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2015.12.27
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カテゴリ: 映画
年の瀬と相成り、朝日新聞が2015映画の回顧記事を載せているので、紹介します。

この回顧記事に載っている日本映画のうちで、大使は、「FOUJITA」「海街diary」「龍三と七人の子分たち」の3本しか観ていないのだが・・・・
2015年の日本映画のベストとしては「FOUJITA」が一押しだと思うのです。はい。

なお、河瀬直美「あん」が、お正月映画として、くだんの2本立て館に掛かるのだが、これは期待できそう♪


2015.12.25 (回顧2015)映画 「芸術」と「商品」歩み寄り、豊作 より
 7年ぶりの橋口亮輔。10年ぶりの小栗康平。寡作で知られる実力派監督の新作がそろって見られた稀有な年だった。橋口の「恋人たち」は無名俳優を使って、現代社会の生きにくさをリアルに描写。小栗の「FOUJITA」は画家藤田嗣治の人生の断片を、デジタル映像の粋を尽くして見せた。

 今年はほかにも世界的に評価の高い監督たちが続々新作を公開した。北野武「龍三と七人の子分たち」、黒沢清「岸辺の旅」、是枝裕和「海街diary」、塚本晋也「野火」、河瀬直美「あん」。多作の三池崇史と園子温は当然のごとく複数の新作を送り出した。

 彼らの作品の多くはこれまでアート映画に分類されてきた。しかしカンヌ国際映画祭に出品された3本、「海街diary」「岸辺の旅」「あん」は人気の俳優を主役に据え、物語や主題も幅広い観客に受け入れやすくなっていた。それでいて、いずれも監督の個性を全く減じることなく、芸術性も十分に発揮されていた。亡夫の幽霊と旅する女性を描いた「岸辺の旅」は、黒沢をカンヌの「ある視点」部門の監督賞に導いた。

 綾瀬はるか、長澤まさみらが4姉妹を演じた「海街diary」は興行収入16・8億円、ハンセン病の元患者の晩年を叙情豊かに描いた「あん」は5・2億円を上げて商業的にも成功。「恋人たち」「FOUJITA」もスマッシュヒットになっている。

 映画は「芸術」であると同時に「商品」でもある。日本映画黄金期の巨匠、溝口健二も小津安二郎も黒澤明もメジャーの映画会社で当時の人気スターを使い、「商業映画」の枠組みで「芸術作品」を撮っていた。現代の日本映画を引っ張る監督たちが「芸術」と「商品」の間で、バランスの取れた作品を発表したことは、一つの成熟と言えるのではないだろうか。

 これに対し成熟を拒否したように孤高を保ったのが塚本だった。「野火」は、戦時中の人肉食をモチーフにした大岡昇平の小説が原作。観客の心をあわ立たせる映像で、戦争の無残さを焼き付けた。

 戦後70年だった今年は、第2次大戦を扱った映画が相次いで封切られた。ポツダム宣言受諾までの内閣や軍部、天皇を鳥瞰で描いた原田眞人の「日本のいちばん長い日」、同じく終戦前の東京の庶民を虫瞰で追った荒井晴彦の「この国の空」。これらは塚本、原田、荒井の各監督が長年映画化を模索してきた作品。節目の年を生かして公開に至ったことを喜びたい。

 「芸術映画」の監督たちが「商業映画」へ目配せをする一方で、「商業映画」から企画がスタートした作品の中に、職人監督やスタッフの誠実な仕事によって質の高い秀作になった例も目立った。とりわけ、学年ビリの高校生が一念発起して慶応大に合格するという実話を映画化した「ビリギャル」は土井裕泰の演出と有村架純の演技が相まって興収28・4億円という予想外のヒットになった。

 このほか、三木孝浩の「くちびるに歌を」、堤幸彦の「イニシエーション・ラブ」、大根仁の「バクマン。」などが娯楽映画の秀作として印象に残った。これらの作品はきっと名画座で繰り返し上映され、後世の映画ファンをも楽しませることだろう。

 芸術とは無縁にメガヒットを狙う娯楽大作と、海外の映画祭で賞を狙うアート系の小品。日本映画が二極化していると言われて久しい。しかし今年は両極からの歩み寄りが見られ、中間層が少し分厚くなった。外国映画も合わせて、「アナと雪の女王」のような一人勝ち映画がなかった代わりに、20億円を超えたヒット作が約30本もあったのが今年の特徴だ。映画ファンにとってどちらが望ましいかは言うまでもない。

 50年以上前に引退した原節子が9月に亡くなっていた。享年95。伝説の女優がついに本当に伝説になった。作家の野坂昭如は85歳で死去。この才人にゆかりの映画は「火垂るの墓」だけではない。例えば、藤田敏八「バージンブルース」(1974年)は野坂の歌をモチーフにした名作だった。本人も自身の役で出演し、美声を披露している。(編集委員・石飛徳樹)


***********************************************************************
過去の日記より『FOUJITA』を再掲します。
<『FOUJITA』>
この映画については、「 はじめての藤田嗣治 」として早々と予告していたので、先日、土日を外して見に行ったのです。
パリでは、お調子者を演じて売名するクレバーな面と、美術館に通って模写を続ける地道さのある藤田が描かれています。




【FOUJITA】
藤田

小栗康平監督、2015年日仏制作、H27.11.16鑑賞

<movie.walker作品情報>より
戦前のフランスを中心に活躍した日本人画家・藤田嗣治の波乱の生涯を描いた、オダギリジョー主演の人間ドラマ。“乳白色の肌”の裸婦像でエコール・ド・パリの寵児となるも、日本に帰国し、戦争協力画を描く事になる藤田の絵に向き合う真摯な姿勢を映し出す。監督は『泥の河』『死の棘』など数々の名作を手がけてきた小栗康平。

<観る前の大使寸評>
小栗監督は、筋金入りの近代主義者の藤田を、キツネのエピソードを交えて古層を持った日本人として描いているようです。

フランスで知った自由と孤独…
フランスに帰化した後、藤田は日本人に会うことは稀だったが日々喫食するのは日本料理だったそうです。

movie.walker FOUJITA


「水漬くかばね」のように水に沈んだ戦争協力画が、最後のシーンで出てきます。
この独特な解釈で良かったのか?

小栗監督は、近代主義者の藤田を知った上で日本的な藤田を描いているが・・・
キリスト教に帰依しフランスで眠る藤田は、どう思っているのでしょうね。

映画では、疎開先の田舎でも戦時中のニッポンの空気感がよく現れていたが、美術スタッフのセンスがいいのでしょうね。

ついでに、この映画のネット情報をオマケだ。
・ なぜ“ややこしい絵描き”を題材に?小栗康平監督が回答







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Last updated  2015.12.27 17:16:39
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