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2014.03.14
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カテゴリ: アート
図書館で「絵本の作家たち(別冊太陽)」という本を借りたのです。
長新太、佐々木マキ、山本容子などわりと古い名の知れた作家が載っていたので、借りたわけです。
絵本作家と言っても、佐々木マキはマンガ家でもあったし、山本容子は版画家としても知られるように、クロスメディアとも言えるような・・・絵本がええで♪

また、極言すれば「1枚絵絵本」でもいいわけで・・・・大使の好みは、お話より絵そのものに向かうわけです。

それでは、この本から佐々木マキと山本容子のインタビューを紹介します。

【佐々木マキの世界】聞き手:小野明

<好きなものしか描けない> p60より
佐々木

―「絵にする」ってとても具体的でぬきさしならないことですからね。今までに「これは描けない」って断ったものはありますか。

 ええ、僕、苦手だらけで。生活絵本なんてまず描けない。それからあまりにも「現代」という感じのは苦手ですね。たとえば携帯電話なんかすごく描きづらい。使っている人間も今の人間にしないと、できないですから。僕はどんな時代でもかまわないように設定しておいて、1920、30年代にしてしまうことが多いんです。「ムッシュ・ムニエル」のシリーズとか。それは、第一にその頃の風俗が好きっていうことが大きいんですが。けっこう資料も持ってますし。それと、あまりにも「その時」の風俗を描いてしまうと、十年も経てばほんとに古くさくなってしまうでしょ。最初から古い世界にしてしまえば何十年たっても古くならないんです。今の生活の基本が出そろったのがその頃で、かなり応用きくんですよね。

―たしかに1920、30年代かなと思うところはかなりありますが、佐々木さんの場合、なにしろあの線で、ああいうキャラクターですから、ノスタルジーに誘われることはないですね、ある意味で新しい素材を扱っていても、それは時代を経ることによって色褪せてしまう新しさではなくて、見ている時常に新鮮に感じられる。佐々木マキさんの作品のそういう印象は、新しさは特別ないけれど、その確固たる感じが、やっぱりいいんじゃないでしょうか。

 そんな(笑)、どうなのかなあ。自分でせまくせまく持っていってるから。できないものばかり増えていって。僕はね、できれば絵も描きたくないんです(笑)。なんにもしたくない。きっと、労働を軽蔑しているんですね。フフ。

―労働でなければ、絵を描くことは・・・。

 趣味でしょうね。趣味としてはもちろん、好きなんでしょうね。だから、逆に言うと、たったひとつの趣味を職業にしてしまったために、趣味がなくなった。

―・・・それは本当に、かなり深い、根本的なところですね。

 そうですね。僕、略歴を書く時は、めんどくさいからマンガ家・絵本作家・イラストレーターって三つ並べて書いているんです(笑)。どれも中途半端でね。でも、「絵本作家」ってなんとなく恥ずかしいね。だいたい「絵本」と「作家」は語感としてくっつかないような気がするのになア。「児童文学者」もかなり恥ずかしいけれども。「童画」とか「劇画」もいやですね、「マンガ」ってのが一番いい。漢字の「漫画」は清水崑とか近藤日出造とか古めかしいような気がするから、カタカナがいいな。

―「マンガ」の、最新作は『怪盗スパンコール』ですよね。これからの新作の予定は。

 マンガは・・・体力的に、しんどいですね。やっぱり絵本と比べると、労力が全然違う。面積あたりの手間のかけ方だけじゃないんですけれども、マンガっていうのはやっぱり、若くて体力のある、根気のある人がやる仕事ですね。

 ただ、マンガの世界では僕が自分でたったひとりの先生と思ってる杉浦茂さんは、80歳過ぎても描いておられましたからね。僕もしんどいしんどいと言いながらもまた描くんじゃないかと思います(笑)。僕はマンガ好きなんでしょうね。劇画は嫌いですけど(笑)。

おお 佐々木マキは杉浦茂を師と仰ぐのか♪
確かに似たテイストであるが・・・あの杉浦茂ワールドは時代を超越していたなぁ。

・ 佐々木マキの世界(絵本)
佐々木マキのカヴァ-(村上春樹)編

【山本容子の世界】聞き手:小野明

<地平の重なりから生まれるもの> p122~124より
白雪姫

 もうひとつは、絵を発表する場所を広げる、ということがありますね。絵を発表する場所として、本というとても面白い場所がある。と同時に、本以外にもどんどん広げていきたい。壁画というのもそのひとつだし、前から考えている美術遊園地もそう、観覧車が誰それの彫刻だとか、ふだんあまり美術に縁のない人たちも楽しめるような巡回遊園地をつくりたいとか。私自身もそういう場がたくさんあればあるほど吸収できるものがふえるし。

―山本さんはそういう社会性というか、美術の受け手との関係についてかなり意識的ですよね。その社会性のとらえ方が独特です。

 そうです。それが前衛だと思うんです。そこに「今」があると思うんです。ピカソが今生きていたら何をしたんだろう、って想像するの楽しいでしょう。たぶんいろんなことを面白がってやっていると思うんです。私もいろいろなことをやって、それをみなさんに知ってもらって、楽しんでもらって、私を通して美術の面白さに気がついてもらえば、いいなあ、と思っているんですけどね。

―そういう社会への自分の開き方の一つとして、本というのはとてもいい器ですよね。特に山本容子さんの場合、版画があるから。
L『Lの贈り物』

 そうそう。銅版画そのものが印刷ですからね。しかも銅版画は手元30センチで見た時にきれいだと感じる技法なんですね。本と同じ。だから、手元で見るということがどういうことかを考えなければいけない。例えば、私が『Lの贈り物』という画集をつくった時はね、もともと文学全集用に2年半ぐらいかかって20枚の絵を描いたんですけど、装丁用だったから、絵の全体が見られなかったのね。だから、全体も見られる画集もつくりたいと思った時に、大きな絵を見る時の目の動きとからだの動きとをとりこんだ本ができないかなって考えたんです。つまり、大きな絵を見る時は、全体を見ようと思えばひいて見て、部分を見る時は近寄って見ますよね。そうやって部分を見たりして1枚の絵を見る。その動きを本のつくりに反映できないかなと思って『Lの贈り物』をつくったんです。エッチングのテクスチャを手元で味わってほしいということもあったし。

―わかります。山本さんの作品は、着彩していますからね。銅版の線に着彩によるタッチやマチエールが加わりますからね。

 水彩絵の具の色の硬さと柔らかさが好きなんですね。私はともかく一つのことをやろうと思うと、十個ぐらいの魅力がないとできないんですよ。こっちの地平で見るとここがいいし、別のほうから見るとこうだし、というふうに、三つ四つ重なってくると、ああ、やれるかなと思えて、「これを好きだと思える自分」が出てきて、やり始めたら、自分らしいテクニックとか自分らしい好みの色の使い方とか、また違う自分らしさが出てきて、そういうふうに何層もの地平が重なってはじめて、山本容子らしさというのがあらわれるんですね。


山本容子の何にでも興味を示す、陽気で元気なテイストが、ええなぁ♪
DANDORIの飼い方 も面白い。




絵本

ムック、平凡社、2002年刊

<「MARC」データベース>より
長新太、五味太郎、佐々木マキ、山本容子等、現在の絵本界の第一線で活躍する8人の絵本作家を紹介。その仕事場、ロングインタビュー、著作リスト等を掲載する。

<読む前の大使寸評>
「絵本の作家たち」シリーズの第一巻であるが、さすがに巨匠たちばかりですね。
個人的には佐々木マキ、山本容子が好みです。

Amazon 絵本の作家たち(別冊太陽)







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Last updated  2014.03.14 00:03:31
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