成度=三分の一といったところに仮定します。
 いま、スギの林200ヘクタール所有の林家が年に伐採し得る面積は、
 200×0.55÷3=0.9166
 となり、0.917ヘクタールです。
 ところで、40年生のスギの立木の材積は1ヘクタールで357立方メートルですから、0.917ヘクタールなら327立方メートルになります。立木単価が1立方メートル当り1万5000円とみて、この林家の収入は491万円になります。
 この収入から翌年の伐採跡地の造林費(1ヘクタール60万円として0.917ヘクタールは55万円、うち半分ほどは政府補助)と租税公課を差し引くと、410万円前後になります。
 つまり、スギの森林200ヘクタールの山持ちでも、林業収入は400万円程度でしかないということです。

 同様に、植林後80年のトドマツ林200ヘクタールを持つ林家の場合、年収は510万円ほどになります。金額だけを比べると、前記のスギ林よりいいとしても、伐採までの年数は倍の80年です。それを計算に入れると320ヘクタール以上ないと追いつかないことになります。
 この、時間との勝負が、林業経営者にとっていちばんツライところです。早く育つ木を植えればいいと思われるでしょうが、野菜などとは違って、比較的早く伐採できるウルシやキリにしても15年から20年はかかります。結果的に、樹種にもよりますが、ある程度の広さを所有していないと森林経営はやっていけないということです。

この本の著者は営林署長などを経て現在は林業経営コンサルタントとのことである。
この本を読むと、森林、樹木を愛していることは感じられるのだが、どうしてもお役人臭が抜けないようです。

「緑のオーナー」制度については、制度をつくった当時の責任者(官僚や政治家)が、責任を取るしかないのだが、誰か責任を取ったでしょうか?
 失敗しても責任をとらされない今の公務員システムが、今のように無責任国家を作り上げてしまったようです。


問題は高級官僚の資質なんでしょうね。つまり日本の森林と林野庁組織とではどちらが大事なのかということに尽きるのだが。






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Last updated  2014.01.31 17:04:14
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