カツラの葉っぱ 大好き!

カツラの葉っぱ 大好き!

PR

×

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

Mドングリ

Mドングリ

Calendar

Comments

Global_Safeedslal@ Safeeds Transport Inc reviews: check reputation and customer feedback Многие пользователи в Узбекистане интер…
聖書預言@ Re:『クダン狩り』(復刻)(03/12) 神の御子イエス・キリストを信じる者は永…
Mドングリ @ Re[1]:『筋トレと栄養の科学』1(09/26) maki5417さん よくいらっしゃいました♪ …
maki5417 @ Re:『筋トレと栄養の科学』1(09/26) うちのジムは、15回3セットを推奨して…
聖書預言@ Re:『ガロ曼陀羅 』 (復刻)(07/19) 神の御子イエス・キリストを信じる者は永…

Free Space

1【旧ブックマーク】
カールのフランス体験記
再出発日記
第7官界彷徨
ひまじんさろん
マックス爺さん
alex99さん
chappi-chappiのとんぴん日記
より良い明日をめざして
七詩さんのHP
昼顔のつぶやき :バードウォッチング
幻泉館日録
heliotrope8543さん
LAVIEN
韓国大好き♪
ナナメに歩こー♪
水彩画人
No-Match

太腕繁盛記 生
内田樹の研究室
アイラブサイエンス
お隣さんの国:韓国からの手紙


2【官公庁】
キキクル神戸
神戸市立図書館トップページ
図書館カレンダー
国立国会図書館ギャラリー展示 :コピペ可能
神戸市ホームページ

3【気になる本】
好書好日トップ
吉岡桂子さんの書評
岩波書店
新書マップ

4【メディア】
NHKプラス
デジタル朝日 スクラップブック
NHKスペシャル放送予定
IDEAS FOR GOOD(テクノロジー)
WEDGE infinity
週間金曜日公式サイト
JPpress
池上彰のニュースそうだったのか!!



5【関西、旅行】
ハイパーダイヤ
パルシネマ・上映スケジュール
OSシネマズミント神戸
横尾忠則現代美術館
兵庫県立美術館
YMCAウエルネスセンター

6【資源・エネルギー】
Tech-On!エネルギー
素材・エネルギー

7【中国】
大紀元トップ


8【韓国】
朝鮮日報
東亜日報/国際


9【フランス】
Le Blog Gallica
Le Monde.fr
グーグルニュース(フランス)
在日フランス大使館

10【世界】
ハイパー世界史用語集

11【エコ・環境】
海洋プラスチック問題について
神戸市の花粉飛散情報 2024

12【仕事・シルバー】
ひょうごボランタリープラザ
健康長寿ネット

13【リンク集】
all about
法情報リンク集
ariadnet

14【その他】
西暦・和暦変換表・簡易電卓
こうして日本は格差社会になった
国字の一覧
wikipedia 修辞技法
日本地図

Freepage List

好きな樹


カツラ


低木(お奨め)


ケヤキ


ハルニレ


フウ


ユリノキ


ブナ(お奨め)


ダケカンバ


ウメ


サクラ


アジサイ(お奨め)


沙羅双樹


マロニエ


コブシ


馬酔木


菩提樹


ヤマボウシ(お奨め)


コニファーガーデン


カラマツ


イヌマキ


クスノキ


ハナミズキ


シラカバ


ヤブデマリ


街路樹ベストテン


ハリモミ


クロバナエンジュ(イタチハギ)


庭木の手入れについて


日本の樹木


『カラーリーフ』


『手入れがわかる雑木図鑑』


個人的歴史学


歴史関係リンク


個人的歴史学9


満州あれこれR17


網野善彦の世界R2


中沢新一の世界R1


台湾あれこれR11


明治期の日本大好きアーティストR2


縄文人の世界R13


東インド会社あれこれR3


「香辛料貿易」をめぐる戦い


お楽しみ箱


野草(お奨め)


フータロー日記 R1


遠くへ行きたい2


車が好きだったかも2


サウジアラビアあれこれR7


シルクロードあれこれR4


愛すべきイギリス人 1


気分はオーストラリアR6


宇宙への関心R6


砂漠への憧れ R4


キャット・ギャラリーあれこれR3


YOU TUBEで好きな歌を


腹立ち日記


なめきった お役人6


(ニッポンの宿題)シリーズR3


バンクシーあれこれR3


情報整理


総合インデックスR3


アマゾンvs楽天R3


朝日のインタビュー記事スクラップR16


NHKスペシャル・アーカイブ(改12)


新聞連載コラムのスクラップ


トップの壁紙


蔵書録(全項目)改5


14雑誌類R2


ドングリの独り言


合宿免許@倉吉


腑抜けの闘病記


日米中の宇宙開発対決R2


飛行機シリーズ3-R3


フランスあれこれ2


団塊世代R5


アヒル(レベル6)との闘い(最新版)


老人力あれこれR3


中華に対する辺境


『中国化する日本』11


日米中EV対決R6


対中最新情報


NHKスペシャル「中国文明の謎」


吉岡桂子記者の渾身記事36


中国関連のオピニオンR2


『イネが語る日本と中国』4


『世界史のなかの中国』3


『中国が世界を攪乱する』2


『中国古代史研究の最前線』4


嫌中本あれこれR8


アメリカ アメリカ


アメリカ アメリカ7


鬼門は自動運転車R5


『ヒルビリー・エレジー』3


個人的エネルギー政策


石炭ガス化複合発電(IGCC)って


シェールガスに期待できるか?4


バイオマスって有効?7


メタンハイドレートあれこれ


水素社会に向けて加速3


個人的エネルギー政策11


温暖化あれこれR1


映画あれこれ


映画あれこれ1


2本立て館で観た映画R20


お奨め映画1


見たいDVD-R2


リドリー・スコットの世界3


渡辺あやの世界


クリント・イーストウッド監督作品集R1


リドリー・スコット監督作品あれこれR1


第二次世界大戦の戦争映画集1


映画美術3-R2


映画の基本はシナリオ


台湾映画アンソロジー


テリー・ギリアム監督アンソロジーR1


スター・ウォーズあれこれR4


映画パンフレットR3


宮崎駿の世界R3


高畑勲の世界


是枝監督アンソロジーR4


宮崎駿アンソロジー


「戦争映画」を観てきた2


ドイツ映画あれこれ


飛行機映画あれこれ


砂漠の映画あれこれ3


移民を扱った映画R1


山田洋次の世界R3


黒澤明アンソロジーR2


ハードSF映画あれこれ(R2)


原作が先か、映画が先かR7


ニール・ブロンカンプ監督作品集


好きな映画監督のインデックスR1


矢口史靖の世界R1


戸田奈津子の世界


周防正行の世界R3


ブレードランナーあれこれR5


何をおいても音楽を


何をおいても音楽を3


好きな歌リンク1


好きな歌リンク2


テレサテン


うたの旅人


(もういちど流行歌)シリーズ


個人的言語学


日本語が亡びるとき


通訳、翻訳,についてR25


漢字文化圏あれこれR12


漢字の世界R4


言語学的SFあれこれR5


関西人の話法 R1


言語・方言のインデックスR5


方言あれこれR5


仏文書籍あれこれR3


原発関連


中国、韓国の原発事情3


福島原発関連13


卒原発についてR1


韓国あれこれ


韓国ほろ酔い旅行記


キムさんとのこと


歴史にみる日本と韓国・朝鮮


釜山ヨタヨタ旅行


韓国あれこれ15


韓国料理あれこれR3


韓国通の人たちR3


呉善花さんという人R1


朝鮮紀行あれこれ


日韓の住まいあれこれR1


森林あれこれ


森をゆく旅


ブナ大好きスペシャル


樹木のアート


森林あれこれ6


新素材CLTの報道より


『林業がつくる日本の森林』4


気になるアート


鼠つながり


『中国行きのスロウ・ボート』がつなぐ輪R7


藤田嗣治アンソロジーR5


草間彌生の世界


横尾忠則を観に行こう♪シリーズ


関川夏央アンソロジー


伊坂幸太郎の世界R6


和田誠アンソロジーR7


クールジャパンあれこれ3-R1


気になるアート6


スタジオジブリあれこれR2


川上未映子アンソロジーR3


暇になったら、絵を描くのだったR6


高橋源一郎アンソロジーR4


三浦しをんの世界R10


西加奈子の世界R4


村上龍アンソロジーR3


版画あれこれR5


村上春樹アンソロジーR14


先住民や移民にからむ文学R9


無頼派女性作家の系譜R3


絲山秋子ミニブームR11


シュルレアリスムあれこれR2


気になるイラストレーターR3


『ジャポニスム』あれこれR3


『アンドリュー・ワイエス水彩・素描展』


佐野洋子の世界R4


浅田次郎の世界R22


小川洋子ミニブームR12


池澤夏樹の世界R5


陳舜臣アンソロジーR13


シーナの写真付き旅行記R7


サン=テグジュペリの世界R6


多和田葉子アンソロジーR13


『中島京子の世界R10』


漫画・絵本関連


『ガロ』がつなぐ輪R4


現代マンガの索引


バンド・デシネあれこれ


いしいひさいちの世界R4


松本大洋の世界


もう赤瀬川原平さんはいないのかR5


鳥頭ワールドR3


杉浦日向子アンソロジーR4


佐々木マキの世界(その6)


SF風イラスト R1


絵本あれこれR9


漫画のインデックス


つげ義春ワールドR7


Le Blog Gallica


空間アートの世界


非定常空間あれこれR2


安藤忠雄の作品


安藤忠雄 建築を語る


空き家問題あれこれR8


主体的な住居とはR4


個人的民俗学


柳田國男あれこれ


異境、辺境を描く著作R6


藍布の源流


人類学あれこれR3


木地師について


「食の歴史と日本人」


探検本あれこれ(その15)


「紙」あれこれR2


『栽培植物と農耕の起源』6


『食の人類史』5


文学賞を狙って


作家デビューを目指す貴方へ3


最強のエッセイストR7


すっきり書ける文章のコツ80


売れる作家の全技術


文学賞あれこれR2


『職業としての小説家』6


文章修業のインデックスR10


読書術・書評のインデックスR8


13 小説家になるための本


『書いて稼ぐ技術』4


大仏次郎論壇賞の受賞作R1


『みみずくは黄昏に飛びたつ』7


小野正嗣のあれこれR2


装丁と挿絵


『不思議の国のアリス』がつなぐ輪R3


挿絵本あれこれR5


線描画の達人たちR4


小村雪岱の版画がええでぇ


本に携わる職人たち5


図書館予約とか


図書館あれこれR1


図書館活用あれこれR3


紙の本への拘りR6


予約分受取目録R32


科学的著作


137億年の物語


137億年の物語(続き)


福岡ハカセの世界R1


『動物たちの生きる知恵』2


鳥の本あれこれR13


『驚異のバクテリア』


次元へのこだわりR1


ブラックホールを見たいR4


ラララ・・・科学の子5


『古今東西エンジン図鑑』


ナショジオの鳥シリーズR3


個人的経済学


個人的経済学21


ピケティさんの世界R1


シェアリングエコノミー


テクノナショナリズムに目覚めた12-R4


2015.12.09
XML
カテゴリ: 気になる本
図書館で『魔がさす年頃』という本を手にしたのです。
魔がさす年頃とは何やねん?・・・・魔がさすように借りた次第でおま♪


【魔がさす年頃】
嵐

嵐山光三郎著、新潮社、2012年刊

<「BOOK」データベース>より
著者の人生、いつも「つい魔がさしたとき」が次のステップになった。「不良定年」その後の人生全開的日々実録。
【目次】
序章 魔がさす年頃/第1章 魔がさす気配/第2章 いらいら/第3章 自律神経出張中/第4章 蝉時雨

<読む前の大使寸評>
魔がさす年頃とは何やねん?・・・・魔がさすように借りた次第でおま♪

rakuten 魔がさす年頃


日中文化交流協会委員でもある嵐山さんは、同協会の招待で中国を巡ったそうです。
招待旅行だから、ハメも外れず、魔がさすようなことはなかったようですが。

<中国高速鉄道に乗る>よりp87~91
 黒龍江省のハルピン駅から高速鉄道<和諧号>で吉林省の長春へ向かった。8両編成の車輌で、どうみても日本の東北新幹線である。時刻表では9時15分発となっていたが、いつのまにか9時5分発に変更となっていた。

 中国の新幹線はセッコウ省温州での衝突・脱線事故のあと、ダイヤ改正があった。転覆事故をおこさぬかと不安だったが、中国では自動車で移動するときのほうがずっとこわい。二等席(72元=約900円)でも座り心地がいい。

 臨席の客が座席を向かいあわせにしてトランプのゲームをはじめた。全車輌に響きわたるほど、やたら声が大きい。
 ただでさえ声が大きい中国人が、怒鳴りあってトランプに興じている。
 中国の特急列車には軟座席(一等)と硬座席(二等)があり、昔は硬座席には鶏や家鴨を積み込んだ客がいて、木製の床は痰でぬるぬるしていた。予約席をとっておいてもそこには別の客が座っていて動かないし、地獄の行進であった。それに比べると雲泥の差である。

 列車は広大なトウモロコシ畑のなかを走っていく。ただし時速140~160キロで思っていたより遅い。列車の性能は時速250キロ以上出るはずなのに、スピードをあげない。
 どうして遅いのかと中国人の通訳にきくと、
 「温州の事故以来、安全運転を心がけています」
 とのことであった。
 「あの事故はもう解決ずみです。あとは前進あるのみです」
 が中国側の認識である。イケイケドンドンの国だから、40人が犠牲となり、大破した車輌の残骸を地中に埋めてから掘りおこしても、どうということはないらしい。中国人にしてみれば、あの程度の事故で騒ぐ日本人が理解できない。中国には「潜規則」という不文律があって、法治国家のシステムは通用しにくいのである。

 ゆっくり走る高速鉄道はなんとものどかで、二時間かけて、長春駅に到着した。
 長春は旧満州の首都(新京)であった。市街地には満州時代の遺構がそこらじゅうにある。ただし中国は満州という言葉を許しがたく、偽満州という。

 旧関東軍司令部は白壁に黒い屋根瓦がつき、天守閣を設けた城郭建築で、日本式にいえば城である。いまは中国共産党吉林省委員会になっている。

 国会議事堂を模した偽満州国国務院は吉林大学基礎医学院で、入り口には中国共産党の活動を支援したカナダ人医師ノーマン・ベチューンの像が立っている。正面玄関よりは奥へは入れなかった。建築した当時は国務院の地下道があり、長春駅や関東軍司令部とつながっていた。

 新民大街をはさんで国務院の向かい側にある偽満州国軍事部は、緑色の瑠璃瓦の三角屋根で、吉林大学医学部の第一臨床医学院。和漢折衷の丸屋根の偽満州国司法部(司法府)は吉林大学新民校区。偽満州国経済部(財政府)は吉林大学第三医院。

 吉林大学は学生数8万人、教師・事務員が4万人で計12万人という。案内してくれた対外友好協会の通訳も吉林大学の卒業生だった。

 あらゆる建築が偽満州で赤旗がひるがえっている。きわめつきは偽満皇宮博物院で、ラストエンペラー溥儀の仮宮殿である。溥儀は1932年から1945年までをここですごした。

 日満議定書が調印された勤民楼の机、清国皇帝の位牌を祀る奉先殿、関東軍参謀の執務室、アヘン吸引室、映画『ラストエンペラー』に登場した同徳殿のホールなどがあり、中国人の観光客で賑わっていた。満州という地名を別の名称に変えればいいとも思うが、あえて旧名称の上に偽をつけて旧名を残すところが中国式である。

 溥儀は3歳で清朝宣統帝に即位し6歳で退位したが26歳で満州国執政となり、28歳で満州国皇帝となった。39歳(1945年)のとき、ソ連軍に捕らえられハバロフスク郊外に収容された。1946年の東京裁判に検察側証人として出廷し、44歳で中国に引き渡され、特赦を受けて61歳の生涯を終えた。最後は政治協商会議全国委員に選出され、その思想改造の過程が写真とパネルで展示してある。

 長春の史跡を廻ると、いかに関東軍の侵攻が無謀なものであったかがわかる仕掛けになっている。満州を開拓して移住するなんて、無茶なことをしたものだ。偽満州の大荒野へ行けば、この地を占領する計画をよくもまあ思いついたものだ、と実感でわかる。

 宿泊は金安大飯店で、夕食は御香苑で火鍋料理になった。北京に本店があり、長春は分店である。マトン、ホウレン草、キャベツ、シイタケ、ハルサメなどの火鍋だが、この店のコーンスープの旨さに仰天した。採りたてのトウモロコシを蒸してスープにしたものだが、コーンが新鮮で、香りが抜群にいい。

 今回の旅で一番心に沁みたのがこのスープで、スープというよりジュースに近い。店員は、ガラスのコップを乱暴にドスンと置く中国式だが、味は淡白ですずやか。塩味はなく、ほのかに甘い。朝採りしたトウモロコシ自身の甘みがある。トウモロコシのシーズンだけの純正スープ。これは日本や香港の高級中国店では味わえない逸品である。五杯もおかわりして、

 「どうやって作るのか」
 と店員にきくと、「それは企業秘密です」とかわされてしまった。 


大使の鬼門とも言えるスティーブ・ジョブズについて、嵐山さんが論じているので見てみましょう。

<ジョブズは魔がさして成功した>よりp180~184
 きれいごとのお題目を唱えているだけでは人はついてこないし、新時代にあった商品は開発できない。この世は平等ではなく、不条理の連続で、失敗をくり返しつつ生きていくしかない。ジョブズの不逞なる方法は正札通りに受けとって真似をすると火傷する、という印象をもった。俗っぽくて訳知りでないのがジョブズ流である。

 名古屋の星野書店で、ジョブズ格言集を買って、帰りの新幹線で読むと、日めくりカレンダーのような格言がつぎつぎと出てきた。「一つの仕事を成しとげるためには他の人生を捨てよ」とか、「何をするのではなく、何をしないのかが大切だ」とか、うろ覚えだが、「死に近づきつつあると知れば、やりたいことができる」など人間が生きていく上での覚悟がつぎつぎと出てくる。実用本に見せかけた魔がさす本という気配があった。ジョブズ本を読んだ日本人は「どこからか魔がさす」自分を求めたのである。しかし、魔にさされた人間が、その毒をどのように処理するかは難しい。なぜなら魔がさしたとき、それを受容するには体力と精神力が必要だからである。

 若いころから魔にさされて、魔にさされても生きのびる鍛錬がなければ、たちまち死んでしまう。魔にさされることは死と隣りあわせであることを覚悟しなければならない。

 ジョブズの頭から離れなかったのは「死」で、人はだれでも死から逃れることはできない。ジョブズはいろんなアイデアを開発しつつも無常の風に吹かれている。49歳で膵臓ガンの手術を受けてからは、死の意識がいっそう深まった。

 ジョブズの本を読みながら、「おや、これはどこかで読んだことがあるぞ」と気がついた。それは吉田兼好の『徒然草』である。
 兼好という人はジョブズより約670年前の人で、堀川大臣家の家司(事務と秘書をかねた仕事)をしていた。博学であった兼好は、堀川家の娘基子を母にもつ後二条天皇の子、邦良親王の家庭教師をしていた。

 『徒然草』は、邦良親王が立派な天皇となるためのテキストとして書かれた、と私は考えている。『徒然草』の最初が君主論であるのはそのためである。しかし邦良親王は27歳で亡くなり、兼好は失業してしまった。山里に隠棲する世捨て人となり、『徒然草』は君主論としての役割を終え、随筆集という形に変わっていく。

 兼好にも魔がさして、ドロップアウトして、現実の世を捨てた。それが世捨て人である。しかし、兼好が捨てたのは現実の世ではなく、俗世界のわずらわしさであった。頭を丸めて法師のなりをしているが、来世のことなどいささかも信じていない。「一事をなそうと思ったら他のことはあきらめよ」「最善手を目ざすな、最悪手を避けよ」「自分からのドロップアウトはできない」「珍しきを求めて異説を好まず」「失敗の罠とはなにか」「趣向を弄さず、シンプルなものがすぐれている」と説いた。

 これらは、すべてジョブズの信条と重なっている。ジョブズは仏教徒で禅を修業していたから、英訳された『徒然草』を読んでいたのではないだろうか。

 兼好は脱俗を目ざすほど世間へ目がいってしまう人で、兼好が生まれたころ蒙古襲来という大事件がおきた。蒙古が日本を攻めてきて、かろうじて撃退したものの、鎌倉幕府は、その後の対処にゆきづまっていた。貴族も僧侶も政権をねらって暗躍し、異類異形の山伏が暴れまわり、京の町は焼かれて、戦乱につぐ戦乱であった。それまでの価値観が崩れていった。

 人里離れた山にいても、そういった現実から目をそらすことはできない。
 俗世間のなかにいると、目の前の事件に惑うばかりで、人と争い、あるときは恨み、損得のことを考えると果てしがない。そういった自分の欲や野望がわかるから、兼好は世捨て人となったのだが、そうといっても世捨て人として逃げきることもできない。兼好の魅力は、そのあまりに人間的な葛藤と矛盾にある。

 この気分は現代の組織社会に生きるわれわれと共通し、ことに組織の第一線に立って仕事をしている人に限って「山奥に籠もって価値を見つめよう」と思う。第一線のビジネスマンが、ある日突然それをやって周囲を驚かすのは魔がさしたのである。うまくいくかどうかはわからぬが、魔がさして、自分を解体しようとする。

(中略)
 『徒然草』はつねにわが傍らにあり、魔をさしこむ「危険な書」であった。『徒然草』のなかに書かれている内容がバラバラなのは、兼好が自己を解体しつづけた人だったからだ。つまり、悟っていない。悟りつつも、その悟りを捨ててしまう。その矛盾が、生きていくことなのである。ジョブズに触発されて読み返すと、新しい発見がある。

 で、兼好の野生にあと押しされて、『転ばぬ先の 転んだ後の「徒然草」の知恵』(集英社)という、やたらと長いタイトルの本を書いた。


嵐山さんの『徒然草』に関する薀蓄には深いものがあるのだが・・・
NHKの『100分de名著・徒然草』のコメンテーターを務めたほどなので、まあ、第一人者の部類なんでしょうね♪

100分de名著・徒然草 今日から始まる「100分de名著・徒然草」 より





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2015.12.09 19:38:15
コメント(0) | コメントを書く
[気になる本] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: