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2015.12.28
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カテゴリ: 自然・環境
図書館で借出し予約していた『利己的な遺伝子』という本をゲットしたのです。
待つこと2週間、わりと早くゲットできたが・・・
世界的なベストセラーという本でも、ちょっと古いのが狙い目かも♪



遺伝子

リチャード・ドーキンス著、紀伊国屋書店、2006年刊

<「BOOK」データベース>より
「なぜ世の中から争いがなくならないのか」「なぜ男は浮気をするのか」-本書は、動物や人間社会でみられる親子の対立と保護、雌雄の争い、攻撃やなわばり行動などが、なぜ進化したかを説き明かす。この謎解きに当り、著者は、視点を個体から遺伝子に移し、自らのコピーを増やそうとする遺伝子の利己性から快刀乱麻、明快な解答を与える。初刷30年目を記念し、ドーキンス自身による序文などを追加した版の全訳。
【目次】
人はなぜいるのか/自己複製子/不滅のコイル/遺伝子機械/攻撃ー安定性と利己的機械/遺伝子道/家族計画/世代間の争い/雄と雌の争い/ぼくの背中を掻いておくれ、お返しに背中をふみつけてやろう/ミームー新登場の自己複製子/気のいい奴が一番になる/遺伝子の長い腕

<読む前の大使寸評>
待つこと2週間、わりと早くゲットできたが・・・
世界的なベストセラーという本でも、ちょっと古いのが狙い目かも♪

<図書館予約:(12/05予約、12/18受取)>

rakuten 利己的な遺伝子


この本は読みどころが多いので、(その4)として読み進めたのです。

雌雄対決のお話なのだが・・・面白そうやで♪
p213~222
<雄と雌の争い> より
 私たちは、ある動物が雄と呼ばれ、別の動物が雌と呼ばれることを単純に受け入れただけで、これらのことばが本来何を意味するかは、不問に付していたのである。しかし雄性の本質とはいったい何なのか。根本において雌を定義する性質とは何なのだろうか。

 哺乳類であるわれわれは、ペニスの存在、妊娠、特殊な乳腺による授乳、染色体の様子などの諸特性の総計によって両性は定義されるものとみなしている。ある個体の性を判定するためのこれらの基準は、哺乳類に関してはいずれも十分役にたつ。

 しかし、動植物一般を対象とすると、今述べた基準は、ズボンをはく傾向をもって、ヒトの男女判定とするのと同じくらい頼りないしろものになってしまう。

 たとえば、カエルなどは、雌雄いずれにもペニスは存在しないのである。もしかすると雌雄ということばには一般的な意味はないということだろうか。結局のところそれらも単なる符牒にすぎず、もしカエルを記載するのにそれらが役立たないというのであれば、それらのことばを放棄するのもまったく随意ということになるのか。

 もし望むなら、カエルに関しては性1と性2というような名称を勝手につけて、性を二つに分ければよい、というようなことなのだろうか。ところが、動植物を通じて、雄を雄、雌を雌と名づけるのに使用しうる基本的な特徴が一つ存在するのである。雄の性細胞すなわち「配偶子」は、雌の配偶子にくらべてはるかに小型で、しかも数が多いというのがその特徴だ。

 この点は、動植物いずれを扱う場合にも当てはまる。一方のグループに属する個体は大型の性細胞をもち、便利のために彼らを雌と呼ぶことにする。他方のグループは便利のために雄と呼ぶことにするが、こちらは小型の性細胞をもっているというわけである。

 両者の差異は、爬虫類や鳥においてとくに顕著である。これらの動物では、発育する赤ん坊に数週間にわたって十分な食物を供給できるだけの栄養分と大きさが、個々の卵細胞に備わっている。卵が顕微鏡的な大きさでしかない人間においてすら、卵細胞は精子よりなおはるかに大きいのである。あとで明らかになることであるが、他のすべての性差は、この一つの基本的差異から派生したと解釈できるのである。

 たとえばカビの仲間に見出されるようにある原始的な生物では、ある種の有性生殖はみられるものの、雄性と雌性が存在しない。同型配偶と呼ばれるこのシステムでは、個体を雌雄に区別することが不可能なのだ。どの個体も他の任意の個体と交配できる。精子と卵子という二種類の配偶子はみられず、性細胞はすべて同じものであり、同型配偶子と呼ばれている。減数分裂によって造りだされた同型配偶子が二個合体することによって新固体ができるのである。

 A,B,Cという三個の同型配偶子があれば、AはB,Cいずれとも合体することができる。通常の有性的システムではとてもこんな具合にはゆかない。もしAが精子で、これがBあるいはCと合体可能なら、BとCは卵子のはずであり、BとCの合体は不可能である。

 同型配偶子の合体の場合には、両配偶子が新個体に寄与する遺伝子は同数なのはもちろん、両配偶子が寄与する備蓄食物の量も同量である。精子と卵子の場合も、遺伝子の寄与数は同じである。しかし備蓄食物に関しては、卵子の寄与量が精子のそれをはるかにしのいでいる。実際にこの点に関して、精子の寄与は無に等しい。精子の関心は遺伝子をできるだけ速く卵子に運びこむことに集中しているのである。

 したがって、父親が子に対して投資した資源量は、受胎の時点で、公平な分担量、つまり50%よりはるかに少ないのである。個々の精子は微小なので、雄は毎日莫大な数の精子をつくることができる。これは、別々の雌を相手にすれば、雄がきわめて短時間のうちに多大な数の子どもを作る潜在能力をもっていることを意味している。

 しかもこれも、個々の胚が、受精の際に母親から十分な食物を与えられているからこそ可能となるのである。胚に対する食物供給の必要から、雌が作れる子どもの数には一定の限度がある。一方雄が作りうる子どもの数には実質的に限度がない。雄による雌の搾取の出発点はここにあるのである。

(中略)
 こうみてくると、雄というのはかなり値打ちの低いやからに思われてこよう。「種にとっての利益」という単純な考え方をとるなら、雄は雌より数が少なくなるはずと予想してしまいそうだ。理論的には一頭の雄は、雌百頭くらいのハーレムを相手にするくらいの精子を楽につくれるはずだずだから、動物集団中の雌の数は、雄の百倍くらいになってしかるべきではないかというわけだ。別の角度からこれを表現すると、種にとって雄はいっそう「消耗品的」な存在であり、雌はいっそう「貴重な」存在だということだ。

 種全体という観点から見れば、今述べた見解はもちろん完全に正当である。しかしここでちょっと極端な実例を引合いに出しておこう。ゾウアザラシに関するある研究によれば、観察されたすべての交尾例の88%は、たった4%の雄によって達成されたという。この例だけでなく、他の例においても、おそらく生涯交尾のチャンスはないと思われるあぶれものの独身雄が多数見られているのである。

 しかも、これらのあぶれ雄も他の点ではふつうの生活を送っており、個体群の食物資源を食う際の旺盛さでは、彼らも他の成獣には決してひけをとらない。「種にとっての利益」という観点から見れば、これは恐るべき浪費である。あぶれ雄たちは、社会の寄生者とみなされてしまいそうだ。しかし、たとえ雄のうちで実際に繁殖に参加するのが全体のごく一部にすぎむ場合でも、雄雌の数は等しくなる傾向があるのである。

(中略)
 雄雌いずれの体に入りこんだにしろ、遺伝子はそこで与えられた機会を最大限に活用するはずである。どんな機会が与えられるかは、雄雌いずれの体に入りこんだかによってかなり異なろう。便利な近似法として、ここでまた、個々の生物体は利己的な機械であり、その全遺伝子のために最善を尽すものと仮定しよう。その種の利己的機械にとっての最善策は、自分が雄であるか雌であるかによってまったく異なることがあるものだ。

 簡潔にするために、個体に意識的な目標があるかのように想定する方法をここでも採用することにしよう。これまで同様、これは単なる比喩にすぎぬことをはっきり頭にとどめておいてほしい。実際の生物体は、利己的な遺伝子たちによって盲目的にプログラムされた機械なのだ。

 本章の出だしの話題だった配偶関係を結んだペアの問題に立ち返ることにしよう。雌雄いずれも、利己的機械として、同数の息子と娘を「ほしがる」だろう。この点までは両者の利害は一致する。彼らに不一致が生ずるのは、子育ての苦労の矢面にどちらがたつことになるかという点である。どの個体も、生存する子どもの数をできるかぎり増やしたがっている。任意の子どもに対する投資量を少なく切りあげることができれば、その分だけ、彼あるいは彼女の作りうる子の数は増加する。

 この好都合な事態を作りだすのに利用できる明白な手段は、配偶者がどの子どもにもその公平な分担量以上の投資をおこなうように仕向け、自分のほうはそのすきに別のパートナーと新たな子をもうけるという手である。この戦略は雌雄いずれにとっても望ましいに違いないのだが、雌がこれを実現するのは雄にくらべて困難である。

 雌は、大型で栄養をたっぷり含んだ卵子の形ではじめから雄より多量の投資をおこなっており、このため受胎時においてすでに母親は、どの子どもに対しても父親以上に深く「身を投じて」しまっているのである。当の子どもが死んだ場合、彼女は父親よりも多くのものを失う立場にある。さらにもう一つ、死んだ子の代わりに将来新たに子どもを一頭育てるにしても、失った子どもと同じ段階までそれを育てるために彼女が投資せねばならない量は、父親のそれより多いにちがいない。


なるほど、生物学的な雌雄の関係はよくわかりました。

だけど、植物系男子とか、少子高齢化という経済的側面が強くでてきた昨今の状況について、遺伝子は今後どう対応するんでしょうね?

『利己的な遺伝子』1
『利己的な遺伝子』2
『利己的な遺伝子』3





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Last updated  2015.12.28 21:58:39
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