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2017.10.28
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カテゴリ: 経済
図書館で『街直し屋』という本を、手にしたのです。
先ごろ『地方を殺すな!』という本を読んだのだが、この本は衰退する地方をどうすればいいのかという視座で、対案を例示しています。
尻取り読書、あるいはチェーン読書といいましょうか♪



街

リパブリック・イニシアティブ編、晶文社、2017年刊

<「BOOK」データベース>より
人が出会い、交流し、学び、それを仕事に結びつけるために都市が機能している。しかし同時に、人々の衣食住を支える、田畑や海や山林などの豊かな地域がなければ、私たちの生活は基盤そのものが危ういものとなってしまう。都市と地域を再び結び、そのいずれにも人々が生き生きと暮らすために、現代社会の「パブリック」を問い、再構築する10人の「街直し屋」の仕事を多数紹介。まちとひとの再生に取り組み、行動しようとする人々にとって、新たな発想を生み出すためのヒントに満ちた、リパブリック・イニシアティブ初の単行本。具体事例31件を収録!

<読む前の大使寸評>
先ごろ『地方を殺すな!』という本を読んだのだが、この本は衰退する地方をどうすればいいのかという視座で、対案を例示しています。
尻取り読書、あるいはチェーン読書といいましょうか♪

rakuten 街直し屋


冒頭の提言を、見てみましょう。
p8~13
<コミュニティ崩壊の危機感>
 地方の衰退が止まらない。
 大都市への一極集中が進み、東京など大都市圏では真新しいビルが次々と建設されている一方で、地方ではシャッター商店街や駅前商業施設の閉店など中心市街地の衰退が止まらず、依然として強い閉塞感に包まれている。

 人口減少、高齢化といった「静かなる有事」は留まることなく、私たちはこれからもこの困難と戦い続けなければならない。このまま地方の過疎化が続けば、やがてインフラや公共サービスの維持すら困難な状況に追い込まれるだろう。子どもたちの世代に与える負のインパクトを可能な限り減らすために、今できることをするのが我々世代に課せられた責務なのだ。

 そもそも地方衰退の問題の本質は何なのか。
 かつて賑わいを見せていた駅前広場や昔ながらの商店街から人の姿が消えた風景は確かに哀愁を誘うが、商店街がなくとも郊外の大型商業施設やインターネットショッピングによって多くの人が買い物に困ることはない。慣れ親しんだ建物が取り壊されてコインパーキングに変わり果てた姿は、大切な思い出の品をなくしてしまったような喪失感をあるものの、街中で車を止める場所が増えてうしろ利便性が高まる面もある。

 こうした変化は時代の移り変わりが招いた一つの帰結として冷静に受け止めるべきものかもしれない。しかし、それでも何か心に強い違和感が残る。単なるノスタルジーとは違う危惧のようなものが心の中に確かに存在するのだ。

 それは、中心市街地の衰退が招くコミュニティの崩壊への恐れなのではないだろうか。 歴史上、人のコミュニティには必ず「中心」が存在してきた。古代では祭場や神殿が、江戸期の長屋では井戸端が、現代の都市では駅前がそれにあたる。コミュニティはそうした中心を自らコミュニティのシンボルとして共有し、周辺に住居や道路などを整備しながら都市を築いてきた。

 都市においてこうした中心を失うことはコミュニティの心理的繋がりや機能的結びつきを喪失させ、社会の不安定化を招く。たとえその街の人口が減っていなくとも、街の中心から人がいなくなるとコミュニティが衰退したように感じるのは、街の中心がコミュニティのシンボルとして心理的に強く作用するためと思われる。中心市街地が機能を失うということは、地域の繋がりを崩壊させる重大事なのだ。

 では、どうすれば良いのか。
 注意すべきなのは、中心市街地の再生と商店街の再生は必ずしも同義ではないということだ。
 商店街は「商業」という機能を合理化させるために生まれた都市装置である。魚屋さんと八百屋さんが離れていては毎日の買物に支障が出る。消費者は品質や金額に大きな差異が見つからない限り、できるだけ近くの店を選びたがる。そうして住宅街や他の店から離れた場所の商店は次第に淘汰され、1ヶ所に集積が進んで商店街が形成されてきたのである。

 しかし、現代ではモータリーゼーションの発達によって、たとえ距離が離れていても、買い物以外の楽しみもたくさん享受できる郊外の大型商業施設に足を運ぶことができる。あるいは、パソコンやスマートフォンで欲しい物を注文し、信じられないスピードで配達してくれるインターネットショッピングを自宅に居ながらにして行うことができる。商店街にはこうした利便性はなく、消費者を引き寄せる力を失ってしまったのである。こうした現実を無視して、昔ながらの商店街の姿を回復させることを追い求めても、望むべき結果を得ることはできない。

 ならば商店街を郊外の大型商業施設に負けない規模の商業施設にリニューアルすればいいのではないかと考える人もいるだろう。確かに、それも一つの解決策かもしれない。しかし、現実にはそれほど単純に解決できるものではない。

<人が集まる場所として捉え直す>
 商店街はそこに暮らす人がいて、そうした人たちの個人の財産によって形成された場所である。大型商業施設に建て替えるには商店主たちが大きな投資費用を負担しなければならない。補助金などを活用して負担を減らすことも可能であるが、個人として大きな債務を負わなければならないことに変わりはない。

 さらに商店主全員の同意も必要であり、もし一人でも反対者が現れれば、強制的に進めることは極めて困難だ。中心市街地の再生のためという大きな目的があっても、そこに暮らす個人に大きな負担や犠牲を強いる方法には限界がある。

 さらに言えば、商店街が郊外の大型店やインターネットショッピングに対する競争力を失ったからといって、それらに負けない強い競争力を持てば挽回できるという理屈は、地域の商店街という流通業態の特性を無視したものである。地域の商店街の本来の強みは地域住民との繋がりと商品に対する目利きや知識であった。対面販売による日常的な会話を通して生鮮品の品質、最適な調達方法などのプロとしての商品の知識や技術が個店と顧客との関係を築き、いわば商店街の一つひとつの店舗がコミュニティを生み出し、地域の中心として商店街に人々が集まっていた。

 中心市街地の再生は、商業機能の回復にばかり目を奪われず、人が集まる場所としてどう再生するかを追及することが重要なのだ。本書の筆者たちで構成するリパブリック・イニシアティブでは、これまでその具体的な方法を提言してきた。

 都市において商業施設以外に人が集まる場所といえば、学校、役所、病院、公園、駅、オフィスなどが挙げられる。こうした施設の配置を見直してみることで中心市街地の問題を解決できるかもしれない。人口減少や高齢化によって地域住民の利用ニーズも変化し、併せて都市インフラや公共施設や文化施設等の老朽化が進み、地方都市の新たな課題となっている。こうしたタイミングを捉えて、都市の適正規模を見直して施設の立地を変えてみたり、例えば市役所とコミュニティ空間、保育所と高齢者施設を合築させるなど、合理性が生れる統合の方法を探ってみるのも有効だ。


中心市街地を活性化させるための鍵については、 『地方を殺すな!』2 でも、述べられています。





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Last updated  2017.10.29 11:21:41
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