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2018.03.30
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カテゴリ: 歴史
図書館で『縄文の思想』という新書を手にしたのです。
岡本太郎が縄文の美を発見して以来、われわれは常に「縄文性」が気になっているのではないか?



縄文

瀬川拓郎著、講談社、2017年刊

<「BOOK」データベース>より
アイヌ・海民・南島…。縄文は、生きている!!!われわれの内なる「縄文性」に迫る、まったく新しい縄文論。

<読む前の大使寸評>
岡本太郎が縄文の美を発見して以来、われわれは常に「縄文性」が気になっているのではないか?

yodobashi 縄文の思想


生態系の「あわい」に生きた北海道の住人を、見てみましょう。
p67~70
<「あわい」に生きる>
 弥生時代を迎えた本州は、熱帯に起源をもつ水稲耕作という「南の生態系」の文化に塗り替えられていきます。本州の縄文人はもともと植物食への依存が大きかったため、植物の採集から栽培への移行に強い違和感はなかったのかもしれません。

 しかし北海道の縄文人は、陸海獣や魚類が豊富な「北の生態系」のなかで、「旧石器的生業体系」を持続していきます。

 それは「南の生態系」の人びとがもたらす鉄器、コメ、南島産貝輪などを入手するため、「北の生態系」が生みだす陸獣や海獣の毛皮が大きな意味をもつことになったからです。

 北海道縄文人は、伝統的な「旧石器的生業体系」を持続しながら、そのことによって異文化の産物を入手することが可能だったのであり、もともと植物食への依存が大きくなかったこともあって、農耕を積極的に導入する意味はなかったのです。

 その後の北海道の人びとは、基本的に日本の物流や経済圏のなかで生きていくことになりますが、これについては海の生態系という「南の生態系」が深くかかわっていました。 北海道は、道東の太平洋沿岸をのぞいて、東シナ海から日本海を北上する対馬海流にとりかこまれています。海流、つまり海上交通からみた北海道は本来、南の生態系に深くくみこまれた世界なのです。

 このことは、北東アジア的な世界である北海道がなぜ縄文文化圏に属し、北海道と同じ生態系をもつサハリン南部がなぜ縄文文化圏に属さないのか、という疑問を説明するものでもあります。

 幅約40キロメートルの宗谷海峡で北海道と隔てられたサハリンは、稚内市からその島影をはっきりとみることができます。サハリンと北海道は、両生類、爬虫類、蝶類の一部にちがいがみられるとされ、宗谷海峡には八田線という生態環境線が提唱されています。しかし、この八田線は見直しや訂正も加えられてきており、少なくともサハリン南部と北海道のあいだには植物相や動物相の大きなちがいはありません。

 しかし、縄文時代にはサハリンと北海道の交流はほとんどなく、そのためサハリンが縄文文化にふくまれることも、北海道がサハリンの文化にふくまれることもありませんでした。このことは、海流という海の生態系を考慮しなければ、容易に理解しがたい事実なのです。

 北海道は、北の生態系と南の生態系が重なりあった日本列島の「あわい」の世界です。北海道の人びとが、本州の人びととは異なる道をあゆみながら、同時に本州の人びとと濃密な関係を保ってきた理由は「あわい」という北海道の生態系の特性に由来するものだった、と私は考えています。

<続縄文人の劇的な変化>
 弥生時代と古墳時代の北海道は、引き続き縄目文様の土器がつくられることから、続縄文時代とよばれています。さらにこの続縄文時代は、弥生時代並行期を前期、古墳時代並行期を後期とよんでいます。

 この弥生時代にあたる続縄文時代前期の北海道は、農耕を受け入れなかったため、縄文時代の社会がそのまま続いていたとされてきました。しかし、続縄文人(続縄文時代のアイヌの祖先)の社会には劇的な変化が生じていた、と私は考えています。

 弥生時代前期末になると、東日本になかでもっともはやく青森県の弘前市砂沢遺跡で水田が営まれます。これは西日本の弥生文化が、日本海経由でダイレクトに本州北端へおよんだことを示していますが、それと並行して、北海道では大型魚の漁や海獣猟への特化が生じます。

アイヌは、続縄文時代のような狩猟・採集生活を継続していたのかも知れませんね。
ジャレド・ダイアモンド教授も、農耕に頼らない縄文人の社会は従来の文明論を根底から揺さぶっていると言っているが・・・
このところ、この本が言う「縄文性」が気になっているのです。





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Last updated  2018.03.30 01:04:48
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