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2016.03.11
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『となりの山田くん』という本を手にしたのです。
大使は、まだこのアニメを観ていないのだが・・・
とにかく、いしいひさいち原作、高畑勲監督という組み合せが素晴らしいではないか♪



ジブリ

スタジオジブリ編、文藝春秋、2015年刊

<「BOOK」データベース>より
いしいひさいちの長期新聞連載四コマ漫画を原作に、1999年に公開された『ホーホケキョとなりの山田くん』。高畑勲監督のもと、デジタル作業を駆使した制作過程も話題になった本作を、爆笑問題・太田光をはじめ、哲学者・土屋賢二や社会学者・阿部真大、中国人研究者・徐園などの多彩な執筆陣が読み解く。

<大使寸評>
大使は、まだこのアニメを観ていないのだが・・・
とにかく、いしいひさいち原作、高畑勲監督という組み合せが素晴らしいではないか♪

rakuten となりの山田くん


いしい氏の毒のあるユーモアについては、曰く言いがたい趣きがあるのだが・・・
そのあたりについて、同県人の土屋賢二さんが鋭く喝破しています。
さすがに哲学者と言われる由縁なんでしょうね。
p192~194
<岡山県の人>
 人の愚かしさを描かせたらいしい氏に並ぶ者はいない。登場人物の顔だけとっても、愚かとしか思えない顔だ。これほど愚かな顔を描けるのは、いしい氏の画力ならではだろうが、もしかしたら彼は賢明な人物の顔を描くことができないのかもしれない。

 山田家は特殊な人間の集まりではない。意地悪く見れば、いかなる人間も愚かである。そしてだれよりも意地悪く見ることができるのがいしい氏である。

 疑うなら、いしい氏の『現代思想の遭難者たち』に登場する哲学者たちの顔を見てもらいたい。まるで見てきたように実物そっくりなのだ。写真以上だと言っても過言ではない。しかも写真と違い、すべての哲学者をおちょくっており、顔を見ているだけで5分間は笑える滑稽さだ。いしい氏の手にかかるとどんなにエライ人物も、滑稽で欠点だらけの愚かな人物に見えるようになる。学説を批判するよりも深いところで批判している破壊的絵なのだ。

 山田家の面々の愚かしさは顔だけではない。それぞれがいちいち考えられないほど愚かな行動をするのだ。これは不思議なことではない。考えられないような愚行をするのが愚かさの特徴だからだ。

 わたしはこの漫画がジブリのアニメになるとは思いもしなかった。第一、原作のシンプルな絵がアニメになるのか想像できなかったし、いしい氏の毒のあるユーモアがジブリのメルヘン的味わいに合うとは思えなかった。

 だが出来上がった作品は見事だった。作品は自然で無理な感じがなく、気品さえある。愚かな家族の低俗な失敗を描くにはもったいないほどの気品である。洗練された音楽と画面があいまって、低俗な家族をやさしい愛情で包み込むような感じを醸し出している。「愚かさなんか包み込む必用はない」と思う人もいるかもしれないが、「賢くなければ愛するに値しない」と考える人は、駄犬や頭の悪い子の方が可愛いという事実をどう説明するのか考えてもらいたい。

 いしい氏の作品をアニメ化する場合、ふつう人間の愚かさを攻撃するようなアニメ化を考えるのではなかろうか。だが高畑監督は、痛烈な風刺をほのぼのしたアニメにくるみ、いしい氏の毒に新たな味付けをするという新しい可能性を開いている。それを成し遂げたのは、高畑監督の愚かな登場人物への共感と愛情にちがいない。

 もちろん、どんなに味付けしても、いしい氏の辛辣さはやわらぐわけではない。『となりの山田くん』の登場人物の表情は、バラエティに富んでいるが、どんな表情になっても滑稽さと愚かさは失わない。こんな絵を描くいしい氏はどこまで辛辣に人間を見ているのだろうか。一度でいいからいしい氏に質問してみたい。

 「一度でも人を尊敬したことがあるんですか?」と。

 わたしがいしい氏の辛辣な人間観を友人に話すと、その友人が言った。
 「岡山人はみんなヒネクレているんじゃないのか。内田百間しかり、いしいひさいちしかり、お前もその末席を汚している。そう言えば高畑監督も岡山出身だろう?」


それにしても・・・
岡山県玉野市出身の人とは、何故、そろいもそろって、こんなに都会的な辛辣さに溢れているのだろうか?♪

この記事も、 いしいひさいちの世界R1





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Last updated  2016.03.14 03:30:13
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