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2014.12.11
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カテゴリ: 映画
図書館で『黒澤明 夢のあしあと』というムック本を借りたが・・・
数多くの現場写真に添えて、俳優・スタッフの苦労話が載せられていて興味深いのです。
特に、大使の関心は映像美術にあるのだが、この本はその関心にバッチリはまっています♪

サムライ

『七人の侍』のなかで、この雨中の攻防シーンは圧巻である♪
このシーンが厳冬期に撮影されたそうだが・・・
ここに映画制作にかけては、血も涙もない(笑)黒澤監督の厳しさが表れているようです。
俳優たちはカット終了までは歯の根も合わず死ぬ気で頑張ったそうで、カットの合図が出ればたらいのお湯をかぶったそうです。



黒澤

ムック、共同通信社、1999年刊

<「MARC」データベース>より
88歳の生涯を映画に捧げた黒沢明。映画30作品のみならず、遺されたシナリオ、絵コンテ、文章、言動の記録から、その生涯を振り返る。黒沢映画に関わった俳優・スタッフを集めた人名辞典を巻末に収める。

<大使寸評>
数多くの現場写真に添えて、俳優・スタッフの苦労話が載せられていて興味深いのです。
特に、大使の関心は映像美術にあるのだが、この本はその関心にバッチリはまっています♪

Amazon 黒澤明 夢のあしあと


この本では『七人の侍』の撮影エピソードに多くをさいているが、黒澤映画のベストでもあり、当然の扱いなんでしょうね。

<七人の侍ロケ地探訪、静岡県堀切> よりp168
 黒澤映画の編集は、オプチカルの多用、マルチカメラ、徹底したアクション・カットによるつなぎ、などによって、水の流れるような独特の映像言語を形成している。そのうちのアクション・カットは初期作品から一貫している手法だが、『七人の侍』から徹底するようになる。これは私見だが、村のロケ地が分散しているので、異なったロケ地とのつなぎ目が鑑賞者に悟られぬようアクション・カットを多用したと思われる。
 離れ家の炎上シーンでは、マルチカメラと、1台のカメラで撮られたフィルムが交互編集されている。

 「離れ家の炎上シーン」の現場におられたスタッフの方々(斉藤孝男・撮影、村木与四郎・美術、浜村幸一・火災調整、堀川弘通・監督助手)にお会いして、お話を伺ったが、幾度も撮り直した水車小屋の炎上シーンと比べて撮影はスムーズに行われ、一回でOKになったとのこと。しかし、それまでの黒澤作品で、最も大がかりな撮影ではなかったか。三台のキャメラが回されるのは初めてである。

<村木与四郎の話、柱でもなんでも焼き板に> よりp172
 私の場合は中学の時から、木材の方の学校におりまして、実際に漆ですとか普通の塗りもやったのが、ある程度功を奏したみたいなことで・・・それから塗り屋の人に大変優秀な人がおりまして、会社でその人を入れない時に、黒澤さんが会社に行って塗り屋さんを社員に入れろと言ったわけですね。そういう話があったくらいに一人そういうふうに造詣の深い人がおりますと、夢中になるんですね、黒澤さんは。(その人が)よそに獲得されなかったということは、うちのセットが良くなった元だと思いますね。『七人の侍』から、柱でもなんでも焼き板にしましてね。塗りで古さを出す仕上げを始めたわけです。

<志村喬の話、途中から「みぞれ」が> よりp176
 2月の雨の中の戦闘シーン、途中から「みぞれ」が降ってきました。歯の根が合わないというか、ほんとうに合わないのです。カチカチカチカチ。それでも「用意」の声がかかると、このカチカチが止まるのです。カットの声を聞くとトタンに又カチカチ。おかしいやら寒いやら、それに膝を没する泥の中の戦闘で皆ころびました。しかし今ふりかえってみて懐かしさだけが残っています。我が田に水を引くようですけれど、とにかく面白いのです。


デルス 映画『デルス・ウザーラ』をいま思う より



<『デルス・ウザーラ』は30年前からの夢だった、黒澤明> よりp281
 『デルス・ウザーラ』の映画化は、ぼくが30年も前から考えていたことでした。まだ助監督だったころ、たまたま探検記が好きで、『デルス・ウザーラ』の原作を読んで、デルスという人物がとても好きになったわけです。ぜひ映画にしたいと、『白痴』(51年)を終えたあとだったと思いますが、いちど久板栄二郎さんに話してシナリオを書いてもらったのです。そのころは勿論ソビエトで撮るなんて考えてもみなかったから、舞台も人物も置き換えてやったのですが、できたシナリオがどうもおもしろくない。しょせん日本ではうまくいかないのです。

 その後、1971年2月、ソビエトのセルゲイ・ゲラーシモフ監督が来日したとき、ソビエトで一本撮る気はないかという話があり、それからその年のモスクワ映画祭に特別出品として「どですかでん」を持って、ぼくがソビエトに行ったとき、向こうからあらためて一本撮らないかという話がでたのです。
 日本に来たことのあるレフ・クリジャーノフ監督と会って話していたとき、『デルス・ウザーラ』をやってみたいと言ったのです。すると向こうは、びっくりして「『デルス・ウザーラ』を知っているのか」と言うわけです。「いやあ、30年も前からずっと考えていた」と言うと、「それならそれがいいじゃないか。実は、すでにソビエトで撮った『デルス・ウザーラ』があるけれども、それはとてもつまらない、黒澤さんが撮るなら勿論、全然違うものができるだろう、それがいい」と、けっきょく『デルス・ウザーラ』を撮ることに決まったのです。

 アルセーニエフという人は陸軍幼年学校を出て、もともと軍人だったが、子どものときから動物学、植物学、地理学、地質学に大変な興味を持っていた。それで若い士官として極東に派遣され、はじめ軍の戦略的研究から探検を始めたのですが、やがて本格的なシベリアの学術調査をやることになる。
 その後、8年間もハバロフスク博物館の館長をつとめたこともある。軍人、探検家というより、地理学者であり文学者です。だから、今でもとても尊敬されていて、ハバロフスクには勿論、亡くなったウラジオストックにも大きな銅像が建っている。

<『デルス・ウザーラ』の時の黒澤さん、ユーリー・サローミン> よりp283
 監督との最初の面接にスタジオに出かけたとき、私がどんなに興奮していたか、2回も途中から引き返したことなどについても語るまい・・・。とにかく、私は、ついに偉大な日本人に会うことができたのだから、私が想像していた通り、彼はすらっと背が高く、エレガントで、賢い手、賢い口元、彼の存在のすみずみにハーモニーがゆき渡り、余計なものが何一つなかった。恐らく大自然は、自分の創作にさぞ満足しているだろう。

 撮影現場で、黒澤さんがロシア語で叫んでいた。「用意! モーター! 始め!」の号令は、一生私の記憶に残るだろう。


種田陽平vs村木与四郎つまり、新旧の美術監督が『 伝説の映画美術監督たち×種田陽平 』で、黒澤作品などを語っています。








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Last updated  2014.12.11 00:09:57
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