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2015.02.12
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カテゴリ: アート
『歴史の中で語られてこなかったこと』という新書を読んでいたが・・・・
三浦しをん著『神去なあなあ日常』のテイストには、柳田民俗学の素養がひそんでいると、はたと思い当たったわけです。
つまり、民俗学はアートの源泉のようなものではないか♪ということです。



三浦

三浦しをん著、徳間書店 、2009年刊

<「BOOK」データベースより>
美人の産地・神去村でチェーンソー片手に山仕事。先輩の鉄拳、ダニやヒルの襲来。しかも村には秘密があって…!?林業っておもしれ~!高校卒業と同時に平野勇気が放り込まれたのは三重県の山奥にある神去村。林業に従事し、自然を相手に生きてきた人々に出会う。

<読む前の大使寸評>
就活作家:三浦しをんは林業をどう描くか?大いに興味がわくが・・・
林業に就職というのは、言うは易しであり、無責任に誘うわけにいかない現実があるはずです。
古くから林業をフォローしている大使の目はごまかせないのだ(笑)

rakuten 神去なあなあ日常



『歴史の中で語られてこなかったこと』の、読んでいた箇所を紹介します。

<大きな歴史の転換期と「歴史小説」>
網野:『もののけ姫』もその一例ですが、このごろ文学や映像の世界が、民俗学や歴史学の研究成果をもとに新たなイメージを作り出すことが盛んに行われるようになってきましたね。
 最近読む機会があった三島賞の候補にもなった飯嶋和一さんの『神無き月十番目の夜』(河出書房新社)もその一例かもしれません。

宮田:江戸初期に、現在の茨城県にあった兵農分離がなされて間もない村が、徳川に反抗したことから一村全滅させられてしまった。

網野:中世の自治的な村の伝統が、幕藩体制を作ろうとする徳川氏の力に押し流されてしまうということでしょうが、水戸藩の正史からも完全に消し去られた事件を掘り起こし、歴史小説に仕上げています。

宮田:タイトルの「神無き月十番目の夜」は、十月十日のことですが、民俗学では「十日夜」といって、収穫祭をメインにする興味深い行事が行われます。

網野:著者もそういうことを知っているのでしょう。私が歴史学の影響に気がついたのは、最初にアジールとしての山林が出てきたことです。

宮田:地蔵森といいましたか? 郷には村の決め事をする聖なる場所が必ずある。

網野:その聖地に統一政権が土足で入り込んでくるわけです。

宮田:この本の時代設定はいつでしたか?

網野:それが面白いことに、『もののけ姫』とほぼ重なるんですね。亡くなった隆慶一郎さんも戦国時代から統一政権が成立するころの作品の時代を設定しています。

宮田:その時代は、大きな歴史の転換期だったわけです。

網野:隆さんは戦国時代まで「表の世界」で生きていたものが、「裏の世界」に押し込められていく過程を取り上げようとしています。確かに、戦国時代から江戸時代に移り変わる時期は、非常に大きな変化がありました。いろいろな形で社会の表面に生きていた自由が、江戸時代の社会の中では「裏の世界、陰の世界」に生きるようになっています。

宮田:『神無き月…』の舞台となった郷村は、農民と武士の身分的な堺がはっきりしない世界だった。

網野:隆慶一郎さんの場合は遊郭を舞台にしていて、「苦界」としてではなくて、「公界」の生き残った世界と考えるわけです。

宮田:この時代は、民俗学から見ても興味深い。戦国末期から近世の初期にかけて、山人たちがどんどん里へ下りてくる。九州・宮崎の椎葉の山民も、だんだん下に下りてきて平地民になっていく。一方で逆に、平地民も山へ入っていく時期でもある。たとえば、戦国時代に戦いに破れた者たちが落ち延びて、山奥へ入っていくという「隠れ里」伝説が生まれてくる。山にいる者が里に下りてきて、里の者が山に入るといった人的交流のいちばんの要になってくる部分に都市が生まれる。

 たとえば妖怪の世界も、中世末に新しい妖怪が出てくる。小松和彦さんが指摘しているように「付喪神」がその代表ですね。道具を作る木地屋職人たちが山から里へ下りてきて、需要に応えて新製品を作る。すると古い道具はいらなくなり、煤払いのときにみんな捨てられてしまう。その結果、都会では古道具が累々と道端に転がり、その古道具が怒って妖怪になり人々に復讐を始める。それが付喪神なわけです。まさにその時期が中世の末期にあたる。


ところで…
日本における柳田民俗学の突出する存在感が、世界標準から見ると独特に映るようです。世界標準では民俗学はフォークロアと訳されることもあるそうで、歴史学より文学に近いとの認識もあるようです。
そして、とかく学者肌、お役人風がただよう柳田の人柄を嫌う人たちがいるそうです。

お役人生活が長かった柳田さんの振る舞いを責めるのは、酷なのかも知れませんね。
それよりも…


『歴史の中で語られてこなかったこと』の著者・網野善彦さんは、柳田民俗学については、意識こそするが信奉する気はなさそうです。
つまり「付かず離れず、和して同ぜず」というスタンスのようだが・・・それがいいのでは(笑)


歴史の中で語られてこなかったこと1
歴史の中で語られてこなかったこと2
歴史の中で語られてこなかったこと3





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Last updated  2015.02.12 01:00:50
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