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2016.01.06
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カテゴリ: 経済
元旦の朝日新聞のオピニオン欄に藤田孝典さんのオピニオンが載っています。

一方で、我が家ではこの新書が積読になっていたので、あわてて再読に勤しむ大使である。

…で、この際、ネット情報もふくめて、「藤田孝典の世界」として集めてみました。

・選べない国で
・下流老人
・「高齢者の貧困率9割」時代へ

【藤田孝典】
社会福祉士、ソーシャルワーカーとして生活困窮者を支援。NPO法人「ほっとプラス」代表理事。聖学院大学客員准教授。「反貧困ネットワーク埼玉」代表。著書『下流老人 一億総老後崩壊の衝撃』(朝日新聞出版)は発売から2か月で8万部を売り上げた。 



<選べない国で>

藤田
(藤田さんのオピニオンを1/1デジタル朝日から転記しました)


さまざまな選択肢を自由に選べる社会に――。1990年代以降、日本ではそんな声が高まった。だが現状はむしろ、選ぶことができず、息苦しくなってはいないか。「選択」をキーワードに、この国のあり方を考える。

 ■老後の貧困、「公正」築き防げ 藤田孝典さん(NPO法人「ほっとプラス」代表理事)



 高齢になって仕事を退くと、多くは年金に頼らざるを得なくなります。1ヵ月の平均給与が38万円だった人が40年間、厚生年金保険料を支払ってきたとして試算すると、現時点で受け取れる年金は月約16万5千円。平均給与が25万円なら約13万円にしかなりません。

 病気で医療費がかさんだり、熟年離婚で収入が半分になったりすると、暮らしは維持できなくなります。多くの高齢者は薄氷を踏むような状況で暮らしています。

 私は「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」を「下流老人」と名付けました。憲法が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」を送ることが難しい人たちです。

 「下流老人」は決して、放蕩の末に身を持ち崩した人たちではありません。例えば、飲食店の正社員を経て介護の仕事に真面目に取り組んできた男性は、働いていた時の賃金が低く、両親を介護する離職期間も長かったため、厚生年金は約9万円。自身の糖尿病などで医療費がかさむようになり、食費に困って路上の野草を食べて飢えをしのいだそうです。最初の相談時には、身長が約180センチあるのに、体重は約50キロしかありませんでした。

 「自分がこんな状態になるなんて思いもしなかった」という高齢者の相談は増える一方です。今後の日本社会に中流は存在しなくなり、老後の生活を選べる「一握りの富裕層」と、選択の自由がない「大多数の貧困層」に分断されていくのではないでしょうか。

 労働者の4割に達した非正社員の多くも、このままでは「下流老人」の予備軍になると考えています。新しい働き方の選択肢として前向きに評価する風潮もありましたが、企業が人件費削減に利用した側面が強く、多くの非正社員が低賃金や雇用の不安によって厳しい生活を強いられています。

 結婚して子供が生まれた時、知人から「ブルジョアじゃないと育てられないね」と言われました。非正規雇用、年金問題などで将来に不安を抱える若い世代には、結婚して子供を産むという当たり前のことさえ、ぜいたくになってしまっています。

 もはや高齢者に限らず、子供や若者、シングルマザーの貧困も社会として見過ごせる水準にはありません。しかし、国や自治体による社会福祉制度の情報開示は十分ではない。複雑な仕組みにもかかわらず学ぶ機会を用意せず、個々人の「申請主義」に任せて福祉の選択肢をわかりやすく示さないのは、「選択の自由」以前の問題だと思います。

 さらに、格差是正のためには所得の再分配機能を高めることが欠かせません。所得税の累進税率を上げ、資産課税を強化して富裕層から多くの税金を取ることが必要だと考えますが、政治で議論されそうな気配はありません。

 与党による軽減税率導入をめぐる経緯を見ると、消費税増税は既定路線のようです。「薄く広く負担を求める」と説明されてきた消費税は一見、公平に見えますが、所得の少ない人ほど負担が重くなる「逆進性」がある。いま大切なのは、機会の平等を守るために、真に公正な税制とは何かを考えることだと思います。

 世の中に持つ者と持たざる者が生まれるのはある程度、仕方のないことだと思います。ただ、格差が広がった場合、是正しなければ社会は成り立たない。教育費の無償化や低家賃の公営住宅の拡充など、貧困の連鎖を防ぐ公的な安全網を整備することが急務です。

 生活困窮者が自殺や路上生活に追い込まれることなく、「生まれてきてよかった」と、再び自らの人生を選択できる公正な社会を実現すべきです。私たちは「そんなのは無理だ」と簡単にあきらめずに、粘り強く社会の再構築を目指すべきだと思います。
(聞き手・古屋聡一)
*
藤田孝典:1982年生まれ。聖学院大学人間福祉学部客員准教授。反貧困ネットワーク埼玉代表。ブラック企業対策プロジェクト共同代表。著書「下流老人」がベストセラーに。

選べない国で 藤田孝典2016.1.1





【下流老人】
老人

藤田孝典著、朝日新聞出版 、2015年刊

<「BOOK」データベース>より
まもなく、日本の高齢者の9割が下流化する。本書でいう下流老人とは、「生活保護基準相当で暮らす高齢者、およびその恐れがある高齢者」である。そして今、日本に「下流老人」が大量に生まれている。この存在が、日本に与えるインパクトは計り知れない。

<読む前の大使寸評>
楽天ブックス日別ランキング(社会部門、2015年10月5日現在)でトップの本であり、それだけ切実な問題なんだろう。
この本は16年1月現在、今でも本屋で平積みとなっているほどのロングセラーである。

rakuten 下流老人




ネットで藤田孝典氏へのインタビューを見てみましょう。
我々、団塊世代が年金生活をギリギリ享受できる最後の世代となるようです。

2015/9/15 「高齢者の貧困率9割」時代へ より
 日経ビジネス2015年9月14日号特集「あなたに迫る 老後ミゼラブル」では、「3大ミゼラブル」として、孤独死・認知症・犯罪を取り上げた。この3大問題の根底にあるのが、高齢者の貧困問題。一般的な民間企業で定年まで勤め上げた「中流層」は、定年を機に貧困に転落する可能性が極めて高い。『下流老人 一億総老後崩壊の衝撃』の著者、藤田孝典氏に話を聞いた。
藤田

Q:日本の中流層である、平均給与414万円でも定年後は貧困化してしまうと訴えています。
藤田:ええ。今の40代前半に当たる団塊ジュニアは4割程度が非正規社員・従業員です。平均年収は200万~400万円が中心帯ですが、この水準だと、定年後の年金受給額は月額8万~10万円。生活保護を受給すべき最低ラインに掛かります。

Q:とは言っても危機感は薄い。
藤田:老後には、病気や介護、認知症、子供が独立せずに家に居つくなど、現役時代には想像できないような“落とし穴”があります。なかなか実感として受け止めにくいので、危機意識が低いのではないでしょうか。

現在、私は埼玉を中心に生活困窮者の相談に乗っていますが、半分は高齢者です。そのうち、現役時代の年収が800万~1000万円だった人も含まれています。以前は正規の仕事に就く子供がおり、手元には、貯金や持ち家があった。地域コミュニティーも支えてくれた。年金はあくまでプラスアルファの収入で、依存度はそれほど高くなかった。

Q:それが変わってきたと。
藤田:今は違います。社会構造が変わる中で、年金依存度は飛躍的に高まっています。そうであるのにも関わらず、私たちが手掛けた独自調査で定年後もずっと中流意識を持っている人は多いことが分かりました。意識と実態のギャップから貧困化に陥るケースが増えています。

 現役時代は企業の部長さんで、毎週末にゴルフをするのが当たり前。車はクラウンじゃないとダメという人なんかも相談に来る。なかなか生活の質を下げられないようですね。

Q:意識を変えられないことが問題なのでしょうか。
藤田:それもありますが、一番の問題は家庭と雇用形態の変化に、制度が対応し切れていない点です。家庭内で支えてくれる人がいない以上、国が社会保障として支援の枠組みを考えないといけません。それが抜け落ちています。

Q:具体的に何をすべきでしょうか。
藤田:やるべきことは決まっています。住居です。家賃補助を入れるべきです。

 皆さんが何にお金をかけているかというと住まい。35年ローンを組み、定年までに払い終わらない人が多い。仮にローンを払い終わっても、老後の資金をすべて住宅につぎ込み、貯蓄額なんてありません。持ち家に資産価値があれば良いのですが、35年経つと目減りした不動産価値しか残らない。

■持ち家が首を絞める?
マンションも二束三文の価値になってしまいます。賃貸の場合、現役時代と異なり、定年後の年金支給額15万前後では、8万~10万円の家賃は到底払えません。

Q:金銭的支援は国庫財源を考えても限界があります。
藤田:家賃補助が難しい場合、フランスのように、公営住宅の絶対量を増やすべきでしょう。

日本では、全住宅のうち公営住宅はわずか4%程度です。一方、フランスは40年前からインフラ整備を進めており、今は約20%に増えました。フランスの場合も老後の年金は月額10万~12万円程度で日本と変わりません。ですが、家賃は月額5000~1万円。手元に1カ月で9万~10万円が残る計算になります。

(文字数制限により省略、全文は ここ )


もし、大使のように年金を払い続けた後で、下流老人になってしまったら・・・怒るでぇ。
しかし、団塊ジュニアには老人貧困率9割の時代が待ちかまえているようです。








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Last updated  2016.01.06 00:12:02
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