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2016.07.30
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カテゴリ: 歴史
図書館に予約していた『勝者なき戦争 世界戦争の二〇〇年』という本をゲットしたのです。
アメリカが日露戦争の真の勝者だったんだって・・・・聞き捨てならないのです。



戦争

イアン・ビッカートン著、大月書店、2015年刊

<「BOOK」データベース>より
 ナポレオン戦争、クリミア戦争、日露戦争、第一次・第二次大戦など、過去200年間に行われた「世界戦争」を仔細に検証し、その勝利の代償がいかに甚大なものであったのかを独自のアプローチで明らかにする。これまで十分に論じられてこなかった戦争における勝利と敗北の問題を探究する現代の名著。

<読む前の大使寸評>
アメリカが日露戦争の真の勝者だったんだって・・・・聞き捨てならないのです。

<図書館予約:(7/22予約、7/27受取)>

rakuten 勝者なき戦争 世界戦争の二〇〇年


日露戦争前後の日米間の動きを見てみましょう。
これを見ると、韓国内で反米意識が根強いのも分かるような気がします。
p148~150
<ポーツマス条約>
 1905年夏のポーツマスにおける交渉のほかに、日米間で進行中の事案が存在した。セオドア・ローズヴェルトは、戦勝国日本と敗戦国ロシアの間の講和会議を主宰する約1ヵ月前、アメリカ史上最大の外交使節団をアジアに派遣していた。

 陸軍長官ウィリアム・タフトに率いられた特使団は、7名の上院議員、23名の下院議員、陸海軍、各省の代表、そして大統領の娘アリス、総員70人からなっていた。特使は、遠洋定期船でサンフランシスコからハワイを経由し、日本、フィリピン、中国、朝鮮を周遊してサンフランシスコに帰港した。派遣当時、ローズヴェルトは、自ら国務長官の代理を務めていた。

 タフトのアジア歴訪の目的は、アメリカのフィリピン行政にかかわる問題を調査することにあった。途中、タフトは日本を表敬訪問し、日米関係と日露戦争にかかわる問題について協議していた。タフトは、大統領から文書を委ねられたわけでもなく、また口頭で指示を受けたという証拠も存在しないが、疑いなくローズヴェルトは陸軍長官に対して、この二つの問題に関する自身の見解を明らかにしていた。

 タフトは、1905年7月27日に日本の総理大臣桂太郎と会見した。両者は会見の中で、日米両国がそれぞれフィリピンと朝鮮半島を支配することについて正式に承認し合った。この会見の「機密」は、桂=タフト協定として知られている。会合の要訳文書を受け取ったローズヴェルトは、当然ながら、タフトの見解を「あらゆる点で」承認した。

 はすでに3月、桂首相のもとに送った若き国務省官僚ジョ-ジ・ケナンを通じて、「日本は旅順を掌握すべきであるし、また朝鮮半島も支配すべきである。この問題は、すでに了承済みである」と伝えていた。そのようにふるまうことで、大統領は、1882年に締結したアメリカ=朝鮮協定に含まれた朝鮮の保護という、アメリカ合衆国の誓約を反古にし、その代わりに日本の膨張主義を戦略的に認めたのである。

 ローズヴェルトの考えは、日本はアジアにおいて一種の「日本版モンロー・ドクトリン」を築くべきだというものであり、その核心は、帝国主義ゲームへの招待にほかならなかった。しかしローズヴェルトはこの提案を正式に支持したことも、認めたことも決してなかった。

 アメリカの歴史家ジェイムズ・ブラッドレーによれば、「日本版モンロー・ドクトリン」という構想は、1870年代にアメリカ外交官チャールズ・ルジャンドル将軍によって日本人に提案されたという。この構想は、日本政府の指導者たちに影響を与え、アメリカの事例に倣うよう彼らを鼓舞した。しかし、これは日本のために提案されたわけではなく、あくまでもアメリカの国益のために提案されたものだった。

 「スラブ民族ロシア」を含むヨーロッパ列強を危機的状況に追い込むために日本を説得し、東アジアへのヨーロッパの膨張を妨害することで、ローズヴェルトは、アメリカの通商のために中国市場の開放を可能にした。同時に、ローズヴェルトは金子堅太郎に宛てた書簡の中で、アメリカ最大の植民地であるフィリピンに近づかないよう、はっきりと日本に警告している。

 7月末の東京で、桂首相はタフトに対し、日本は1895年に中国から獲得した台湾で手いっぱいであり、フィリピンに関して何の意図も抱いていないと力強く保証した。1904年2月、ローズヴェルトは息子に個人的に宛てた手紙の中で、「日本は我々のゲーム」をしていると記しており、ローズヴェルトの見解からするならば、日露戦争とは、本質的には代理戦争だったのである。

 社会進化論者で白人至上主義の信者でありながらも、ローズヴェルトは逆説的に、日本人を「名誉白人」として受け入れていた。「日本は、アジアにおいて西洋文明の原則と秩序を理解している唯一のアジアの国家」であり、ローズヴェルトは、「皇国」日本がアジアにおける「当然の指導者」になるべきで、アメリカ合衆国の戦略的・経済的利害の擁護者であると結論づけていた。

 アメリカ大統領が1905年12月の日本による朝鮮半島保護領化を承認し、脆弱な緩衝国家であった朝鮮で暮らす人々の運命を見捨てた1910年8月22日、日本が完全に韓国併合を強行したことを手始めに、この論理は、悲劇的かつ破滅的じ、時間の経過とともに日本軍国主義を統制不能な巨大な破壊神へと変質させることになった。朝鮮半島の人々は、日韓併合の日を、「国辱の日」として記憶している。

 アメリカ政府の朝鮮半島に対するこの姿勢は、ことさらひどい裏切りであった。ブラッドレーが想起させるように、1882年に高宗が世界に朝鮮半島を開放したとき、朝鮮王朝は西側の最初の条約締結国としてアメリカ合衆国を選択した。高宗はアメリカ合衆国が、無防備な朝鮮を日本から防衛してくれるものと信じていた。
(中略)
 高宗は、ローズヴェルトがワシントンで「朝鮮半島は日本の支配下におくべきだ」と語っていたなどと夢にも思わなかったにちがいない。実際、タフトの表敬訪問から2ヵ月後、ローズヴェルトはソウルのアメリカ領事館閉鎖を命じ、無力な国家を日本軍に明け渡したのである。

 その場にいたアメリカの次席外交官は、アメリカ合衆国は朝鮮を「沈みゆく船からネズミがどっと逃げ出すように」放棄したと述べている。アメリカ政府は、日本による朝鮮支配を最初に承認した国家であり、高宗の使節が日本軍の侵攻を止めるよう懇願したとき、ローズヴェルトは冷淡にも、すでに朝鮮半島は日本の一部であるがゆえに、日本政府に対して訴えるべきだと、呆然とする朝鮮の使節団に伝えたのであった。


なるほど、日露戦争とは本質的には代理戦争だったのか・・・
アメリカの戦略性は馬鹿にできないわけで、また一つ賢くなったような気がするで♪





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Last updated  2016.07.30 08:50:03
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