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2014.12.08
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カテゴリ: 映画
「メイキング・寅さん」を一歩深めて、「メイキング・シナリオ・オブ寅さん」という構成になっています♪

とかく、シナリオは見ると味気ないので、こんな本を読んでシナリオに親しもうというわけでおま。


【山田洋次+朝間義隆 シナリオをつくる】
山田

山田洋次+朝間義隆著、筑摩書房、1994年刊

<商品の説明>より
出会いの偶然があり、愛が生まれ、やがて別れの時がある。
笑いと友愛と郷愁の世界を、渥美清の歯切れのいいセリフにくるんで送る、年の瀬の風物詩『男はつらいよ』。
その超人気シリーズの舞台裏をはじめて明かす、名コンビによるおかしくも真面目な奮闘努力対談。

<大使寸評>
「メイキング・寅さん」を一歩深めて、「メイキング・シナリオ・オブ寅さん」という構成になっています♪
巻末にできあがったシナリオ『男はつらいよ・寅次郎の青春』が付いています。

監督とライターがシナリオ構成を練り上げていく様が載っていて・・・
なかなか気の利いたシナリオ案内となっています。

encore 山田洋次+朝間義隆 シナリオをつくる


冒頭に、朝間さんがこの本の成り立ちを述べているので、一部を紹介します。

<大事件はいらない> よりp3~5
 この年(1992年)は、山田さんが長い間温め続けてきた『学校』の脚本を、5、6、7月で書き上げた。たくさんの先生と生徒たちが登場人物である学校という舞台で、誰を主人公にするか、物語の時間の枠をどう設定するかでずいぶん悩み、何度も暗礁に乗り上げた。 二ヶ月もかかってようやく探しあてたのが、卒業が間近に迫った冬のひと夜に限って、ある教室の授業を中心に、先生と生徒を見つめていくという手法。それに思いいたると、今までのしん吟が嘘のように、すらすら物語が進みだした。

 「とうとうできたなあ」。山田さんは原稿の束を手にして、十年以上も懐に抱いていたシナリオの完成に、感慨深げだった。
 暑い夏のひと月を休み、9月2日から、また神楽坂の旅館「和可菜」に通いだした。新しい素材に取り組んだ後、毎年恒例になっている「寅さん」の物語に帰って来たので、いっそう懐かしく、浮き浮きした気分で「和可菜」へ向かった。だが、知り尽くしている世界だから楽ということはない。いや、なまじ形ができ上がっているだけに、新しい登場人物をどうあてはめていくかが難しい。

 『寅次郎の青春』について私たちが最初のミーティングを持ったのは、4月の半ば。その時点で、山田さんは二つのストーリーをデッサンしていた。
 ひとつは、4本目を迎えた満男と泉の物語。中学校のブラスバンド部で先輩・後輩の間柄だった二人の、初恋にも似た愛を育てていく過程が、近頃「寅さん」の中心主題となっている。その二人が、立派な成人として、それぞれの世界に羽ばたいて行く―。

 もうひとつは、過去三年作っていずれも評判のよかった、旅回りの歌手リリー(浅丘ルリ子さん)の登板。久し振りに彼女に再会した寅は、さぞ貧しい暮らしを送っていることだろうと同情し、すぐ未亡人になって、今や横浜の豪邸でたくさんの召使にかしずかれている身分―という、奇想天外な物語。
 「まさか、両方まぜこぜにするわけにはいかないだろうな」と、山田さんは名残惜しげに後者を見送ることに決めたのだった。この本の中でも、山田さんはそのリリーの挿話を楽しげに語っている。

 六月末、去年からロケ地として招聘のあった宮崎を、二泊三日で旅した。『学校』がうまく進まず、くさくさしていた時なので、ちょうどいい気晴らしにもなった。
 初日は、日向市北部を中心に歩き、馬ヶ背という断崖絶壁で、一人の青年が遺書をおいて飛び込もうとしているという挿話を思いついた。美々津という貿易港として昔栄えた、静かな港町に一泊。食事を終え、畳にごろごろしてとりとめのない話をしている内にも、4人(寅、マドンナ、満男、泉)の芝居をどう宮崎で組むか、それで相当苦しむぞという予感がした。

 翌日は雨。美々津の町を傘をさして散策。シナリオ・ハンティングでは、魅力的な場所に行きあたるのもさることながら、さまざまな暮らしを持つ人々に出会って刺激を受けるが大切なのだが、雨が降りしきる道に人影はなく、山田さんの提案で宮崎市まで汽車で移動した。


この本で、シナリオ作りの現場を見てみましょう。

<シナリオをつくる> よりp19~20
 今月は9月2日、いよいよシナリオつくりのスタートです。
 今回で、連続して4回もマドンナを演じることになる後藤久美子。彼女の演じる泉と満男の間に、そろそろ何らかの決着をつけなければならないだろう。それには、映画『息子』で好演した永瀬正敏君を起用して、二人の間に置いてみたらどうだろう。
 いわゆる「聖なる三角形」が出来てゆくのではないか。これが、今回の話づくりのモチーフである。もう一人のマドンナ、すなわち寅が恋するであろう「妙齢」の女優は、この時はまだ決まっていない。

 ロケーションは、先方の強力なオファーもあり、宮崎県と決まっている。寅はほとんど全国を歩いているのだが、まだ足を向けていなかった県の一つである。宮崎市をほぼ中心として、南北に約60キロに及ぶ海岸線に平野部があるという独特の地形である。物語の舞台を、北の日向市美々津あたりにするか、あるいは南の日南市油津の近辺にすべきか、まだ決めかねているところである。

山田:青年(永瀬君)と満男は向こう(宮崎)で、極端にいえば、ほんとに大ゲンカになる。海岸で殴り合ったとか、そうなってもいいし、逆にそのことで仲良くなったっていい。そんな男たちを見ているうちに、泉の気持ちがだんだん冷めていくというかなあ。

朝間:そういう方向になるかどうか。別れということに、自然に持っていければいいんだけど。

山田:どう説明したらいいんだろう。別れる話というと、なんだかとても暗い話という感じがしちゃうんだけど、簡単に言うとさ、満男と泉がケンカしていると、寅が間に入って、その後いろいろあって仲直りするとか、そういうふうにすると落ち着きがいいんだけどね。別れてしまうというのは、なんか深刻なんだよなあ。

朝間:いつも、最後は別れるんだけど。

山田:また付き合っていくのさということで、一応は一段落つけてもいいんだよね。

朝間:若い男女としての関係があって、それが悲劇的に壊れてしまうんだけど、そんなこともあって生きて行くのよ、ということでいいんじゃないかな。

山田:そうだな。とりあえずは、ちゃんと別れるけどね。また手紙が来たりするわけだから。この間に、泉の母の問題をなんとかしなきゃいけない。
 この話は人間関係が入り組んでるから、そのことのおかしさは出るけれども、ただ、あまりそっちのほうに行き過ぎないかということである。この青年がどういうシチュエーションかということもあるけども、日本の現実というか、それをこの青年は代表しなきゃいけないんだよな。


くだんの鑑賞フォームを作ってみました。

【男はつらいよ 寅次郎の青春】
寅

山田洋次監督、1992年制作

<movie.walkerストーリー>より
 秋風の漂う頃、旅から旅のフーテンの寅こと車寅次郎は九州・宮崎のある港町で、“髪結いの亭主”よろしく理髪店の女店主・蝶子のもとに居候することになった。
 一方、寅の故郷、葛飾・柴又では、東京のレコード店に就職した泉が、休み前になると満男の家に遊びに行き、さながら家族のように過ごしていた。

 そんな泉は高校時代の親友の結婚式で宮崎に出かけ、偶然、寅に出会う。久しぶりの再会に喜ぶ2人だったが、そこへ蝶子がやって来て、大あわてした寅は足をくじいてしまう。泉から電話でそのことを聞いた満男は、大急ぎで宮崎へ。その慌てようにさくらたちは大騒ぎとなるが、満男が急いだのはもっぱら泉に会いたいからだった。

 宮崎に着いた彼を迎えに来たのは泉だけでなく、蝶子の弟で漁師の竜介も一緒だった。泉が竜介と仲良くしている様子に満男はふくれるが、竜介にはちゃんと許婚がいることが分かると、とたんに元気を取り戻す。
 こうして彼らはしばしの楽しい日々を過ごすが、いざ満男と泉が帰るという日、寅も一緒に帰ると言い出し、蝶子は怒ってしまう。

<見る前の大使寸評>
追って

movie.walker 男はつらいよ 寅次郎の青春






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Last updated  2014.12.08 00:01:39
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