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2016.05.01
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カテゴリ: 中国
図書館で『東洋文庫ガイドブック2』という本を手にしたのが・・・・
パラパラめくると、イザベラ・バードとか近代アジアの史実とか載っていて興味ふかいのです。



東洋

平凡社東洋文庫編集部編、平凡社、2006年刊

<「BOOK」データベース>より
運命の一冊、座右の書、旅のお供に暇つぶし、小説のタネ本、老後の娯しみ…四十余人が東洋文庫とのさまざまな付き合い方を語り、解説総目録が既刊750巻の内容を簡潔に伝える。この一冊で叢書全体を見晴らしよく案内。

<読む前の大使寸評>
パラパラめくると、イザベラ・バードとか近代アジアの史実とか載っていて興味ふかいのです。

rakuten 東洋文庫ガイドブック2

先日、富岡鉄斎展を観たのだが、文人画の「文人」という言葉に微妙な違和感を覚えていたのです。

この本に、中国人の思い描く「文人」が述べられているので見てみましょう。
p44~46
<中国知識人の私的生活用具百科:原田憲雄>
 分かり切ったようで、正体のはっきりしない言葉が、世の中にはあるもので、「文人」も、その一つ。日本ではいっぱんに文筆に携わる人をさすが、中国では「隠者」と「士大夫」といった相反する概念を持つ言葉と結びつけられることもある。荒井健氏を班長とする京都大学人文科学研究所の研究班が、優秀な人材と9年の歳月を傾けて解明した報告が、大冊『中華文人の生活』で、1994年、平凡社から刊行された。その結論は次のように纏められるだろう。

 旧中国、すなわち19世紀以前の中国では、政治と文化の支配層は官僚で、彼らを「士人」とか「士大夫」といった。士人は、古典の教養と詩文の能力によって選別され、統治能力を期待される人たちだが、役人としての公的活動から離れ、私的な趣味生活に生きる場面での彼らを「文人」というのである。

 官僚には予備、すなわち官吏登用試験の受験生などがあり、後備、すなわち退職後の役人があり、それらを含めたすべてが知識人だ。趣味は琴棋書画、つまり音楽、遊技、美術など一切、ただし趣味なのだから、優れていても専門技術者ではないことが条件とされた。

 荒井健氏他が訳注し、平凡社の東洋文庫3冊本として刊行された『長物志』は、「無用の長物についてのメモ集」という意味だが、17世紀の文震亨が編集した<文人の生活美学の一覧表>というべきもの。役人の公的活動面では無用であろうが、文人の趣味生活に必要な大道具や小道具の主立ったものを分類配列して、著者の見識によって品評した本で<知識人の私的生活用具百科>といいかえることもできようか。

 もとの本は12巻で、巻一室蘆、巻二花木、巻三水石、巻四禽魚、巻五書画、巻六几〇、巻七器具、巻八衣飾、巻九舟車、巻十位置、巻十一蔬果、巻十二香茗。

 室蘆というのは建築物で、これをさらに、室蘆、門、階、窓、欄干、照壁、堂、山斎、丈室、仏堂、橋、茶寮、琴室、浴室、街径・庭除、楼閣、台、海論に分ける。総論で「山水のなかに住むのが最もよく、村落の住まいがその次、郊外の住まいはさらにその次で・・・・市井にまぎれこむとしても、門庭は風雅高潔、室蘆は清浄静寂、亨台は悠然たる士の思いをそなえ、斎閣は幽居の人のおもむきが必ずなくてはならぬ」という。優雅である。
(中略)

 今の日本の庶民の生活からは想像もつかぬ。官邸はともかく、私宅にこれだけの条件を完備できるのは、大臣でもごく一部の人だけであろう。こんなことをやっている文人とは、先に説明したように、他面で官僚であり、3年役人をすれば一生楽に暮らせるといわれた旧中国なればこそであろう。その風雅静寂な生活は、日本でなら『源氏物語』に出てくる大官たちと同様、人民を搾取し、賄賂を貪り、権力闘争に勝抜くことによって、維持されていたろうことは、見やすい道理である。

 いくら優雅であろうと、わたしなどは、そのような文人になりたいとは思わぬし、人に勧める気も毛頭ない。

 おなじ中国の知識人でも、質素な生活に耐える民間の人もあって、彼らは「隠者」と呼ばれた。隠者の中にも怪しげなのがいないわけではないが、文人にも清廉なのがいるのと同様であろう。


なるほど、文人とは人民を搾取したうえで成り立っていたのか・・・
原田憲雄さん、いいことを言うねえ♪







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Last updated  2016.05.01 00:19:30
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