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2016.02.11
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カテゴリ: 中国
図書館で『疾走中国』という本を手にしたのです。
2011年時点では、中国取材はここまでできたのか…
でも、スパイ疑惑で外国人記者を追い出すというハリネズミのように過敏な今では、こんな旅行は無理ではないかと思うのです。



疾走

ピーター・ヘスラー著、白水社、2011年刊

<「BOOK」データベース>より
【目次】
第1部 長城/第2部 村/第3部 工場
【著者情報】
1969年、米国ミズーリ州生まれ。プリンストン大学卒業後、オックスフォード大学で英文学を学ぶ。1996年、平和部隊に参加し、中国四川省の長江流域の町にある地方大学で2年間、英語教師として教鞭をとる。2000~07年、『ニューヨーカー』北京特派員。2008年、“全米雑誌賞”を受賞。現在はフリージャーナリストとして活躍

<読む前の大使寸評>
2011年時点では、中国取材はここまでできたのか…
でも、スパイ疑惑で外国人記者を追い出すというハリネズミのように過敏な今では、こんな旅行は無理ではないかと思うのです。

rakuten 疾走中国

この本は、わりと厚めの大作であるが、飛ばし飛ばししながら読みおわりました♪

この本の今日的意義の片鱗を、訳者あとがきで見てみましょう。
p389~391
<訳者あとがき> より
 「近代化が問題だと言っているのではない。私は、発展には反対はしない。貧困から脱したいという人びとの気持ちはわかるし、努力して順応しようという中国人の意欲を深く尊敬している。だが、あまりに急激な変化は犠牲を伴うものだ。問題はとらえにくい場合が多い。外国人にはなかなか見えないのだ。西欧メディアは中国の政治や劇的な事件に関心を寄せ、農村暴動なっど不安定化のリスクをとくに大きく報道する。だが私の見るところ、個人の内面的な動揺こそ、もっとも深刻な問題ではないか」と著者は言う。

 本書は、それぞれ趣きの異なる3部で構成されていいて、どの部から読んでも楽しめる。第1部は北西部の辺境紀行だ。中国の運転免許証を取得した著者は、万里の長城をたどって北京からチベット高原までの長距離ドライブに出かける。
(中略)

 第3部は急発展する南部の小都市、麗水市が舞台だ。著者は市政府が開発を進める地区をたびたび取材に訪れ、その変貌ぶりに目を見張る。「9ヶ月の間にこの地区はすっかり変わってしまった。目をつぶっていてもわかるほどの激しい変わりようだ」。著者がそうした変化のスピードを19世紀のアメリカで広がった都市化の波と比較し、「根本的な違い」を指摘しているのも興味深い。

 「自由市場がすべてを方向づける」中国の新興都市に集まってくるのは、実にたくましい人たちばかりだ。「労働者は才覚に富み、やる気満々で、起業家は恐れをしらない」。しゃにむに突き進む人びとの姿を描きながら、著者は中国が抱える「より大きな問題は、低採算商品の生産から一歩進んで、創造性や技術革新が必要な産業を育てることができるかどうか」だと指摘している。

 著者は中国での生活のなかで感じるさまざまな矛盾点を、ときに皮肉を込めて、ときにユーモアを交えて語っているが、「外国人」の限界を実感することも多いようだ。レンタカー会社にアメリカ流のやり方を伝えようとしても、「中国人のことをおわかりでないから、そうおっしゃるんです」と笑いながら受け流されてしまう。「これは外国人がよく耳にする言葉で、この話はこれで終わりという意味だった」。

 著者が、親友の一人息子の入院先で治療法法の説明を求めたり、輸血の安全性に疑問を呈したりして中国人の担当医を怒らせてしまうエピソードも示唆に富むものである。「これまで知り合いになった中国人は、みな寛容だった。とかく中国語を話す外国人は、過度に尊敬される。そして、尊敬は便宜につながることが多い。長期滞在者のご多分にもれず、私は人びとの尊敬を都合よく利用することを覚えた。ただし、尊敬が実は何を意味するかについて幻想を抱いたことはない」

 中国という途方もなく大きな国を多角的、多層的に描く本書の魅力は、読者を一気に引き込む語りのうまさ、読みやすさにある。著者がこの書を「物語風ノンフィクション」と呼ぶのもうなずける。


著者の楽天的というか、ポジティブシンキングなところが、爽やかな読後感を与えてくれました。

かつて、イデオロギー全盛の時代に、エドガー・スノーが毛沢東と接した4ヶ月間を『中国の赤い星』として著わしたけど・・・
この本はスノーの頭でっかちな著作とは別の道を、多角的に辿り成功したのではないかと、大使は高く評価する次第です♪

『疾走中国』1
『疾走中国』2
『疾走中国』3





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Last updated  2016.02.11 17:09:17
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