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2016.09.10
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カテゴリ: アート
図書館で『漫画の歴史』という新書を手にしたのです。
『北斎漫画』から説き起こし、今日の隆盛に至る漫画文化の軌跡をたどるという広い視野が、ええでぇ♪
個人的には、ビゴーと中江兆民との交遊が、興味深いのでおます。



漫画

清水勲著、 岩波書店、1991年刊

<「BOOK」データベース>より
漫画は、大量印刷が可能になって初めて民衆のものとなった。1830年代にパリで創刊された諷刺新聞『カリカチュール』と、同時期に江戸で大評判となった『北斎漫画』から説き起こし、今日の隆盛に至る漫画文化の軌跡をたどる本書は、諷刺画・戯画から劇画・コミックまで、豊富な図版で傑作を紹介し、巻末に詳しい人物略歴・年表を付す。
【目次】
1 諷刺画・権力・大衆ー1830年代のパリと江戸/2 「漫画」という言葉ー誕生から定着まで/3 『パンチ』と『ジャパン・パンチ』-架け橋となったワーグマン/4 自由民権期の漫画ー政治を痛撃した人びと/5 中江兆民とビゴーー漫画雑誌の謎を推理する/6 ヒーローは語るー時代を映す人気者たち/7 長篇ストーリー漫画の誕生ー岡本一平と活動写真/8 子供漫画の時代ー推進役をはたした講談社・中村書店/9 戦争と漫画ー国策遂行の要請の下で/10 大阪という発信地ー鳥羽絵から劇画まで/11 戦後漫画の潮流ーコミックの隆盛、一枚絵漫画の低迷

<読む前の大使寸評>
『北斎漫画』から説き起こし、今日の隆盛に至る漫画文化の軌跡をたどるという広い視野が、ええでぇ♪
個人的には、ビゴーと中江兆民との交遊が、興味深いのでおます。

rakuten 漫画の歴史


ビゴーと中江兆民の関係の続きを、見てみましょう。
p88~90
<新しい時局風刺雑誌を>
 長期にわたる刊行体制に自信がついたビゴーは、最後に日本人協力者の選定に入った。『トバエ』の編集顧問となったフランス人フークの意見やビゴー自身の判断からも、中江兆民が協力者に最もふさわしいと考えたのは当然のことであったろう。

<渡りに舟>
 一方、ビゴーの計画を聞いた兆民は、自由民権運動が行き詰まりを見せていたときだけに、居留地の治外法権を利用したその出版活動に興味を示した。兆民は明治の代表的思想家であるが、それと同時に革命家でもあった。言論によって世直しを図ることを理想としていたが、それが容易でない場合は力ずくで達成することを肯定していた。

 発想を変えた出版活動(秘密出版など)も当然、彼の局面打開の方策として考えられていただろう。したがって、ビゴーの雑誌企画は渡りに舟と受けとめたのである。

 何人かの仏学塾の文才ある高弟たちを動員することが、兆民の頭にうかんだ。居留外国人だけでなく日本人に政界の裏面を風刺画・風刺文を使って伝えれば、日本のジャーナリズムや自由民権運動に影響を及ぼしうると考えた。ビゴーの風刺画に匿名の風刺日本文を併載することは、一種の秘密出版活動になりうるからである。

 兆民は、幕府に官軍側が大量にばらまいた幕府軍劣勢を風刺・宣伝する木版画の威力を知っていたと思われる。また、彼はフランス留学時代にたくさんの風刺新聞・風刺雑誌を見ていた。パリ・コミューン期の風刺画ブームは去ったあとではあるが、『シャリバリ』、『グルロ』、『シャルジュ』などの風刺新聞やたくさんの風刺画集、あるいは風刺ポスターなどを見ていた。

 さらには明治16年から17年にかけて兆民は文部省から『維氏美学』を翻訳出版している。西洋美術史・西洋美術論の紹介書である。このようにヨーロッパの美術にも詳しく、風刺画のなんたるかを知っていた。そこで兆民は、ビゴーの提案した日本の大衆に売るための和訳入りの『トバエ』をつくるのではなく、日本のジャーナリストや自由民権運動にかかわる人々を対象にした日本文の添え書き入り『トバエ』をつくるべきだと提案した。ビゴーはその提案を受け入れ、兆民は匿名を条件に『トバエ』の編集に協力することを約束した。
s54(図54)

 こうして『トバエ』(図54)は明治20年2月15日、横浜居留地の海岸五番館クラブホテルを発行所にして創刊された。石板刷で月二回刊、定価80銭であった。


トバエ1

トバエ4

トバエ3

トバエの画像 より

『漫画の歴史』1





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Last updated  2016.09.10 10:40:33
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