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2018.06.26
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カテゴリ: アート
図書館で『ゴヤ/銅版画集』という本を、手にしたのです。
数多くの多彩な銅版画に圧倒されるのだが・・・
いずれの絵にも、どういうわけか現代的な視点が感じられるわけで、その理由が知りたいのです。





フランシスコ・デ・ゴヤ著、岩崎美術社、1971年刊

<「BOOK」データベース>より
データなし

<読む前の大使寸評>
数多くの多彩な銅版画に圧倒されるのだが・・・
いずれの絵にも、どういうわけか現代的な視点が感じられるわけで、その理由が知りたいのです。

amazon ゴヤ/銅版画集


そして彼らは野獣のようだ

大間抜け

連作銅版画の解説を、見てみましょう。
p1~3
<解説:西垣雄太郎>
 ゴヤの活躍した時代はそれほど遠くないのに、彼の足跡をたどってみると、とにかくとぎれがちになる。彼の場合、日常の生活にも性格にも、どうもすっきりした全貌がとらえにくい。ここに見る連作銅版画の内容そのものについても、あまりにも不明なものが多すぎる。

 一般に、偉大なる芸術家は、常に真実なる何ものかを創造するが、彼がその真実なる何ものかをどう感じていたか、それについては必ずしも多くを語ってはくれない。ゴヤもまた、おそろしく何ごとも語ろうとはしない。彼が残した書簡からは、彼が抱いていた芸術についてのもろもろの理論や、その理念など、何一つとして知ることは出来ない。

 ゴヤが、どの国の人びとにも親しまれている事実は、彼が現代絵画の先駆者であったからではなく、私たち現代人が彼に感じる肌合いの近さであり、彼の作品に感じられるその身近さは、彼が創造した芸術的構造がどうであったかなどよりも、その性格と生活にもとづいている。たしかに、彼はおびただしい作品を残しているが、私たちがゴヤを知るためのもっともしっかりした道案内は、彼の人生そのものである。彼の人生を知ることによってこそ、人は始めてゴヤの芸術に一歩でも近づくことが出来る。
(中略)

 ゴヤが1746年にスペインに生まれ、しかも、海洋から遠く孤立した特異な世界のアラゴンの山野で育った事実こそは、ゴヤの性格や行動、そしてその現れである作品の、背骨を形成する2つの基本的な要素であった。

 1766年のマドリードの暴動。1789年のフランス大革命。1805年のトラファルガー海戦、スペイン海軍の壊滅。1807年のナポレオン軍のスペイン進駐。

 18世紀の末から19世紀の初めにかけて、スペインの歴史の中でももっとも混沌とした、その混乱の時代の狂態的な世相を反映して、当時のスペインの芸術家に共通した性格は、自由奔放、気まぐれで、落ち着きのないことであった。ゴヤの連作銅版画もまた、こうした共通分母的な<時代心理>の基盤の中にはぐくまれていたと考えられぬであろうか。ゴヤ伝説をいろどるローマン的な冒険物語も、言ってしまえば、当時の画家にとっては、日常茶飯の出来事であったにすぎなかった。

 一方、すべてに勤勉で、疲れることを知らず、寡弁で、傲慢で、頑固で、気短かで、闘争において惨虐であった、山国根性のアラゴン的気質もまた、ゴヤが生まれながら備えていた<風土的環境>であった。

 まことに、人の性格には、一般に信じられているほどには、多くの変形は存在せず、ゴヤの場合でもまた、彼が持って生れた<世紀と土地の本能>から、連作銅版画《カプリチョス(気まぐれ)》や《デザストレス・デ・ラ・ゲラ(戦争の惨禍)》が生れたのではなかろうか。いわば彼の作品は、そうした時代の持つ広汎な社会的風潮と密接に結びつけ、あるいは、社会の集団的心理現象の中にその本源を求めてこそ、始めて理解出来るもののようである。





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Last updated  2018.06.26 08:07:30
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