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2015.12.06
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『文芸春秋7月号』を手にしたのだが・・・・
大型企画「外国から見た驚異の国ニッポン」が気になって借りた次第です。

原則として、雑誌は図書館で読み、借ることにしようと思っているわけです。
借りられるのは発刊1ヵ月後からだけど、最新号借出しは我慢、我慢やで。



文芸

雑誌、文芸春秋社、2005年刊

<商品説明>より
[大特集 外国から見た日本の実力]太平洋戦争の敗戦から70年。先進国となった日本と日本人は、果たして世界の人々の目にどのように写っているのでしょうか。平和国家? エコノミックアニマル? それとも東洋の不思議の国? アジア諸国の歴史教科書での描かれ方や、著名な外国人による日本論、海外で活躍する日本人の実感など、さまざまな視点で「世界の中の日本」を探っていきます。

<読む前の大使寸評>
原則として、雑誌は図書館で読み、借ることにしようと思っているわけです。
借りられるのは発刊1ヵ月後からだけど、最新号借出しは我慢、我慢やで。

Amazon 文芸春秋7月号


この雑誌には「この人の月間日記」という連載企画があるようで、7月号は浅井リョウでした。
新人作家の実態にふれる日記が面白そう♪
p395~397
【4月24日】
 単行本だと通算十冊目となる新刊『武道館』が発売された。デビュー5周年、10冊目。キャリアを振り返るには早すぎるかもしれないが、やはり、どこか感慨深いものがある。
 この作品は、私の代表作になるような予感がしている。これから作家生活十周年、二十周年を迎えたとき(迎えられるよう頑張らねば…)『武道館』という名の旗は、過ぎ去った平成27年を主張するように、そこにしっかりと根を張ってくれているような気がするのだ。

 『桐島、部活やめるってよ』でスクールカーストを、『何者』で就活とSNSを書いたと言われた。朝井リョウは現代に沿って物語を描く作家だと言われた。私は、それが嫌だった。「自分の中にあるものではなく、自分の外にあるものをつまみ食うように小説を書いている」と言われているような気がしたからだ。

 だが私は、『武道館』でアイドル文化とアイドルを取り巻く消費者の変遷を書いた。そして今後控えている作品のテーマも、現代特有の現象に根差しているものが多い。『武道館』を描き終えたいま、私はやっと、自分がいま、どういう作家であるのか分かった気がする。秒単位で変わりゆく現代の中で、自分が何を考えているのか。

 それを言葉にしたくて、伝えたくて、小説を書いているのだ。時代の流れとともに何かをつまみ食っているわけではなく、早々と次の時代へ流されてしまう前に、その一瞬を生きていた証を残すべく、何かを削り取るようにして小説を書いているのだ。現代に沿って物語を描く作家というのは、自分が思っていたよりも悪いことではないのかもしれない。
 金曜ということで、今週もラジオの生放送である。聴取率を測る大切な週に、【『武道館』発売スペシャル】をさせてもらえるのだ。リスナープレゼント用に、今週も5冊、カバンに『武道館』を忍ばせている。こんな重みを2週続けて感じられるなんて、私は幸せだ。

【4月25日】
 ひたすら『武道館』の反響をサーチしていたら、あっというまに夕方になってしまった。

 本を作る作業をしている最中、周りには、診方しかいない。連載の雑誌担当者、校閲の方、挿絵の方。皆、ありがたい感想をくださる。そして単行本化に向けて伴走してくださる担当者、営業担当の方、宣伝担当の方。インタビューに来て下さるライターさん、カメラマンの方、ゲラをあっというまに読んでしまったと話してくださる。

 みんなみんな、味方なのだ。それはとても嬉しいことなのだが、作家の精神はこの期間にあっという間にシャブ浸けにされてしまう。

 発売された瞬間、昨日までじゃんじゃん打ち放題だったシャブはあっという間に取り上げられる。「この小説は社会の何かを変えますよ」と曖昧な言葉でごまかされていた物語の市場価値が、実売数や返本率などであっという間に数値化される。この運動をこれまで9冊分繰り返してきたので、もうさすがに自分は慣れているだろうと思っていた。

 だけど止まらない。あと30分で家を出なければならない約束がsるのに、感想サーチが止まらない。ただこれは、褒めてくれている感想を見つけることで新たな快楽を得たいというよりも、早く自分の市場価値を現実的なレベルまで下げたいためである。

 味方しかいないあいだに蓄積した勘違いを、「つまらなかった」の一言で一掃してほしいのだ。
 だが、本当に「つまらなかった」という感想を見つけると、動けなくなるくらい、落ち込みもする。こんな自分が本当に面倒くさい。

【4月28日】
 この二日間は、たくさんの同業者にお会いした。ざっと名前だけ挙げても、中山七里さん(実はそれなりに多い岐阜県出身作家仲間でもあるのだ!池井戸潤さん、沖方丁さん、奥田英朗さん、中村航さん等も岐阜出身である。他に特にレジャーがない場所にいると、人間は小説を書き始めるのかもしれない)、下村敦史さん、葉真中顕さん、島本理生さん、佐藤友哉さん、角田光代さん、とんでもないラインアップである。

 私が鼻ちょうちんを膨らませながらアンパンを食べていた実家生活時代に「これが小説家ってやつか~」と思っていた人も多くいた。そんな人たちに立て続けにお会いすることもある現実の生活を、私は心のどこかで、いつか終わる日々だと思っている。異国への留学中というか、これが自分の日常なわけではない、という思いが根強くある。角田光代さんと「低血糖なんですか?ってことは、空腹時に発汗と震えが…わあ、僕も同じです!それってあれらしいですよ…」などと話しながらも、その瞬間を「実はおじいちゃんには小説家時代というものがあってね」とまだ見ぬ孫らしき誰かに向かって振り返っている自分の姿が、はっきりと思い浮かんでいるのだ。

【5月5日】
 数日前、「王様のブランチ」(TBS)から、『武道館』を紹介したいと連絡をいただいた。この番組のブックコーナーへの出演は、本(特に文芸)を上梓する者が最も掴みたいチャンスのひとつだろう。私は二つ返事で出演を快諾した。ゴールデンウィークに遠出をするタイプでなくてよかったと心から思った。

 テレビでのインタビューは、とても難しい。質問者、回答者の息が合わないと、回答者の言いたいことが伝わらないまま終わってしまうこともあるし、何より紙媒体では可能な修正ができない。カメラがすぐそばにある、これが何百万人の目に触れる、という独特の緊張感も相まって、自分が何を話しているのかわからなくなったりもする。

 とても理解のあるスタッフの方々が、うまく話せない私を色々と補足してくださったおかげで、とりあえず収録はうまくいったと思う。だが、せっかくいただいたチャンスをもっと上手に活かせたのではないか、という後悔は、後から後から襲ってくる。少し暗い気持ちで帰路につくと、作家の西加奈子さんから、『武道館』を読んだよ、というメールが届いていた。お忙しいだろうに、作品で伝えたかったメッセージをきちんと受け止めたうえでの感想を、長い文章で綴ってくれていた。

 インタビューでうまくいかなくても、伝えたいことは伝わるはずなのだ。私の憂鬱などいつも、たった一通のメールで晴れるほどのものなのである。西さんへの返信を打ち込みながら、いつもより少し早足で、大好きなファミレスを目指した。


…あと日記は、故郷での初のサイン会とか続くのであるが、長くなるので切り上げます。

出版社が、文学賞受賞者をおみこしに乗せて売り出すパターンですね。
受賞者のほうも、出版社が準備した乗物に乗って、観客に笑顔で演じるという…大変なご様子でんな(笑)









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Last updated  2015.12.07 23:52:39
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