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2017.12.15
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図書館に予約していた『ヒルビリー・エレジー』という本を、待つこと半年でゲットしたのです。
トランプ大統領を誕生させたラストベルトのヒルビリーたちは、如何なる人たちなのか…わりとホットなドキュメンタリーなんだろう。



ヒルビリー

J・D・ヴァンス著、光文社、2017年刊

<BOOK」データベース>より
ニューヨーク生まれの富豪で、貧困や労働者階級と接点がないトランプが、大統領選で庶民の心を掴んだのを不思議に思う人もいる。だが、彼は、プロの市場調査より、自分の直感を信じるマーケティングの天才だ。長年にわたるテレビ出演や美人コンテスト運営で、大衆心理のデータを蓄積し、選挙前から活発にやってきたツイッターや予備選のラリーの反応から、「繁栄に取り残された白人労働者の不満と怒り」、そして「政治家への不信感」の大きさを嗅ぎつけたのだ。トランプ支持者の実態、アメリカ分断の深層。

<読む前の大使寸評>
トランプ大統領を誕生させたラストベルトのヒルビリーたちは、如何なる人たちなのか…わりとホットなドキュメンタリーなんだろう。

<図書館予約:(6/19予約、12/12受取)>

rakuten ヒルビリー・エレジー

ハンクハンク・ウィリアムズ

ヒルビリーあるいはスコッツ=アイリッシュの現状を、見てみましょう。
p8~11
<はじめに>
 私は白人にはちがいないが、自分がアメリカ北東部のいわゆる「WASP(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)」に属する人間だと思ったことはない。そのかわりに、「スコッツ=アイリッシュ」の家系に属し、大学を卒業せずに労働者階層の一員として働く白人アメリカ人のひとりだと見なしている。

 そうした人たちにとって、貧困は、代々伝わる伝統といえる。先祖は南部の奴隷経済時代に日雇い労働者として働き、その後はシェアクロッパー(物納小作人)、続いて炭鉱労働者になった。近年では、機械工や工場労働者として生計を立てている。

 アメリカ社会では、彼らは「ヒルビリー(田舎者)」「レッドネック(首筋が赤く日焼けした白人労働者)」「ホワイト・トラッシュ(白いゴミ)」と呼ばれている。
 だが私にとって、彼らは隣人であり、友人であり、家族である。

 アメリカ社会において「スコッツ=アイリッシュ」は特徴的な民族集団のひとつだ。「アメリカを旅すると、スコッツ=アイリッシュが揺るぎない地域文化を一貫して維持していることに驚かされる」と、ある著述家が書き記している。「ほかのほとんどの民族集団が、その伝統を完全に放棄してしまったのに対して、スコッツ=アイリッシュは、家族構成から、宗教、政治、社会生活に至るまで、昔のままの姿を保っている」

 文化的伝統をこのうえなく大切にする姿勢には、家族や地域に対する深い情愛や、いちずな献身という好ましい側面がともなう一方で、多くの好ましくない面もある。私たちスコッツ=アイリッシュは、外見にしても、行動様式にしても、話し方にしても、とにかく文化的背景が異なる人やよそ者を好まない。

 これから述べる私の人生を理解するには、私が自分自身を「スコッツ=アイリッシュのヒルビリーだ」と心の底から思っていることを、知っておいてもらう必要がある。

 民族意識がコインの片面だとすると、もう片面は地理的環境だ。
 18世紀に移民として新世界にやってきたスコッツ=アイリッシュは、アパラチア山脈に強く心を惹かれた。アパラチアは、南はアラバマ州やジョージア州から、北はオハイオ州やニューヨーク州の一部にかけての広大な地域だが、グレーター・アパラチア(大アパラチア)の文化は、驚くほど渾然一体としている。

 ケンタッキー州東部の丘陵地帯出身の私の家族は、みずからを「ヒルビリー」と呼んでいる。カントリー歌手のハンク・ウィリアムズ・ジュニアも、田舎の白人を賛美する「ア・カントリー・ボーイ・キャン・サバイブ」という曲で、自分はヒルビリーだと歌っている。

 グレーター・アパラチアが民主党の地盤から共和党の地盤へと変わったことが、ニクソン以降のアメリカ政治の方向を決めることになった。そして、白人労働者階層の将来がどこよりも見えにくいのもまた、グレーター・アパラチアなのである。社会階層間を移動する人が少ないことに加え、はびこる貧困や離婚や薬物依存症など、私の故郷はまさに苦難のただなかにある。

 したがって、私たちが悲観的になるのも当然といえる。驚嘆すべきは、さまざまな世論調査の結果、アメリカで最も厭世的傾向にある社会集団は白人労働者階層だという点である。
 大半が想像を絶する貧困に苦しんでいるラテン系の移住者と比べても、また、物質的な面での成功の見通しという点で白人に後れをとり続けている黒人と比べても、白人労働者階層は悲観的なのだ。

 現実というのはつねに、ある程度の皮肉を許容するものだが、私のようなヒルビリーが、ほかの社会集団よりも人生を悲観しているという事実は、何か別の事態が進行していることを示している。

 そして、実際そうなのだ。私たちヒルビリーは、かつてないほど社会的に孤立していて、その状態を次の世代に引き継ごうとしている。
 私たちが信じていることも変わりつつある、ヒルビリーの信念は教会を中心に形づくられるが、そこでは感情に訴える言葉が重視され、子どもたちが成功するために必用な、社会的サポートを軽んじる姿勢が見られる。

 私たちの多くは、労働力という面から見ると落伍者であり、よりよい機会を求めて新天地を切り拓くのを諦めてしまっている。ヒルビリーの男たちは「男らしさの危機」に直面し、その男らしさを重視する文化こそが、変わりゆく社会でヒルビリーの成功を妨げている。


カントリー&ウェスタンのファンだった大使は、早くからヒルビリーという言葉を知っていたのだがヒルビリーの実態について知らなかったわけです。
つまりは、この本のようなレポートに触れることがなかったからでしょうね。

著者のバンス氏がインタビューで 取り残された白人たち を語っています。





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Last updated  2017.12.18 02:18:32
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