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2016.05.18
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カテゴリ: 歴史
図書館で『古代東アジアと文字文化』という本を手にしたが・・・・
大使積年の研究テーマといえば聞えはいいが、関心事といえるのが「漢字文化圏」でおま♪・・・ということで借りたのです。



東アジア

小倉慈司著、同成社、2016年刊

<「BOOK」データベース>より
中国で生まれた漢字は、どのように東アジア世界に広がり受容されていったのか。文字文化伝播のありようを、政治や呪術、食文化など多様な切り口から描き出す。
【目次】
漢字文化と渡来人ー倭国の漢字文化の担い手を探る/中国秦漢・魏晋南北朝期の出土文字資料と東アジア/古代韓国の木簡文化と日本木簡の起源/古代の「村」は生きている/文字がつなぐ古代東アジアの宗教と呪術/正倉院文書の世界ー公文と帳簿/沈没船木簡からみる高麗の社会と文化/資料からみた日本列島と朝鮮半島のつながり

<読む前の大使寸評>
大使積年の研究テーマといえば聞えはいいが、関心事といえるのが「漢字文化圏」でおま♪・・・ということで借りたのです。

rakuten 古代東アジアと文字文化


紙の伝来あたりを見てみましょう。

<平安貴族が用いた高麗の紙>
 大宝2年(702)の遣唐使以降、中国文化の直接摂取が始まる。それによって日本の漢字文化に与える朝鮮半島の比重は以前に比べ弱まったが、かといって皆無になったわけではない。新羅仏教が8世紀の日本仏教に与えた影響は大変大きく、新羅の高僧元暁は仏教界のみならず日本の文化人にとっても忘れられない存在であった。正倉院宝物のなかにも新羅との交易によってもたらされた物品が多く含まれていることが明らかになっているし、9世紀の東アジア交易において新羅商人が果たした役割は高く評価されねばならないであろう。

 以上のように、朝鮮半島との文字文化交流を物語る資料には事欠かないが、紙数にも限りがあるので、ここでは平安貴族文化に与えた朝鮮半島文字文化の影響の一こまを紹介することにしたい。

 平安時代の日本文学を代表する物語として『源氏物語』がある。これはもちろん紫式部による創作であるが、そこには当時の宮中の様子が豊かに描き出されている。

梅枝源氏物語

 全54帖のうちの32番目梅枝巻では光源氏の一人娘である明石の姫君の着掌(女子の成年儀礼)、そして東宮(皇太子)への輿入れの準備の様子が描かれる。婚礼調度の一つとして準備される草紙の書写を諸方面に依頼するために、光源氏は最高級の墨や筆、そして紙を選んだ。そして「高麗の紙の薄様だちたるが、せめてなまめかしき」として、息子の宰相中将(夕霧)や紫上の父式部卿宮の子息である兵衛督、内大臣の子息である頭中将(柏木)ら青年貴族に、葦手(水草など絵の中に文字を書き込んだもの)や歌絵を思い思いに描くよう命じる。朝鮮半島の薄くて優美な紙を渡したということであろう。

 同じ巻のなかでは「唐の紙」と「高麗の紙」「ここの紙屋の色紙」とがそれに記された書体とともに対比的に記されている。それによれば、「唐の紙」はこわばっている堅い紙であり、やや硬めで一字一字の独立性の高い草書体を記すのがふさわしかった。これに対し「高麗の紙」はきめが細かくやわらかな雰囲気で、色は派手ではなく優美な感があり、おっとりした連綿体の仮名を整えて心を配って記してあるのが、たとえようもなくすばらしいという。

 さらに「ここ(日本)の紙屋の色紙」は色合いが華やかで、自由闊達な草書体を筆にまかせて乱れ書いたのが、見どころ限りないという。なお、『源氏物語』の明石巻では「高麗の胡桃色の紙」も登場する。

 東アジア世界において紙は交易品の一つであった。豊富な原材料を背景とした質の高い和紙は、中国や朝鮮半島でも高い評価を受けていたが、一方で、日本にも中国や朝鮮半島から紙が輸入され、記す内容に応じた使い分けがなされていたのである。


「漢字文化圏」への惚れこみについては、「 漢字文化圏の成り立ちについて 」でも、述べているので、ご参照あれ♪

『古代東アジアと文字文化』1





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Last updated  2016.05.18 09:47:04
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