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2015.12.17
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カテゴリ: アート
<ヨーロッパの装飾と文様>

カラー画像満載で、コスパも良~し、お買い得かも♪

冗談はさておいて、様式と伝播を語るあたりが・・・・
格調高いし、悠久のロマンを感じるわけでおます♪


【ヨーロッパの装飾と文様】
文様

海野弘著、パイインターナショナル、2013年刊

<「BOOK」データベース>より
豊かな「形」が織りなす、装飾の花園へ。古代文明からゴシック、ロココ、アール・ヌーヴォー、アール・デコなど、18の様式における装飾・文様の歴史と構造、74のモチーフを詳しく解説。

<読む前の大使寸評>
ほぼ全ページにカラー画像満載で、コスパも良~し、お買い得かも♪

rakuten ヨーロッパの装飾と文様


アラベスク(唐草模様)やエンジェル(飛天)はシルクロードを経て日本まで伝播したようだが・・・そこに悠久のロマンを感じるわけでおます♪

この本で伝播に言及したあたりを見てみましょう。

<装飾の様式と伝播>よりp19~20
 装飾は、世界中でばらばらに発生したとしても、やがて出会い、共通の視覚言語となり、世界中をめぐってゆく。

 装飾は人類の誕生から現在にいたるまでの長い歴史を旅してきた。ここで、装飾と美術史の関係を考えてみよう。装飾史は美術史に属しており、両者は別々ではない。<美術史>という大きな領域の一部が装飾史だといえるだろう。しかし逆に、装飾史は、とめどなく広大な分野で、美術史がその一部だともいえるのだ。なぜなら、私たちの知っている美術史というものはせいぜい、エジプト、ギリシャなどの古代文明以降のものなのに、装飾史はその何万年も前からはじまっているのだ。

 いわゆる<美術史>は、個人のアーティストの面から見られている。それに対して装飾史の大部分は、無名の人々の共同制作によってつくられている。さらに大事なことは、レオナルド・ダ・ヴィンチの絵は、彼だけの表現であり、一国的であるが、装飾美術の多くは世界中に伝えられ、その文様はくりかえし再生され、だれにでも新しくつくり直すことを許しているのだ。だからこそ、ギリシャで生まれた唐草文は、いつの時代、どこの国でも、自分たちのものとして描かれ、織り出されてゆくのである。

 装飾史のキーワードは<様式>と<伝播>である。装飾は共通の視覚言語となり、時代様式をつくる。<様式>というのは19世紀に出発した美術史で重視されるようになった概念で、人間が時代によって変化していくという歴史観を示している。<様式>によって時代を大きく区切り、その時代特有のスタイル(様式)をとらえようとする。

 この方法は、集合的な共同制作をあつかう装飾史に向いており、個人史的な美術史ではんかなか難しかった。リーグルの『美術様式論』が装飾史であったことは、それを示している。

 しかしやがて、装飾史の影響を受け、美術史も<様式>による歴史を研究し、<ゴシック>、<バロック>、<ロココ>といった様式概念が発見されてくる。
 <様式>というのは、時代を読むための大きなパターンである。私たちは装飾様式を知ることで、その時代の輪郭をとらえ、その時代を見ることができる。<様式>が読めると、装飾はさらに面白く楽しいものとなる。なぜなら、<様式>は装飾のことばであり、それを知ると装飾と話せるようになるのだ。

 <様式>の変化という時間軸をたどる一方で、<伝播>という空間的な移動も旅してみなければならない。装飾のもう一つの魅力である。

 <伝播>は、ハンディング・ダウン(手渡し)と訳してみたが、コミュニケーションとも訳せる。装飾は、異文化の間のコミュニケーションをつくり出すのだ。<シルクロード>が語りかけるように、東と西の文明は装飾美術を介してコミュニケートする。

 ペルシャ絨毯は、ラクダと馬によって中国へ運ばれ、日本にも伝えられる。それに織りだされた唐草文というパターンは、アジアの果てに達して、再び花を咲かせるのだ。


ところで、現代の模様や、売れ筋の壁紙が WALPA で見られます。
模様WALPAより


p208~209
<装飾文様の展開>より
唐草唐草文様

 装飾文様はパターンとしてとり出されるが、そこで終わるのではなく、あらためて現実のものへ応用され、生きた形となる。単純で平面的な形は物の表面の複雑な曲面の上を流れ、なんと見事な音楽を奏でることだろうか。

 文様の形と意味を知っていると、私たちのまわりのさまざまな事物のあらわれ、風景は無限に楽しいものとなってくる。たとえば街を歩き、電車に乗ったりすることでさえ、装飾文様の森の中をさまよっていく楽しさを与えてくれるのだ。

 土の道からアスファルトの道路に出る。ちがったマチエール(素材)に変わる。両脇の塀はレンガヤコンクリート・ブロックを積んだ格子文になっている。道路上には太い帯状の黄色い縞が描かれている。そして落ち葉が散り敷いて、不思議な、風がレイアウトした植物文が見えてくる。このように、装飾文様は固定された視線によってのみ見られるのではなく、その上を歩いていくようなダイナミックな見方によって、さらにその魅力は増すのだ。

 装飾文様は形としてとり出すことができる。たとえば、その型紙さえあれば、どこにでも運んでいくことができる。それだからこそ、それは世界中に旅をしていく。
 装飾文様が<旅>、<道>と深く結びついていることを、唐草文様や迷路文様はよく示している。これらの文様は、文様と私たちの体の動きの密接な関係を考えさせてくれる。もしかしたら文様は、真夏の夜に踊る妖精たちのダンスの軌跡なのではないだろうか。

 文様を一つのダンスとして、ダイナミックにとらえたいという視点から、この本はつくられている。


この記事も アートの伝播あれこれ に収めておきます。





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Last updated  2015.12.17 16:30:38
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