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2018.02.24
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カテゴリ: 気になる本
図書館へ予約していた『飯場へ』という本を、待つこと約4ヶ月でゲットしたのです。
ぱらぱらとめくると、おもに土木建築の労働に関して、著者が体を張ってレポートしていることがうかがえます。写真も多いし、まさにフィールドワークである。



場

渡辺拓也著、洛北出版、2017年刊

<「BOOK」データベース>より
職場の共同性をどんどん切りつめていく理不尽な圧迫を、私たちは、どのように押し返せばよいのだろうか。本書は、飯場の一人ひとりの労働者が置かれた関係性に注目し、この問いに迫る。どういうルートで飯場に入るのか、どんな労働条件で仕事をするのか、どんな暮らしをおくるのか、どのような人たちと出会い、そして飯場を出て行くのかを、「僕」の飯場体験にもとづいて詳しく描き、考え抜いている。

<読む前の大使寸評>
ぱらぱらとめくると、おもに土木建築の労働に関して、著者が体を張ってレポートしていることがうかがえます。写真も多いし、まさにフィールドワークである。

<図書館予約:(10/07予約、2/23受取)>

amazon 飯場へ


飯場とは何かを、見てみましょう。
p18~20
<寄せ場の変容と飯場への注目>
 飯場とは、言葉通りにとれば、建設労働者のための作業員寮を指すが、実際には「飯場制度」とでも言うべき、労務手配・労務供給の仕組みである。ドヤ街をともなう寄せ場を飯場になぞらえて、「巨大な飯場」、「共同飯場」、「予備飯場」などと呼ぶのは、労働市場としての寄せ場の性質が、飯場制度の影響下にあることを物語っている。

 寄せ場の仕事のなかに飯場があるのではなく、飯場制度の下で、労働力調達手段の一つとして寄せ場が活用されてきたと見るのが適切である。そして、1990年代の寄せ場の衰退の原因を探る議論のなかで、飯場に注目が集まったのは、半ば必然的なことであった。

 1980年代末にピークに達した寄せ場の求人数は、1990年代始めに激減した。この求人数の減少は、当初、バブル崩壊の影響ととらえられたが、次第に、単なる景気後退によるものではないと考えられるようになった。寄せ場の変容にまつわる議論は、大きく「就業構造の変動」論と「飯場の巨大化」論の、二つの系統に分けられる。

 まず、「就業構造の変動」論である。建設産業における釜ヶ崎の日雇い労働力への「需要の構造」が変化したこと、その背景として、業界全体での若年労働者の新規流入と常用雇用者の増加といった傾向が、統計データを元に確認されている。

 また、建設産業全体で「多能工」が進展したと言われており、若年労働者や常用雇用者の増加に、この「多能工化」が影響しているとも考えられる。バブル崩壊後の寄せ場では、多くの労働者が野宿生活に追い込まれていた。しかし、現場に行けば仕事はたくさんあり、同時に、若年層の建設労働者が非常に多いことが目についたという。つまり、若年労働者や技能労働者の募集は、寄せ場とは別の労働市場を通して行なわれており、技能労働者の養成や囲い込みも、そうして集められた労働者に対して行なわれていることになる。

 もう一方の「飯場の巨大化」論は、寄せ場の衰退を背景に、飯場の巨大化と飯場網の拡大の進行を見る。飯場の労働力は、出稼ぎ労働者と寄せ場労働者によって集められてきたが、これらの労働者の高齢化、スポーツ新聞の求人広告蘭による労働力の吸収や、1980年代後半からの外国人労働者の流入などの結果、職場の巨大化が起こったと推測される。

 また、1980年代から1990年代に建設労働の現場で進行した管理強化の中で、「寄せ場労働者のような身分不詳の労働者が排除される」一方で、「飯場が労働者を形ばかりの『社員』とすることで身分不詳の労働者に『所属』を形式的に与える」ようになったとも言われている。野宿者を狙って求人する労働条件の劣悪な飯場も存在している。このように、飯場がありとあらゆる方面に労務手配の手を伸ばしており、その内実を多様化させていることがうかがえる。


『飯場へ』1





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Last updated  2018.02.24 09:41:15
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