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2015.05.17
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カテゴリ: 歴史
図書館で『漢字と日本人』という本を手にしたが・・・・
著者は中国文学専攻の学者肌ではあるが、講談社エッセイ賞とか読売文学賞を取ったり、週刊誌のコラムを連載したり・・・大活躍でおますな~♪

先日『 海游録 朝鮮通信使の日本紀行 』という本を読んだ時、読めない漢字が頻出するので往生こいたわけです。

韓国人の訳者があやつる漢字に、なにやら違和感と悪意(笑)を感じたわけで…
漢語ないし漢字についてもっと知りたいということで、この本を借りたわけです。



漢字

高島俊男著、文藝春秋、2001年刊

<「BOOK」データベース>より
「カテーの問題」と言われたら、その「カテー」が家庭か假定かあるいは課程か、日本人は文脈から瞬時に判断する。無意識のうちに該当する漢字を思い浮かべながら…。あたりまえのようでいて、これはじつは奇妙なことなのだ。本来、言語の実体は音声である。しかるに日本語では文字が言語の実体であり、漢字に結びつけないと意味が確定しない。では、なぜこのような顛倒が生じたのか?漢字と日本語の歴史をたどりながら、その謎を解きあかす。

<読む前の大使寸評>
著者は中国文学専攻の学者肌ではあるが、講談社エッセイ賞とか読売文学賞を取ったり、週刊誌のコラムを連載したり・・・大活躍でおますな~♪

rakuten 漢字と日本人


漢語の単語は、原則「一語一音節一字」なので千五百ほどの音節数で、事足りるそうであるが・・・・
この事実に、日韓の民は驚くわけです。そのあたりを、見てみましょう。

p35~39
<一語一音節一字>
 漢語の単語は、原則として、すべて一音節である。その一つ一つの単語に個別の文字がある。すなわち語の数だけ字がある。逆に言えば、字はみな、固有の音と、その音があらわす意義とを持つ。一語一音節一字なのであるから、当然のことながら、一つ一つの文字(漢字)が持つ音はみな一音節である。「ゆき」とか「まくら」とかいったふうな、複音節の音を持つ文字はない。

 右の五行について、ちょっと説明をくわえます。
 原則として単語はすべて一音節、というのは例外もあるということで、外来語には二音節以上の単語もある。葡萄(ブドウ)、■葡(ダイコン)、■璃(ガラス)、菩薩(ボサツ)など。しかしそう多くはない。

 音節の数は千五百ほどで、単語は原則としてすべて一音節、ということは、単語の数が全部で千五百ほどしかないのか、と言えば、無論そんなことはない。
 まず、別の単語だけれどもたまたま音が同じ、という、いわゆる「同音異義」の言葉がかなりある。

 これはまあ、めずらしいことではない。人が口から発することのできる音の種類はかぎられているのに、世の事象は無数、したがって単語の数も何万何十万と無数にちかいほどあるんだから、どんな言語にも同音異義ということはある。日本語だって、たとえば「コイ」という音には、「濃い」「恋」「鯉」「来い」などのことなる言葉が同居している。漢語にもそれはかなりある。たとえば「衣」も「医」も高くたいらなイ(yi)である。
 それから、非常に多くの言葉が、二つの単語のくみあわせでできている(つまり二音節である)ということがある。

 たとえば日本にも輸入されてひろくもちいられている「学校」「教育」「入学」、それに「■業」(日本では「卒業」)「考試」(日本では「試験」)「及格」(日本では「合格」「及第」)などの言葉、みなそうですね。二語のくみあわせでできている。もしこれらを「単語」と呼ぶならば、漢語には二音節の単語が多い、ということになる。しかし、一つ一つの語が意味を持っていて、それがくみあわさって言葉ができているのだから、こうした言葉は「複合語」とでも言ったほうが適当でしょう。日本語の二音節の言葉とは性格がちがう。

(中略)
<二音節で安定> 
 漢語というのはおもしろいことばで、単語はすべて一音節なのだが、それが二つあつまって二音節のかたまりになって安定する。だから「学校」とか「教育」とかいったふうな二音節の(したがって二文字の)くみあわせ語が非常に多いのです。

 であるから、おなじような意味の単語を二つならべた言葉が多い。ものすごく多い。それがそのまま日本にはいってきて日本人に負担をかけてきた。いまもかけつづけている。
 たとえば、右に「負担」という言葉をつかった。これがそうです。「負」も「担」も人が荷物を持つことで、「負」は背中に持つ、「担」は肩に持つというちょっとした違いはあるけれど、どっちにしても比喩的にもちいているのだから大差はない。「負」でも「担」でもいいものを、「負担」と同じような語を二つならべる。日本人は字を二つおぼえねばならないことになる。

 右に「比喩」という言葉をつかった。これもなぞらえるという意味の言葉を二つならべたもので、二つならべて安定するのである。さっきから「安定」という言葉を何度ももちいているが、これもそうですね。そのほか「幸福」とか「闘争」とか、「山岳」とか「道路」とか、あるいは「樹木」とか「健康」とか「尊敬」とか「真実」とか、みんな同じような意味の単語を二つならべたものだ。こういう言葉は何百も、あるいは何千もあるから考えてみてください。
 で、日本語で言えば「やま」とか「みち」とかのひとつの言葉について、すくなくとも二つ、しばしばそれ以上の漢字をおぼえないと言葉がつかえない。もともと日本語には同じような意味の語をかさねないと安定しないというような性格はないのに、漢語ではそうだから、文字はなんでも二つ以上おぼえなきゃならない。無駄な労力みたいなものです。

 そして「皮膚」だの「福祉」というのになると、二つならんでいる字の上も下も意味は同じことだのに、その言葉だけのためにほかにはあまり用のない字をおぼえないといけない。「膚」や「祉」はほかにはあまり使い道がありませんね。上に負担になっていると言ったのはそういうことです。 

(注:■は大使が読めない漢字です)


斯様に、著者は文句タラタラであるが・・・・



p45~48
<漢字の音>
 以上何度も述べてきたように、漢語の単語はすべて一音節であり、それを一字で書くのだから、漢字の読みはすべて一音節である。これが日本にはいってくると、二音節になっているものが数多くある。これは日本人の口が不器用だからである。

 右の三行について説明をくわえます。
 漢字とその音とその意味――それがつまり漢語そのものだ――は、二千年ちかくもむかしから江戸時代にいたるまで、長期にわたって日本に流入しつづけた。しかしまとまってはいってきたのは、平安時代はじめごろまでの二百年か、三百年か、それくらいの期間である。

 一つ一つの漢字はすべて、それぞれ個別の音、つまりよみを持っている。日本人はそれをなるべく忠実にまねてそのとおりに発音しようとする。その日本におけるよみのことを、漢字の「音」と言います。

 たとえば「漢」という字。これをカンとよむ。これがこの「漢」という字の音である。「字」をジとよむ。これが音である。あるいは「本」という字をホンとよむ。これが音である。

 もちろん不器用な日本人がまねをするのであるから、本来の発音そのとおり、というわけにはゆかないよ。日本式になまっている。それを「音」というのである。

 で、漢字の音が日本にはいってきた。その時代というのは、中国では、六朝から隋、唐の時代である。特にこの唐の時代に、日本人は漢字の音を最も熱心にとりいれた。六朝から唐にかけてというのは、西暦で言えば、だいたい三世紀ごろから十世紀ごろにかけての時期になる。

 で、漢語も変化している。そのうち、いま言った六朝から隋、唐にかけての時代の漢語、これを「中古漢語」と言う。中古の漢語、ってことじゃないよ。それ以前の上古漢語、そのあとの中世漢語と区別して中古漢語と言う。日本にはいってきた漢語の大部分はこの中古漢語である。そしてそれを現在にいたるまでつかっている。それ以前のもそれ以後のもあるが、多くない。

 この中古漢語は、ながいながい漢語の歴史のなかでも最も重要なものである。それに中古漢語の時代というのは、こんにちから見て比較的ちかい時代であり、資料も多いから、その様相がよくわかる。特に中国人自身が、自分たちの言語を自覚的に見つめ、ふかく研究した時代であるから、たいへんよくその様相がわかるのだ。

 現在中国でもちいられている漢語、これを「現代漢語」と言う。こんにちふつうの日本人が「」と言っているのが、この現代漢語である。現代漢語は、中古漢語の直系の孫くらいにあたる。だからもちろん、祖父である中古漢語にソックリである。しかっしまあ、なにぶん千数百年もの時間がたっていることであるから、いろいろ変化しているところもある。人間で言えば、いくらおじいさんにソックリの孫だと言っても、こまかい点ではいろいろちがうところもあるのとおなじことだね。

 ところが日本語のなかの漢字音は、中古漢語をそのまま保存している。いやもちろん、相当ゆがんだ形で、ですよ。なんで「ゆがんだ形」かと言うと、日本人の口が不器用だからだ。











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Last updated  2015.05.17 00:36:31
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