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2018.06.22
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カテゴリ: アート
図書館で『サン=テグジュベリの世界』という本を、手にしたのです。
ずばり『サン=テグジュベリの世界』という本を借りたのだが・・・
この本で砂漠に触れたあたりが、大使のツボを打つわけです。





リュック・エスタン著、 岩波書店、1990年刊

<「BOOK」データベース>より
星辰は頭上に広がり、眼下の大地には親しい灯が点在する。この文明社会に人間の絆をどう創成するか、その結び目はどこにあるのか。中空の闇をゆくパイロットは、しばし瞑想し、ときに星と対話する。『夜間飛行』『人間の大地』『戦う操縦士』と書き継いだこの『星の王子さま』の作家は、地中海洋上に消え去るまで思念を深くめぐらした。このユニークな行動する文学者の世界を、その全作品からの引用を自在に交えて、あますところなく論じた。本書は、サン=テグジュペリの文学を語るとき、逸することのできぬ定評ある古典的名著である。

<読む前の大使寸評>
ずばり『サン=テグジュベリの世界』という本を借りたのだが・・・
この本で砂漠に触れたあたりが、大使のツボを打つわけです。

rakuten サン=テグジュベリの世界



サン=テグジュベリが「砂漠の君主」と呼ばれる由縁あたりを、見てみましょう。
p27~31
子どもの王子さまから大人の族長へ
 サント=クロワ学院の同級生たちは、彼を《月刺し槍》とあだ名していた。上向きの鼻のせいだったが、おそっらくはまた、月が象徴する夢想癖と、さらにはむら気のせいだった。しかし、彼らが知らずに予言していた、ひとつの天職にほかならぬもののせいでもあったのだ。

 のちにモール人たちは、キャップ・ジュビーの中継基地の飛行場長に、《砂漠の君主》という称号を与えることになる。彼らに深い印象を与えた、勇気と、騎士道精神と、礼節のためである。しかし彼らは、自分たちが予言をおこなっているのだということをどうして見抜くことができただろう?

 つまり、この君主という称号は、その時点においていかに妥当なものだったにせよ、その砂漠の王という表象が、『城砦』の作者によって、おのれとの内的類似にもとづいて造型される将来においてこそ、さらにふさわしいものになるということを。
 ないしは、彼との類似のあるものにもとづいて。

 このように、あだ名というものは、それがからかいに堕落するときでさえ、ある人間の真実を表現する場合があるのだ。

 家の芝生からサハラ砂漠まで、太陽の壮麗さの印璽を押したサン=テグジュベリの肖像が確認される。彼自身にしても、あちこちでその肖像を否認する理由を見出さなかったのである。それにひきかえ、月に関するあだ名には悔しがり、大人になっても、ひとがそれを持ち出すと苛立った。
(中略)

 子どもの王子さまから大人の族長まで。それら対照はこんなふうに要約できるかもしれない。驚嘆の能力から確固とした観念まで、揺れ動く夢想から凝結した象徴まで、束の間のものの魅力から永遠なものの峻厳さまで、自由にゆだねられた生から秩序に服した生まで、あるがままのおのれで充足する心情から、おのれがありたいと欲するものに苦しむ魂まで、みずみずしさから硬化した感覚まで、優しさから厳しさまで、子ども時代の軽やかさから老年の道徳まで・・・というふうに。

 まだつづけるべきか。あるいはサン=テグジュベリ流にひとつの物語を語るべきか。いや、ただ単に、比類のない語り口で彼が語ってくれたエピローグに、もうひとつ別のエピローグを想い描いてみるべきなのだ。

 黄色いヘビがくるぶしを咬むと、ご記憶のことと思うが、王子さまは音もなく砂の上に倒れる。そして彼はそのままになる。このことは、彼が「もう死んだような様子」以上になったことも、毒のために永遠に起きあがれなくなったことも意味しはしない。彼が友人の飛行士にすべての真実は明かさなかったことを意味しているのだ。

 相手につらい思いをさせないために。また、飛行機の故障がなおったら、飛行士というものはふたたび飛び立たなければならないのだから。それに結局、大人たちというものは、たとえ飼いならされたキツネの告白を伝えられたとしても、すべてを理解することはできないのだから。
(中略)

 ある日、子どもの王子さまは大人の族長に脱け変わった。これがすべてだろうか? そうではない。飛行士の特殊な事態というものもある。彼が王子さまに出会ったのは、砂漠に不時着したときのことである。だから、彼が蜃気楼の魅惑に屈したのだと信じる理由は十分にある。まやかしの幻影のではなく、本物の蜃気楼の魅惑に。砂のうえに投影されていたのは、彼の内的地平の像であり、彼は自己自身のうちに自己を映していたのだ。「じゃあ、きみも、天からやってきたんだね!」もちろん、彼らはいっしょに天から落ちたのだ。「どこの星から来たの?」言うまでもなく、同じ星からだ。



この本も サン=テグジュペリの世界R3 に収めておくものとします。





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Last updated  2018.06.22 01:40:59
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