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2016.08.20
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カテゴリ: アート
図書館で『浮世絵探検』という本を手にしたが・・・・
高橋さんの対談者の顔ぶれがすごいですね。企画編集の勝利とでもいうべきか♪



浮世絵

高橋克彦著、岩波書店、1997年刊

<「MARC」データベース>より
根強いブームの浮世絵、人気の秘密はどこにあるのだろうか。横尾忠則・宮地正人・荒俣宏・水木しげる・皆川博子・新宮一成といったゲストと共に、趣向を凝らしたテーマで、常識を覆す浮世絵の深層に迫る。

<読む前の大使寸評>
高橋さんの対談者の顔ぶれがすごいですね。企画編集の勝利とでもいうべきか♪

amazon 浮世絵探検


浮世絵

高橋さん(著者)の浮世絵への拘りを「あとがき」に見てみましょう。
p225~227
<あとがき>より
 浮世絵は江戸の中期から明治にかけて花開いた日本美術の一つの分野などではなく、恐らくは今の新聞やテレビ、そして広告や娯楽の役割を果たした、世界にも類のない複合メディアだったに違いない、と若い頃から確信していた。そう考えなければ理解できない奇妙な作品(たとえば鯰絵であったり判じ絵、蛸絵など)が無数にある。

 浮世絵の展覧会や豪華な画集を眺めている限りはあまり気付かないだろうが、少し興味を持って神田辺りの浮世絵商の店先で山積みされている作品をぱらぱらと捲ってみれば直ぐに分かるはずだ。われわれが抱いている絵のイメージからほど遠い作品が次々に現れる。

 画面の半分を細かな文字で埋めて歴史上の人物を紹介しているもの、ほとんどおなじ立ち構図で顔だけを取り替えたとしか思われない相撲絵、新聞記事を元に残酷な事件を再現している作品、紙を何枚か繋ぎ合わせた巨大な双六、1枚の中に小さな風景画や美人画が別々に混在している張り混ぜ絵などなど、とても鑑賞を目的としたものとは思えない作品ばかりだ。

 今はそういうものにも美意識を感じる人が増えて壁に飾ることも珍しくないようだが、製作当時は絶対に美術品ではなかったはずだ。稚拙という理由からではない。美術とは掛け離れたところにそれらの作品は最初から立っている。

 浮世絵に関心を持ちはじめた当初、私にはこれらの存在がなにを意味しているのかまったく見当がつかなかった。ただ、画集にも掲載されず、研究者からも無視されているそれらの作品に、なにかただならないエネルギーを感じた。歌麿や北斎の名作よりも凄いとはさすがに思わなかったけれど、面白い。この面白さが、実を言うと私をいつまでも浮世絵に繋ぎ留めさせる原因となった。芸術的な歌麿や北斎、広重の名作だけでは興味が3年と続かなかったに相違ない。

 浮世絵はひょっとして美術品ではないのかも知れない。美人画はポスターやブロマイドと同じもので、風景画は旅行のガイドブックと変わらないのではないか。そう気付いたのは27、8の頃だったろうか。18歳の辺りから浮世絵にのめり込んだのだから、それでも10年近くが過ぎている。その視点から見直すと浮世絵の謎が解けていく。こんなに凄い世界だったのかと改めて興奮した。

 それから20数年、私はまだ興奮し続けの状態にある。浮世絵が劇画のルーツであることに気付いたり、世界の情報メディアの先駆けであったことを知ったり、パズルや紙製のゲームの最先端に日本が位置していたことが分かってきた。浮世絵を知れば知るほど自分が日本人であることの誇りに包まれる。多色印刷だとて浮世絵が世界で最初になしえたことなのだ。情報産業やゲームの開発、アニメの完成度の高さで日本が世界を凌駕しているのはすべて浮世絵から引き継いだものである。

 その浮世絵の面白さや、そういう中にあっての絵師の才能の凄さを『へるめす』誌上で対談を掘り下げていってみませんか、と岩波書店の川上隆志氏が企画してくださった。一も二もなく引き受けたが、一つだけこちらから注文した。浮世絵に興味を持って眺めていても、研究者ではない人を、と願ったのである。話が専門的になり過ぎるのを案じたのと、より自由な発想が得られるのではないかという期待からだった。


『浮世絵探検』1
『浮世絵探検』2





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Last updated  2016.08.20 00:33:56
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