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2016.10.06
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カテゴリ: アート
図書館で『江戸の絵師「暮らしと稼ぎ」』という本を手にしたのです。
『武士の家計簿』というベストセラーがあったが、この本は「絵師の家計簿」とでもいえるかも♪



絵師

安村敏信著、小学館、2008年刊

<「BOOK」データベース>より
収入、住まい、家族、友人、パトロン、事件、いじめ、異性関係―、探幽から暁斎まで、江戸時代絵師150人の仕事とプライバシー。江戸期の絵師事典付き。江戸文化歴史検定受検者も必携。

<読む前の大使寸評>
『武士の家計簿』というベストセラーがあったが、この本は「絵師の家計簿」とでもいえるかも♪

amazon 江戸の絵師「暮らしと稼ぎ」


第2章の2「民間絵師の稼ぎと生計」を見てみましょう。
p83~84
<池大雅の画料>
 このあたりで、民間画工、すなわち絵を売って生活しっていた人たちの稼ぎに目を向けてみたい。あまり資料が多くないので断片的な記述になってしまうが、少し触れておこう。まず池大雅である。

 大雅といえば、江戸中期に、我が国に新しい中国画が流入して生まれた南画を大成した画家として知られる。この大雅の47歳のときの作と推定されている『離合山水図屏風』がある。この屏風に中尾九朗右衛門にあてた手紙がついており、そこで画料として金500疋を受け取ったことが判明する。金1疋を25文とすると500疋は1万2500文(約2.5両)である。このころすでに名を成した大雅としては割安の画料といえよう。
大雅瀟湘勝概図屏風

 また『瀟湘勝概図屏風』は六曲一隻に瀟湘八景を描いた淡彩の中屏風だが、これにも中尾九朗右衛門あての大雅の令状が貼られている。それによると、画料は1両である。中尾氏を介すると安くせざるを得なかった事情があるらしい。というのも水戸の岡野行従編『逢原紀聞』に、大雅が淀公のために金屏風を描いたことが記されており、その謝礼として金30両を頂戴しているのだから、大雅の相場は結構高かったとみられるのだ。


第3章の3「奥絵師はどれだけ偉いのか」を見てみましょう。
p138~139
<探幽と「鬼平」との給料の差は?>
 幕府御用絵師が民間画工に比べて、社会的にどれだけ偉いのかは興味深いところだ。
 そこでまず、幕府から地位を与えられている奥絵師について、それが武家社会の階級制度のなかでどの程度のものなのかを見てみたい。

 奥絵師も時代によって地位は変わるだろうから最初に狩野探幽を取り上げてみよう。彼は後年「画壇の家康」とまで言われた江戸狩野派の創始者であり、その頂点に立った画家である。探幽の月俸は、寛永5年(1628)、27歳のときから20人扶持を与えられている。また後年63歳のときには采地200石を河内国河内郡客坊村(現、大阪府東大阪市)に賜っている。この20人扶持や200石取りが同じ武士の身分で、どの程度の階級の人と同じなのかを見てみよう。

 江戸幕府の役職は数多くあるが、たとえば小姓組番や書院番と言っても、それが一体どんな仕事をするのか見当がつかない。そこで私はまず卑近なものとして、『鬼平犯科帳』でなじみのある火付盗賊改と比べてみることにする。彼らは先手弓頭や先手鉄砲頭から選ばれ、火付盗賊改を兼務するのだという。

 先手頭は1500石高で、兼務料として十人扶持が加給されたという。したがって、探幽の200石よりはるかに高給取りだとわかる。
 つぎに、「遠山の金さん」でおなじみの江戸の町奉行と比べてみよう。町奉行は南町奉行・北町奉行があり、月番で交代した。ご存知の「遠山の金さん」は北町奉行である。この江戸奉行は3000石高とかなり高給である。

 それでは彼らの配下の八丁堀与力・同心はどうだろう。テレビドラマで「八丁堀の旦那」と呼ばれている人々である。彼ら八丁堀与力は定員50騎で、各々200石を賜り、八丁堀に300坪の宅地が与えられていた。

 探幽の200石と同格の役職がひとつ見つかった。しかし彼らの実収は1000石以上といわれたので、実質的にどうだろう。探幽もさまざまなアルバイトをしていたので実収の程はわからない。ただ、八丁堀与力は旗本ではないため将軍には御目見えできなかったので、身分としては探幽が上だろう。










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Last updated  2016.10.06 14:54:09
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