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2016.06.19
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カテゴリ: 経済
図書館に予約していた『限界費用ゼロ社会』という本をゲットしたのです。
シェアとか再生が、今のところ大使のミニブームである。
・・・ということで、共有型経済を提唱しているこの本は興味深いのです。



ゼロ

ジェレミー・リフキン著、NHK出版、2015年刊

<「BOOK」データベース>より
 いま、経済パラダイムの大転換が進行しつつある。その原動力になっているのがIoT(モノのインターネット)だ。IoTはコミュニケーション、エネルギー、輸送の“インテリジェント・インフラ”を形成し、効率性や生産性を極限まで高める。それによりモノやサービスを1つ追加で生み出すコスト(限界費用)は限りなくゼロに近づき、将来モノやサービスは無料になり、企業の利益は消失して、資本主義は衰退を免れないという。

 代わりに台頭してくるのが、共有型経済だ。人々が協働でモノやサービスを生産し、共有し、管理する新しい社会が21世紀に実現する。世界的な文明評論家が、3Dプリンターや大規模オンライン講座MOOCなどの事例をもとにこの大変革のメカニズムを説き、確かな未来展望を描く。21世紀の経済と社会の潮流がわかる、大注目の書!

<読む前の大使寸評>
シェアとか再生が、今のところ大使のミニブームである。
・・・ということで、共有型経済を提唱しているこの本は興味深いのです。

<図書館予約:(1/28予約、6/16受取可)>

rakuten 限界費用ゼロ社会


この本の結論のようなくだりを、第1章の冒頭あたりで見てみましょう。
p9~11
市場資本主義から協働型コモンズへの一大パラダイムシフト より
 資本主義は今、跡継ぎを生み出しつつある。それは協働型コモンズで展開される、共有型経済だ。共有型経済は19世紀初期に資本主義と社会主義が出現して以来、初めてこの世に登場する新しい経済体制であり、したがって、これは瞠目すべき歴史上の出来事と言える。

 協働型コモンズは、所得格差を大幅に縮める可能性を提供し、グローバル経済を民主化し、より生態系に優しい形で持続可能な社会を生み出し、すでに私たちの経済生活のあり方を変え始めている。

 どの親子もそうだろうが、これら二つの経済体制もおおむね協力し合うとはいえ、互いに反目することもある。そして、親である資本主義は、我が子を養育し、成熟させてやらねばならないものの、子供のほうも、親子関係が発展するなかで親のあり方を変えてゆく。

 資本主義は、共有型経済を発達を支える新たなビジネスモデルやビジネス手法を生み出せるかぎり、存在し続け、我が子とともに生きてゆくことができる。実際、私たちはすでに、一部が資本主義市場、一部が協働型コモンズにおける共有型経済という、ハイブリッド経済の出現を目の当たりにしている。

 だが、今そのごく初期の段階にあってさえ、しだいに明らかになってきていることがある。それは、10世代以上にわたって人間の本性に関する説得力のある物語を提供し、商業や対人関係や政治といった面で日々の社会生活を支える包括的な構成体系を維持してきた資本主義体制が、すでに頂点を極め、徐々に衰退し始めているという事実だ。

 新たな経済体制への転換の指標はまだ漠然としていて、事例が散見される程度だが、協働型コモンズにおける共有型経済は上げ潮に乗っており、2050年までには世界の大半で、経済生活の最大の担い手となる見込みだ。ますます合理化してゆく抜け目ない資本主義体制なら、おもにネットワークサービスとネットワークソリューションの情報収集・提供業者として、新しい経済の辺縁で栄え続け、新体制内の弱点を見つけてはそれにつけ込み、強力なニッチプレイヤーとして繁栄できるだろうが、君臨することはもはやない。

 私たちは部分的に市場を超越した世界へと移行しつつあり、しだいに相互依存の度合いを高めてゆくグローバルな協働型コモンズでともに暮らす術を学んでいるのだ。

 たいていの人には、これがまったくもって信じ難いことなのは承知している。私たちは、資本主義は空気と同じで自らの存続には不可欠であるという考え方にすっかり染まっているからだ。実際、哲学者や経済学者は何世紀にもわたり、自然を統べるものと同じ法則を使って経済パラダイムの稼動ロジックを説明しようと手を尽してきた。だがそうしたパラダイムは、じつは自然現象ではなく人間の手になるものなのだ。

 経済パラダイムとしては、資本主義は目覚しい成功を収めてきた。その歴史は、過去の経済パラダイムよりは比較的短くはあるが、良きにつけ悪しきにつけ、それが人類の歩みに与えた影響は、おそらく他のどんな経済パラダイムよりも劇的で広範に及ぶものだったと言っても差し支えないだろう・・・狩猟採集生活から農耕生活への移行を除けば。

 皮肉にも、資本主義の衰退は敵対勢力の手によってもたらされつつあるわけではない。敵の大軍が表門に押し寄せ、資本主義の殿堂の壁を今にも打ち崩そうとしてなどいない。まったく逆だ。

 資本主義体制を蝕んでいるのは、それを支配している稼動ロジックそのものの劇的な成功の結果にほかならない。資本主義はその核心に矛盾を抱えている。資本主義を絶頂へと果てしなく押し上げてきた、ほかならぬその仕組みが、今やこの体制を破滅へと急激に押しやっているのだ。


フムフム、世界は共有型経済に変わってゆくのか・・・・
著者は経済パラダイムの大転換を述べているが、その揺るぎない自信がすごいと思うわけです。

「限界費用」が出てくるあたりを見てみましょう。
p13~14
資本主義の凋落 より
 こんな筋書きを想像してほしい。資本主義体制の稼動ロジックが、あらゆる人の想像を絶するまでの成功を収め、この競争過程の結果としてこれ以上ないというほどの「極限生産性」に、そして経済学者が「最適一般福祉」と呼ぶものに至るとする。

 それは、資本主義経済の最終段階において、熾烈な競争によって無駄を極限まで削ぎ落とすテクノロジーの導入が強いられ、生産性を最適状態にまで押し上げ、「限界費用」、すなわち財を一単位追加で生産したりサービスを一ユニット増やしたりするのにかかる費用がほぼゼロに近づくことを意味する。

 言い換えれば、財やサービスの生産量を一ユニット増加させるコストが実質的にゼロになり、その製品やサービスがほとんど無料になるということだ。仮にそんな事態に至れば、資本主義の命脈とも言える利益が枯渇する。

 市場交換経済では、利益は利鞘の形で得られる。たとえば、私は作家として自らの知的仕事の成果を出版社に売り、前払い金と、将来は印税を受け取るのだが、原稿が本となって最終的な買い手に行き着くまでには、外部の原稿整理編集者や製版業者、印刷業者、卸売業者、運送・倉庫業者、小売業者の手を経る。この過程に携わる者がそれぞれ、自らの仕事に見合うだけの利幅をコストに上乗せする。

 だが、書籍の製造と流通の限界費用がほぼゼロまで急落したらどうだろう?じつは、これはすでに起こりつつある。しだいに多くの作家が、出版社や編集者、印刷業者、運送・倉庫業者、小売業者を迂回して、作品をインターネットにアップし、非常に廉価で、あるいは無料で、入手可能にしている。

 一冊一冊の販売と流通のコストはゼロに近い。コストは作品を生み出すのにかかった手間と、コンピューターを使用してインターネットに接続する料金に限られる。電子書籍は限界費用がほぼゼロでの製作・流通が可能なのだ。






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Last updated  2016.06.19 00:02:29
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