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テクノナショナリズムに目覚めた12-R4


2016.06.05
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『杉浦日向子の江戸塾』という本を手にしたのです。
対談相手が奥本大三郎とか、田中優子とか・・・シブいというか、蒼々たるメンバーでおます♪



江戸

杉浦日向子著、PHP研究所、1997年刊

<「BOOK」データベース>より
江戸風俗研究家・杉浦日向子が、六人の仲間とともに、「ワンダーランド江戸」を案内します。

<読む前の大使寸評>
対談相手が奥本大三郎とか、田中優子とか・・・シブいというか、蒼々たるメンバーでおます♪

rakuten 杉浦日向子の江戸塾



日向子さんと奥本大三郎氏との対談を見てみましょう。
p16~21
<外飲の始まりは酒屋での立ち飲み> より
杉浦:江戸の町にお酒を飲ませるお店が広まったのは、天明(1781~1789)の頃からのようです。まず、自然発生的にぢきたのは立ち飲み屋です。それは酒屋さんが自分の店の酒を利き酒してもらおうと、店の土間の片隅にカウンターをつくって飲ませたものでした。
 店の酒の贔屓になってほしくて始めたのですが、利き酒と言ってもお金はとって、つまみは焼き味噌や座禅豆など簡単なものだけです。

奥本:日本人は宴会のときなども座ることが多いですよね。元来、立って飲むのに弱いんじゃないかな。その点、欧米人はカフェなどでもみんな立ち飲みですよ。

杉浦:江戸時代は立って飲むのが好きでした。

奥本:でも、地べたにしゃがんで飲んだり食ったりもしますね。要するに座席がないだけですね(笑)。立ち飲み屋の後に、樽を切って座る場所を持つような店ができるのですか?

杉浦:立ち飲み屋の次に登場するのが煮売り酒屋で、天秤棒を担いで行商するものと屋台、そして店を構えるものの三種類がありました。

 店では七輪と鍋と食器を用意して、軽食と酒を供していたのです。店を構える煮売り酒屋は居酒屋の原形です。開け放った間口に障子を立てかけたりする粗末なものでしたが、江戸時代後期になると縄暖簾をかける店も登場してきました。樽に腰かけてというのは時代劇によく出てきますが。実際はあまり使用例がないのです。

奥本:そうなのですか。立って飲むのが多いんじゃ、長居はできませんね。

杉浦:はい。1ヶ所で延々と続けて飲むなんてことはなかったでしょう。

奥本:鮨屋でも長居をしなかったらしいですが。

杉浦:二、三品つまんでおしまい、鮨でお腹をいっぱいにするのは野暮天です。

奥本:蕎麦屋も同じですか?

杉浦:はい。軽く一杯という感じですから、一服つける場所のようなものでした。

奥本:店にいる時間が短いわけですね。

杉浦:はい、そうです。

奥本:話は違いますが、いま駅の売店にカップ酒を置いていますよね。郊外のある店でおばさんに聞いた話ですが、その売店に馴染みのお客がいて、おばさんは階段を上がってくる足音で、そのお客が来たことがわかるそうです。で、毎朝、足音がするとカップ酒を二杯開けて待っている。そこへお客は必ず寄って用意された酒をくいっ、くいっと続けざまに空にして電車に乗るんだそうです。

杉浦:いいお話だな。私も下町の立ち飲み屋さんで河岸で働く方のいい飲みっぷりを見ました。夕方、銭湯上がりにやってきて冷や酒をくいっ、くいっとやっぱり二杯(笑)。

奥本:江戸の立ち飲み屋もそうした風情だったのでしょうね。

杉浦:そうだと思います。気取らないのがいいんですよ。立ち飲みは。

奥本:一杯では物足りないので、もう一杯。そうすれば朝飲んでも昼までもつんですよ。
杉浦:昼間飲めば夕食までもつ(笑)。

奥本:ヨーロッパのカフェやパブにも、長っ尻をするグループと、江戸と同じく一人で来てさっと飲んで出ていく人とがいます。テーブル席に座って延々とトランプをやっていたり、新聞を読んだりしている人はいますが、朝、フランスのカフェでよく見るのは、仕事へ行く前の職人さんが「白ワインの辛口」などと注文して、くいっと飲んでいく光景です。
杉浦:いいですね。


日向子さんと田中優子さんとの対談を見てみましょう。
江戸の粋が語られているが、なるほど「遊び」が入ってくるのか♪・・・関西の合理性とやや異なる気がするでぇ。
p52~56
<「百珍物」には架空の料理も> より
田中:料理屋の案内本も人気があったようですね。

杉浦:料理屋の番付はしょっちゅう出てますが、本格的に流行り始めたのはやっぱり中期以降でしょうか。

田中:遊郭から独立した料理屋が成立するのがそれくらいの時期です。料理屋でいろいろな会が催されるよになり、遊郭の客とは全然違った、食べるのを楽しむグルメというのが出てくるんです。料理屋の案内本は、江戸土産にも使われました。

杉浦:江戸ではこういうものが流行っているるって。

田中:本当に使うというより、読み物として楽しむんです。江戸に来て田舎に帰るとき大量に買っていくとか、そういうのが多かったと思います。

杉浦:江戸の料理屋案内の中によく出てくるのは「八百善」ですね。「八百善」のお茶漬けは有名でしたね。

田中:それとはりはり漬け。厳選して、一束の中から一、二本しか取らないとか。

杉浦:お茶漬け用の水も、どこかまで汲みに行く。

田中:多摩川までね。

杉浦:お茶漬けを頼んで半日ぐらい待たされてやっと来たとか。

田中:それが一両とか二両するんですよね。

杉浦:江戸って遊ぶんです。京料理の繊細な盛り付けや完成された味付けとは別のものが江戸の料理にはある。すごく汚い変なものに見立ててつくって、実は食べるとばかにおいしいというのが流行ったことがあるんです。

 たとえば、馬糞にしか見えないとか。いかにも飲みすぎて戻しちゃったみたいなものを、どんぶり鉢に入れておくとか(笑)。でも、これが食べるとめちゃめちゃおいしい。狂歌や雑俳の会ではよくそういう趣向をやりましたね。こんなことは江戸っ子しか喜ばない。上方だったらいやがられますよ。

田中:すごく江戸的だな。

杉浦:そのあたりの遊びが、江戸人の食文化に対する楽しみ方だったんですよね。

田中:いまで言うグルメとはちょっと違う気がします。食べ物を遊ぶんですよ。

杉浦:遊びと言えば、有名な「百珍物」がありますね。

田中:玉子百珍とか。

杉浦:あれには実際につくれないものが結構多いんだそうで、読み物として読まれていて、料理書としては出回ってなかったという話です。

田中:数を合わさなきゃならない。

杉浦:とてもつくれるわけがないものとか、あとは伝説の食べ物として伝わっているけれど、つくった者も食べた者もいないというのまで数に入っている。


この記事も 杉浦日向子アンソロジー 収めておくことにします。





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Last updated  2016.06.05 17:09:38
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