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2015.02.02
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カテゴリ: アート
グラフィックデザイナーという職業があることさえ知らなかったが、この本を読むと・・・
グラフィックデザイン、印刷、装丁などについて、黎明期から現在までの変化が部外者にもおぼろげに感じられる内容になっています。

とにかく、コンピュータを活用したデジタル技術が革命的だったんでしょうね。



グラフィック

アイデア編集部編、誠文堂新光社、2014年刊

<商品説明より>
2005~2012年に『アイデア』で特集し、数々の実績を残している13人のグラフィックデザイナーのインタビューをまとめた書籍。弊誌ならではの長時間におよぶインタビューにより、幼年期から学生時代、下積み時代、現在に至るまでのデザイナーとしての歩み、デザインに対する考え方などが語られている。デザインが大きく動いた時代に、いかにしてグラフィックデザイナーとして大成したのかだろうか。主な仕事のビジュアルも掲載し、言葉とビジュアルによって個人史をたどりながら、時代背景も伝わる構成に。グラフィックデザイナーを目ざす学生や若いデザイナーをはじめ、ものづくりに関わるすべての人に捧げる一冊。

<読む前の大使寸評>
この本がとりあげた13人の方々を1人も知らないし、グラフィックデザイナーとは何たるかも知らないが・・・
ビジュアルという概念や本の装丁がからんでいるので、借りたわけです(良くわからないが)

rakuten グラフィック文化を築いた13人


初期のグラフィック文化のあたりについて、お二人の体験談を見てみましょう。

■服部一成

<デザイナーへの道> よりp36~38
Q:もう、グラフィックデザイナーとかアートディレクターがどういう仕事なのかわかっていた?

服部:いやいや。何にもわかんないです。全部一緒。いまでもよくわかってないですけど(笑)。まあ、とにかくイラストレーターじゃないんだなってのがわかった程度ですよ(笑)。なんか、とにかくカッコイイポスター作っている人たちだと。

Q:80年代ニューウェーブ文化ど真ん中で、同じく盛り上がっていた音楽やファッションにものめり込んだりは?

服部:いやぁ、それが僕のダサイところで、音楽もファッションもからっきしダメで(笑)。ただグラフィックは本当に好きだったんですね。グラフィックに憧れてる野球少年(笑)。練習が終わってから、予備校でデッサン描いてるんだから。井上さんやサイトウさんの仕事を、予備校の課題で真似してみたりね。
 そんなこんなで一浪して芸大に入るんですけど、僕はグラフィックデザインに憧れて入ったのに、みんな絵を描いているんですよ。当時コンピュータがないというのもあるけど。なんでかっていうと、ひとつには日比野さんの影響ですよね。「日本グラフィック展」とかを通じて日比野克彦、タナカノリユキ、伊勢克也というような才能がばーっと出てきていたときで、その影響でみんな絵を描いていあのね。でも僕は絵なんか全然描きたくない、写真とか文字とか幾何学図形とかでグラフィックな何かを作りたいと思っていた。とはいってもできないんですよ。作品をかたちにできない、どうしていいのかわからない。モンセンの活字見本帳なんかはあるけど、どういうプロセスで作っていけばいいのかわからない。せいぜいシルクで刷るくらいなんですけど、でき上がりを想像して版を作ってみて、刷ってみたら全然予想と違ったり。いまと違ってモニターで試行錯誤して決まったら出力して・・・っていうことができない。ひとつひとつが時間もかかる。だから大学のときはほとんど作品的なものはないんです。ただ憧れだけがあって、何も作れない状況だった。けっこうフラストレーションは溜まっていましたね。ただね、その次期はグラフィックデザインに限らず絵画とか、建築とか、いっぱい見にいっていました。週末、銀座に出ていって、めぼしいギャラリーを全部見て回ったりとか。

 大学では自分で「何か」を作りたい気持ちがすごくあるんだけど、作れない。作り方もよくわかんない。まあ、本当にやる気と行動力があれば、作れたはずなんでしょうけどね。頭ばかりが先走ってうまくできないまま4年間。とにかく大学を出て早く社会人になりたいなと思っていた。そうすればデザインバリバリできるはずだって思ったんですよね。


■有山達也

<デザインのベースがあるから柔軟になれる> よりp81~84
有山:中垣デザイン事務所がデザイナーを募集していることは、大学内にある求人用の掲示板で知りました。当時、中垣事務所は『美術手帖』や『デザインの現場』を手がけていて、文字組みをちゃんとやっているところだなという印象がありました。広告にまったく興味がなかったわけではないのですが、デザインをやるならばまずは文字を組めるようになりたいと思っていたし、めったに見ることのない掲示板でたまたまその求人が目について。そういうタイミングもあるのかと思い、応募して入社しました。

中垣:有山くんが中垣デザイン事務所に入った頃はいい時代でした。すべてが写植で、過去に作った指定紙と実物のコピーがファイリングされていたから、指定紙の必要な部分を写せば、過去に印字したものと同質な結果が得られた。その写す作業を繰り返すうちに指定の仕方が身についていくんです。

有山:そうなんです。中垣さんの指定紙が見事で、バラ打ちではなく1枚の印画紙にきれいに組まれてくるのがとにかく美しいんです。あと、よく使う和文書体と欧文書体の組み合わせが20種類ほどあって、それぞれに合う書体や級数がわかる一覧表がありました。初めは書体のことも、どう組み合わせればいいのかもわからなかったので、一覧表通りに書体選びをしながら次第に慣れていきました。独立した後も参考にしていました。

中垣:その一覧表を使ってタイポグラフィを覚えるからみんな比較的早くうまくなるし、お互いがタイポグラフィの基本でつながっていたので、スタッフが個々に単行本をデザインしても事務所のスタイルに統一されていた。有山くんとは平凡社や新宿書房などの単行本や、いまは幻の雑誌『FUKUOKA STYLE』を一緒にやってたね。

有山:単行本は、「カバーやっていいよ」と言われて本文組は中垣さんがやって、外回りだけをやらせてもらいました。「おいしいところを自分がやってしまっていいのか? いや、やりたいやりたい!」という感じでやっていました。

中垣:本文は僕がやったほうが早いし、合理的な組版ができるから。

有山:『感覚変容のディアレクティク』は導入したばかりのMacで歯車のようなパターンを作って、出力したものを張り込んで版下にしたのを覚えています。

中垣:有山くんは羽良多平吉さんが好きで繊細なタイポグラフィをやっていて、すごくうまかった。いまが下手だと言っているわけではないけれど(笑)、あの頃は最高の技術を要するようなタイポグラフィをやっていたわけ。神経がピリピリするような感じで極限までいったね。

有山:当時はそれが面白くてかなり細かいことをしていました。羽良多さんのデザインを見て、書体、級数、字間などを分解していったのですが、必ずわからない書体にぶつかるんですよ。

中垣:写植を勉強していたから、それを分析する力はあったよね。色彩は羽良多さんとは違ったけれど、タイポグラフィは相当まねていた。それがうちの事務所にいた最後の時期で、独立してしばらくは何をしているのか知らなくて、あるとき放浪から帰ってきたようにまったく別人になって現れた(笑)。自分とはまったく違うところを探り当てたのが面白いなと思って。有山くんは独立して、うちのやり方を全部捨てたよね(笑)。

有山:捨ててないです(笑)。






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Last updated  2015.02.02 09:09:57
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