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2014.12.17
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カテゴリ: アート
図書館で借りた『日本美術史入門(別冊太陽)』を読んでいるのだが・・・
ちょうど今、本屋に並んでいる新刊の大型本で、ええでぇ♪

日本の書画、工芸は中国の影響を受けているが、独自の進化を遂げたわけで、今や中華文明とは別物になったと大使は思うのである。

尖閣諸島沖事件があって以来、大使が中国を観る目は、斯様に国粋的に変貌しているわけだが(笑)・・・
でも、素直な目で「漢」の世界を見ようとも思うわけです。


<再編される「和」「漢」の世界 > よりp155~156
 室町時代は全体で200年ほどである。南北朝の合一がなったのが明徳3年(1392)。権力を握った足利義満は、美術の領域でも新たなシステムをつくりあげた。これをベースに室町美術の世界が展開していくのだが、節目となるのは応仁文明の乱。

 応仁元年(1467)から十年続き、京都がほぼ灰燼に帰した大乱により、足利将軍の権威は失墜し、室町前期に形成されたシステムは弱体化する。その形を残しながら変化する15世紀の後半を経て、本格的な戦国の世となる16世紀には新たなフェイズに入り、終わりの目安は室町幕府が滅ぶ元亀4年(1573)ということになる。

 大ざっぱにいえば、応仁文明の乱までが室町時代前期で、室町時代後期は15世紀と16世紀と漠然と分かれることになる。

瓢鮎図瓢鮎図:如拙

<和漢の構図>
 室町時代の文化は、「和漢の構図」からみるのがわかりやすい。仮名と漢字、和歌と漢詩、やまと絵と唐絵から、いまの和食と中華料理に至るまで、「和」と「漢」の対は日本文化のさまざまなところにみられる。

 この構図は、平安時代に成立したのだが、新たな「漢」の登場とともに再編されるのが室町時代の前期である。それを用意したのは、前の時代に新たに中国からもたらされたもの。鎌倉から南北朝時代、あちらでいえば南宋・元時代には、多くの禅僧が日本から留学し、また中国の禅僧もやってきた。彼らは禅のみならず、広く中国の文化を伝え、書画や工芸などの美術品もそのなかにあった。

 それが大きく社会に広がるのが室町時代。足利義満は、新たな支配者としての文化的アイデンティティを示すため、二つの方向で「漢」を取り込んだ。一つは禅宗を自らの宗教的・文化的なバックボーンとしたこと。五山制度などのシステムが整えられるとともに、禅宗は社会の全面へと躍り出す。禅僧は中国通の文化人として、日本の中での「漢」を担う社会的な階層となり、美術では水墨画や中国風の書画の世界を形成することとなる。

 もう一つは「唐物」とよばれる中国の絵画や工芸品の大コレクションをつくりあげ、権威の象徴としつつ、その高い価値を示し直したこと。独立に建てた会所を飾り立てる「唐物飾」に示された新たな価値観とシステムは、特に武家の間に広まり一般化していく。

 一方の「和」の世界では、義満は天皇・上皇とともに、当時の技の粋を集めた蒔絵の手箱などを熊野速玉大社に奉納し、歴代将軍も豪華な絵巻をつくらせて、やまと絵の世界を活性化した。
 天皇や公家たちは、伝統的な「和」の美術を支えながら、それに新たな趣味をまぶしていく。日本の美術の世界では、時代が変わったからといって、既存のものが消えることはほとんどない。「捨てない文化」の中で、絵巻や屏風絵、仏像や仏画そして蒔絵などの「和」は、新たな「漢」の出現によって、全体の中での位置を変えながらもしっかり生きていくのである。

 これらを大きくみれば室町時代の美術には、「唐物」とよばれる中国美術の世界、水墨画など日本でつくられる中国風の世界、そして絵巻などの伝統的な和の世界があった。
 それぞれは「和」そのもの、「和の中の漢」そして「和の中の和」といえるだろう。それらはさまざまに関係をもって、ときに混じり合い、また伝統を墨守しながら展開することになる。



<舶載された中国絵画> よりp160~161
 室町時代には、中国から舶載された絵も、日本で中国風に描かれた絵も、どちらも「唐絵」とよばれていた。そのなかで中国から来た唐絵の価値は、日本の唐絵とはくらべられもしないほどの高みにあった。画家と画風の系統としては、主に禅宗系と院体画系の二つ。「院体」は、中国の宮廷に属する作画機構である画院の画風をいう。

漁村漁村夕照図(瀟湘八景図の内)

 牧谿は禅宗系を代表する画僧で、室町時代には最も人気が高く、その「瀟湘八景図」はいまに至るまできわめて珍重されてきた。一方の「桃鳩図」は北宋末期の皇帝・徽宋が描いたもの。なにしろ皇帝自身の作だから、最高の宝物である。このようなものから「湖畔幽居図」のような小画面の院体山水画まで、さまざまな唐絵が集められ、観られ、また日本の唐絵の手本となった。

この本では触れていないが・・・
「和」は職人の手により日本の庶民にまで拡散した。一方の「漢」は高い技巧を保ったが、相変わらず宮廷の宝物という殻を破ることがなかった。



太陽

河野元昭監修、平凡社、2014年刊

<商品説明>より
データ無し

<読む前の大使寸評>
日本の書画、工芸は中国の影響を受けているが、独自の進化を遂げたわけで、今や中華文明とは別物になったと大使は思うのである。

尖閣諸島沖事件があって以来、大使が中国を観る目は、斯様に国粋的に変貌しているわけだが(笑)・・・
でも、素直な目で「漢」の世界を見ようとも思うわけです。

rakuten 日本美術史入門(別冊太陽)







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Last updated  2014.12.17 08:40:24
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