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2018.01.04
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カテゴリ: 中国
図書館に予約していた『アジア辺境論』という本を、待つこと3ヶ月でゲットしたのです。
日韓の両政府はともにナショナリズムを煽るので、日韓同盟が成立する気運は見えないのです。で、お二人の対談でバカな政府につける薬を模索しようではないか。




辺境

内田樹×姜尚中著、集英社、2017年刊

<「BOOK」データベース>より
アメリカ、欧州で排外的な政治勢力が台頭する中、ロシア、中国の影響力が日増しに拡大している。米ソ対立の冷戦終結から四半世紀経ち、世界各地に複数の覇権の競合関係が生まれている。はたして、その狭間で日本が生き残るためには何が必要なのか?その鍵は日・台・韓の連帯にあり。アメリカとの一方的な従属関係を見直し、中国、ロシアなど、スーパーパワー間にある中小民主主義国家同士の協力関係の構築はいかにして可能か。世界史レベルの地殻変動と戦後の平和国家的な国のあり方を蹂躙する近年の日本の政策を目の前に、リベラルの重鎮ふたりがその理路を提示する。

<読む前の大使寸評>
日韓の両政府はともにナショナリズムを煽るので、日韓同盟が成立する気運は見えないのです。で、お二人の対談でバカな政府につける薬を模索しようではないか。

<図書館予約:(9/20予約、12/26受取)>

rakuten アジア辺境論


「第3章 アジアの連携を妨げる確執をどう乗り越えるか」で国民国家の統合が語られているので、見てみましょう。
p172~175
<「確執」はグラスルーツの人的交流で>
内田: 日韓台三国はそれぞれが抱えている問題にも共通点があるし、よく見るとお互いを横目で見て、触発し合っていますよね。たとえば学生デモがそうだったでしょう。

 2014年に台湾で学生たちが立法院を占拠した「ひまわり学生運動」があって、その半年後には今度は香港で「雨傘革命」のデモがあって、その半年後の2015年には日本でSEALDsのデモが始まった。そして16年には韓国で100万人のデモがあった。台湾、香港、日本、韓国と半年おきくらいに学生たちを含む大きな街頭活動があった。これは偶然ではないと僕は思います。学生たちは横目で見ていて「韓国でできることがどうしてうちではできないのか」と思ったんですよ。

姜: ああ、そうでした。そういうつながり方していますね。
内田: 隣国の出来事に反応して、あの国でできることだったら、うちだってできるはずだと思うんです。日韓台と香港には、そういう種類の心理的なつながりがあると思います。

姜: たしかにそれはありますね。やっぱりそういう現象って、互いの民主的な感度が呼応し合っているのかもしれない。

<文化を背景にした国民国家のゆるやかな統合>
内田: ローレンス・トーブさんというアメリカ人の未来学者がいて、もう20年以上前になりますけど、『3つの原理』という本を書いた。その中で未来の世界についてあれこれ予言をしているのですけれど、その中で日本、中国、南北朝鮮、台湾、香港、マカオといった地域はいずれ「儒教圏(confucio)」という共同体を結成するだろうという予言をしているのです。これらの国や地域はもともと漢字文化圏であって、儒教、仏教、道教といった宗教的な共通性を持っているから、共同体を形成する条件は十分にあるというのです。

姜: ふーむ。 予言的な推察ではありますね。

内田: 『3つの原理』は、ハンチントンの『文明の衝突』が出る前に書かれたものなのですが、そういう構想って必ずどこかにあるのですよね。国民国家がいつまでも自国益を追及する国際政治の基本的なプレーヤーであるという形は、基礎政治単位としてはもう機能しなくなっている。とすると、ある程度大きな、国民国家を緩やかに統合したものが政治単位になって、それが国際社会を形成する。そして、その下にまたいくつかの政治単位が分割して自治的な政治・統治機構ができる。そういう仕組みに移りつつあるという予測はかなり蓋然性が高いと思うのです。

 この間ツイッターで見て笑っていたんですが、国境線変更でアメリカのカリフォルニアとワアシントンとニューヨークとオレゴン州とかが、カナダに入ってしまうという話。

姜: へえ、カナダにしてしまうんですか。おもしろいな。

内田: アメリカのリベラルな州をカナダに入れて、首相はジャスティントルドーでという話。でも、国境線の変更がたとえジョークであっても出て来るというのは大きな変化ですよね。だって、アメリカとカナダの間の直線的な国境線というのは明らかに人為的にきめられたものなのですから。自然発生的にカナダとアメリカという国があったわけではない。この辺で線を引っ張ってしまおうかというので線引きしたわけですからね。ということは、国境線というのはこれから先、変更可能なのだということが、何となく無意識のレベルで起こっているのですよ。

姜: そういう分断線が変えられるということが実感としてわかることがだんだん増えていくと、僕も何となく感じているんです。決して越えられない線引きではない。

内田: 中田考先生は中東における国民国家の領域というのは、あれは全部フィクションなのだと言っています。あの政治的な虚構を解体してカリフ制を再興する。この新しいオスマン帝国がひとつの政治単位っとなって、他の帝国と交渉する。帝国内部は下位に分類されて、そこに緩やかな部族集団や宗教集団が連邦的に共生する。たしかに、今起きている内戦やテロの問題を作って、一国多政体で、あとのことは合議で決めましょう、と。そういうアイディアをいろいろな方がそれぞれの立場で言い出していると思います。

姜: ええ、今回我々が話してきたのは、その帝国周辺に位置するニッチな国で連携を組み、アジアの共同体を作ろうということなのですよね。

ウーム 時代錯誤を通り越して、なんか新手の「東アジア共同体構想」の観があるではないか♪


『アジア辺境論』1 :独裁者
『アジア辺境論』2 :トランプのアメリカ
『アジア辺境論』3 :東アジアの辺境国家
『アジア辺境論』4 :韓国での漢字復活
『アジア辺境論』5 :日韓の対立
『アジア辺境論』6





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Last updated  2018.01.04 00:02:48
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