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2014.02.01
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カテゴリ: 経済
 中国の大手不動産会社トップがインタビューで「住まいの視点なく経済を操る政策、高まる人々の不満」と説いているので、紹介します。
 中国共産党の計画経済は、不動産バブルを回避できるのか?なにしろ初めてのバブルだから、予想が難しいようです。

不動産バブル
(大手不動産会社トップへのインタビューを1/28デジタル朝日から転記しました)


 バブルの崩壊がずっと心配されている中国。住宅価格の高騰に悩まされつつも、マイホームを手に入れることは人々の切実な夢だ。彼らの関心を集める中国の大手不動産開発会社トップの任志強(レンチーチアン)さんは、ウェイボーなど中国版ミニブログでフォロワー数千万人を抱える。ときに批判を浴びながらも語ることをやめないのはなぜか。

Q:なぜ、こんなに多くの人たちから注目されているのでしょう
A:ミニブログを始めて3年余りですが、フォロワーは三つのアカウントで延べ4千万人近い。中国のネット人口は6億2千万人といわれます。もっと多い俳優もいるが、企業家では上位数人に入ると思う。それだけ人々が住宅に強い関心をもっている証拠です。

Q:住宅価格が高騰しています
A:中国政府は2011、12年と意図的に土地の供給を絞った。過剰な投資を抑えるためです。しかし、都市部の需要は強いままだから、住宅が値上がりした。北京では1平方メートルあたり8万元(約140万円)近い物件もざらです。政府が昨秋から土地の供給を増やし始めたので、今年は上昇率が少し落ち着くでしょう。

Q:前政権の温家宝首相は「任期内に住宅価格を合理的な水準にする」と言っていましたが
A:できっこなかった。政府が開発業者に売る土地を絞っておきながら、価格を下げるなんて。国民に約束した政策を何年かけても達成できないなら、(中国共産党・政府の要人が働く)中南海から早く去るべきだった。

 中国政府は不動産を経済の調整弁に使ってきたのです。投資が過熱すると供給を絞り、経済が冷えると拡大させる。人々の住まいや産業の観点から、土地を扱ってこなかった。貧しい人たちに住宅を提供する社会保障政策も遅れている。

     ■     ■
Q:地方政府は、農民から安く買った土地を開発業者に高く売る「土地財政」に頼っています。値下がりすると困るから、下げられないのではありませんか
A:農地を市場で売り買いして農民にも利益を還元する動きはあるが、農民がもっとも損をしてきたのは事実。中国では、農村戸籍と都市戸籍で社会保障に差があります。農村戸籍だと都市で働いていても、都市戸籍をもつ人たちと同じ教育や社会保障を受けられない。だから農村出身者は都市にいても不安で、故郷の農地を手放さない面もある。農業の大規模化もやりづらく、農村の収入も上がらない。新政権は戸籍の改革も進めると言っています。

Q:中国の富豪の上位には不動産業者がずらりと並んでいます。もうけすぎなのでは。任さんも遼寧省大連で講演中に、出稼ぎ労働者から靴を投げられたことがありましたね
A:当時、米国のブッシュ大統領がイラクでの会見中、イラク人記者から靴を投げられたニュースを見て、まねした人がいた。首相への不満を私にぶつけたのでしょう。

 中国では、外国で金持ちが多い金融やエネルギー、通信、メディアが国有化されている。そのため、国有とは限らない不動産開発業者が金持ちの代表のようになっただけです。しかも、過去10年で国有企業が経済に占める比重が上がり、民間が下がる『国進民退』がおきた。庶民が家を買えないのは、労働者の給料が安いから。国が稼いだ富をもっと庶民に分配すべきだね。

     ■     ■
Q:こんな「住宅バブル」はいつまでも続かないでしょう
A:バブルじゃない。人口構造からみて、むこう10年は都市部の住宅需要は強いとみています。なぜなら、中国の都市化率はまだ半分程度で、これから数億人が都市部に入ってくる。さらに、中国で人口のヤマのひとつになっている1990年前後の生まれが結婚して子どもを産み、家をもつ時期が重なってくる。

Q:しかし、北京でも地方でも、郊外に行けば無人のマンションも少なくありません。高すぎて周辺の住民が買えないような物件です
A:中国の住宅購入は、現金の比率が高く、ローンが少ない。銀行が負うリスクは米国や日本などに比べて小さい。もちろん銀行から借金し、投資用の住宅をたくさん買って返済できなくなったケースもある。数千人規模だと思うが、中小の民営企業が多い浙江省温州市で目立ちます。

Q:地方政府は、正規の融資とは異なる「影の銀行」などから直接、間接にお金を借りてハコものを中心に開発してきました。不動産の動向が財政を左右します
A:地方の借金は確かに多い。土地を開発して売る前提で、地方政府が多額のお金を借りています。返済期限が来ても、土地を買収できていなかったり、開発物件が売れなかったりすれば、行き詰まる。ただ、中国の地方の債務は約20兆元(約340兆円)。地方政府がもつ国有企業などの資産は39兆元といわれ、株式や工場などの売却で借金を返せる、と政府は説明している。

     ■     ■
Q:なぜ、ミニブログで熱心に発信するのですか。昨年9月に訪日したときは、「日本人の多くは中国人を憎悪していない」などとつぶやいていましたね
A:編集されず、自分の意見を速く伝えられるから。誰もがメディアになれる。山東省青島市で昨年11月に起きたパイプラインの爆発事故を知っていますか。

Q:60人以上が亡くなりました
A:あの大事故は当初、地元を中心にメディアは『上(政府)』の命令で報道できなかった。中国ではよくあることですが、ウェイボーなどで多くの人が伝えました。

Q:しかし、市民の権利の保護を暴力的にならずに求める「新公民運動」すら取り締まられるなかで、ネットを通じて声をあげることは難しくなっているのでは。影響力があるアカウントへの言論の締めつけが強まっています
A:我々は日本ほど自由じゃない。それは確かです。たとえば、北京の教育部門の建物前に出稼ぎ労働者や彼らを支援する人々が集まって『我々は差別されている』『解決せよ』と叫んだり、これを組織するためにウェイボーを使ったりするのは難しいでしょう。不動産から始めて投資家になった知人は、こうした活動家にお金を支援したとして逮捕された(今月22日に保釈)。私は組織的な行動をせず、自分の考えを述べているだけだから、彼らとは違う。

 中国では、多くの企業家が政治目的をもたずに、公益活動を始めている。環境保護や貧しい子どもの教育のために寄付している。しかし、中国政府は民間組織を厳格に管理しようとする。政府の力が及ばない組織が増えると、社会に悪い影響を与えるのではないかと心配しているのです。たとえば、我々が環境基金を立ち上げようとしたとき、政府が認めたのは活動を始めてから5年目だった。欧米の人々の組織力や実行力は、若いころから自在に組織をつくったり、つぶしたり、そんな経験から培われている。中国ではそれが許されないから、能力が十分に育ちにくい。社会に公共的な活動の場を築くためには、大事な能力なのですが。

Q:住宅問題を含めて、政策に意見を述べる機会も多いですね
A:中国の企業家は、あれこれ言って面倒に巻き込まれたくないと思う人も多い。しかし、私は中国だからこそ、ビジネスマンがビジネスだけを語る『在商言商』ではすまないと考えます。日本なら投票という行動で意思を示せるが、中国では言葉にしないと商環境を決める政策の決定に関与できないからです。地方政府の税金の取り方は不透明だし、それを改めないから、ここ数年、中国の多くの企業家が海外に資産を移している。『国進民退』で、国有企業は民間が運営していた鉱山や資源会社を買収した。企業家も不安だ。政治に関心をもたずにはいられないよ。

    *
任志強:51年生まれ。中国人民解放軍から80年代に実業界に転じ、長く不動産開発にかかわる。北京市の関連企業などが株主の華遠地産会長。

<取材を終えて>
 中国で不動産開発会社のトップといえば、政府と結託して荒稼ぎする「悪者」の役どころともいえる。にもかかわらず、「任大砲」と呼ばれる率直な物言いが、多くの人をひきつける。カネがうなりをあげる中国で、生々しい実業家の声を聞いてみたいと考えた。

 「貧しい人のために家をつくっているわけではない」と述べて厳しい批判を受けたこともあれば、銀行の幹部人事に干渉した監督官庁を痛烈に批判して喝采を浴びたこともある。政治や政策に物言う中国の企業家の象徴的な存在でもある。

 ベストセラーの回顧録「野心は優雅に」によると、父親は元商務次官。だが、ウサギの皮の輸出商から始め、不動産業界に転じて事業を拡大した。「汚職の冤罪」で留置所に置かれたこともあったと記す。

 前首相を激しく批判しながらも、現政権には慎重に言葉を選んでいたのが印象的だった。法治に乏しい中国では、企業家は富も立場も一夜で失いかねない。それと同じように、需要の強さで説明した住宅価格の「上昇神話」にも、将来がはっきりしない危うさがつきまとう。任さんに、いまの中国の強さともろさがみえる。(編集委員・吉岡桂子)


利に敏い中国人に、現状の土地制度は犯罪的ともいえますね。

<中国の土地制度と住宅>
 中国の土地は「公有」が基本。地方政府が土地使用権を民間の開発業者に払い下げ、そのお金を元手にインフラや住宅など都市開発を続けてきた。使用権の期限は、居住用が70年、工業用が50年、商業用が40年などと定められている。

 農地の場合は、集団所有する農民から安く買い取り、開発業者に高く売って、地方財源にあてている。十分な補償も得られないまま土地を失う「失地農民」と地方政府の間には衝突が絶えず、ときに暴動に発展するほどの社会問題になっている。

 いっぽう、海外への投資制限や中国株式市場の先行き不透明感などを背景に、投資先が限られる富裕層のお金がマンションをはじめとする不動産に流れ込み、住宅価格を押し上げる一因になっている。

 中国の新築の住宅価格は昨年12月、主要70都市のうち浙江省温州市を除く69カ所で前年同月より上昇した。上海、北京など大都市では20%以上も値上がりしている。


計画経済とは、強権発動による軌道修正がきくので自由主義陣営が思っている以上に、したたかで強靭なのかもしれないですね。ただし政権が倒れたら経済もジ・エンドではあるが。


バブル崩壊に関するWEB新書をチョイ読みしてみましょう。

WEB新書 泡沫(パオモー)中国バブル大崩壊の足おとが聞こえる より
 極めて短期間のうちに、世界2位の経済大国に駆け上がった中国だが、民間の貸金業が規制される中で広がった「民間借貸」など、銀行以外の貸し出しの額は、GDPの8割を超えた可能性が指摘されている。これが事実であれば、その規模は700兆円以上にも達し、日本のGDPをも軽く超えていることになる。「影の銀行」が支える「泡沫(中国語でパオモー)」は、いつ、どんな形ではじけるのか? 







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Last updated  2014.02.01 06:34:39
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