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2016.02.12
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『喰らう読書術』という本を手にしたのです。
表紙には“一番おもしろい本の読み方”というコピーが見られます。
博識の荒俣さんの切り口が独特で・・・・ええでぇ♪



荒俣

荒俣宏著、ワニブックス、2014年刊

<「BOOK」データベース>より
「人間が発明した物の中でもっともよい頭(精神)の栄養、(他人の経験が詰まった)いわば頭の缶詰みたいなものが『本』です」。-「第一章」より。本書では、「知の巨人」「博覧強記の怪人」など、数々の異名を持つ著者が、何千、何万冊と本を読む中で得た、もっとも美味しく(おもしろく)、頭の缶詰(本)を食べ(読み)、無駄なく頭の栄養にするための「アラマタ流読書術」を初めて紹介します。

<読む前の大使寸評>
表紙には“一番おもしろい本の読み方”というコピーが見られます。
博識の荒俣さんの切り口が独特で・・・・ええでぇ♪

rakuten 喰らう読書術


荒俣さんが蔵書の効用を語っています・・・
本を捨てられれずに溜まる一方の大使にとって、心強い味方でんがな♪
p133~135
<本は物体でもある。持てば資産になる>
 本にはまず物体としての尊厳があるということを、前に説明しました。本を集めて自宅に置くということは、財産を蓄えることと同じです。ただし、この財産は非常に重くて数も多い財産ですから、取扱いには苦労が付いて回ることを覚悟すべきでしょう。

 どんなにおもしろい内容があっても、本はその中身を守れなければ意味がありません。本自体は、容器なのです。その点から考えると、いちばんすばらしいのは石か金属です。これなら少なくとも数千年は大丈夫、中身を守ってくれます。

 ただ、石や金属には大きな問題点があります。重くて大きいことです。つまり、運ぶときにも、保管するときにも、手に負えないということです。それでも、エジプトのアレキサンドリア近郊で発見された「ロゼッタストーン」は、まさしく本のお手本であるといえます。エジプトの4千年前の記録を現在に伝えたのですから、石という記録媒体、つまり物体に情報を印字した最初期の頑丈な容器なのです。この丈夫さは紙のおよぶところではありません。

 じつは現在、世界のあちこちで本を石に戻そうという動きが出ています。その補完力、丈夫さがあらためて認識されたからです。現在は紙の本にしてもDVDやUSBにしても、火事でやけてしまうのが怖いのですが、将来は石英に記号をレーザーなどで彫りつけて保管することが研究されています。これですと数千年はまちがいなく保管でき、しかも燃えません。

 しかし、エジプトでは石に彫り付けた石碑スタイルとは別に、パピルスを用いて記録を付ける簡便な方法も使われていました。軽くて運びやすいうえに、丸めて保管することができたからです。ただし、丈夫ではなく、火にも弱い欠点がありました。軽くて運びやすいうえに、丸めて保管することができたからです。ただし、丈夫ではなく、火にも弱い欠点がありました。

 それでも、世界では皮や紙、あるいは樹や葉をもちいた「ペーパー」と呼ばれる材質の本が今日まで進化してきました。おかげで、私たちのような市民でも、本を何冊も自宅に置いて、いつでも読めるようになったのです。

 おもしろいことに、本が物体であることから、これを所有するだけで本を読んだのと同じ効果があるという考え方がでてきました。これが、いわゆる「蔵書家」です。もちろん読書家でもある場合が多いのですが、純粋に本を持つだけの蔵書家もいます。こういう人たちも、命がけで本を守ってくれたわけですから、本にとっては頼もしい味方だったといえるでしょう。

ロゼッタストーンを引き合いに出して、蔵書の効用を語っているが・・・ええなぁ♪

一方でパソコンを前にして、コピー&ペーストに明け暮れる大使である。
荒俣さんがコピーあるいは紙の本に関する考察を述べているが・・・ええでぇ♪
p171~173
<本はキャラクターとタイプで個性を持つ>
 むかし、作家は、自作のテキストが句読点一つ変えられても、激怒したもんでした。それだけ、文章を自分自身の結晶体、あるいはユニットと考えていたのです。

 例えば太宰治『斜陽』は、一文章だけを取り出してあれこれ言ったところで、その小説を読んだことにはならなかったんですね。問題は本全体にあるのです。教師や、帯の宣伝文句まで、作家の一部なのです。いわんや、現在のような「コピー&ペースト」全盛時代にテキストの中の一文、一語が他人に「盗まれて使用される」ことは、ありえないことでした。書物には人格があったんですね。その一部を無断転用することは、手足をもぐのと同じ乱暴な振る舞いでした。

 そこでですが、「キャラクター」と「タイプ」という英語を思い出してください。注意すべきは、どちらも印刷用語でもあることです。キャラクターは文字、タイプは活字の意味でもあります。キャラクターは、いまでは「キャラ」と短くして、その人の性格特性をあらわします。印刷・活字の技術と共にうまれた非常に重要な概念で、「その人らしさ」を意味しています。

 個性と訳してしまいがちですが、この「らしさ」はユニークというのではなく、だれが見ても分かりやすい典型という意味にとらないといけません。なぜなら、いまお話したとおり、この言葉は同時に「文字」をあらわすからです。たとえば警察官らしい顔、態度、服装をしている。これが「キャラクター」です。

 もう一つは「タイプ」です。「あの娘はジャスト・マイ・タイプ」などと使われますね。このタイプも「活字」を意味しました。キャラクターよりももっと妥協のない「らしさ」です。どこか一つでも「かわったところ」があってはいけません。四角四面です。ということはつまり、想う通り、どんぴしゃの彼女が現れた、という意味ですね。こうした言葉の流行も、本の普及と関係があったと考えられます。

 ところがいま、キャラクターもタイプも危機にさしかかっています。印刷本にかわって、コンピューターがデザインする文字が登場しつつあるからです。まず、本に備わっていた「ユニット」性、つまり人格が危機に襲われています。

 紙の場合、本の一部を盗もうとしたら、そのページを破り取らねばなりませんでしたが、いまはテキストの一部を切り取り、他の文章に貼り付けることがいくらでもできます。本の人格性にたいするリスペクトが消滅し、何の罪悪感もなしに作家の文章も何もかも、みんな自由に切り張りされる時代になったのです。

 私は、本のパワーが失われた一つの原因に、本の物体性が消えたことを挙げておきたいと思います。このことは、印税とも関係があります。作家の所有権の証として、本一冊一冊には「印税」という金銭が支払われます。なぜなら、本という印刷物はそれを書いた作家の所有物でもあるからです。その権利を著者から買い取るわけですね。

 しかし、デジタルにはもはや「本」の実体が存在せず、オリジナル(原本)も存在しない。こうなると、本が持っていた人格も失われるでしょう。もう、ずたずたにしてもいいや、ということになります。キャラクターもタイプもありません。


・・・なるほど、荒俣さんは言外にではあるが電子書籍への忌避感を述べているんでしょう♪


これも紙の本に対するリスペクトだと思うのです(汗)





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Last updated  2016.02.12 07:14:13
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