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2018.06.28
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カテゴリ: 中国
図書館で『かぐや姫はいやな女』という本を、手にしたのです。
シーナがエンタメ系SFの能力を遺憾なく発揮した本になっておるようです♪
・・・さすがにプロはちがうぜ。





椎名誠著、新潮社、2016年刊

<「BOOK」データベース>より
なぜ、かぐや姫はあんなに高慢で、饅頭はそんなに怖かったのか?オトギ噺に憤怒し、波を眺めて酒を呑み、旅を語ってトイレを憂う、哄笑と懐旧のエッセイ集。

<読む前の大使寸評>
追って記入

rakuten かぐや姫はいやな女

三峡ダム

シーナが世界水戦争を語っているので、見てみましょう。
p242~245
■悶える中国
 水不足が深刻になっている国は沢山あるが、日本に直接影響をもたらす状況にあるのが中国である。

 中国にはよく知られるように揚子江と黄河の二大河川があるが、今、この黄河近隣が水飢饉にあえいでいる。黄河沿岸は広大な農作地帯だが、その灌漑用水のため、上流から中流域での水使用が年々増大し、下流域まで流れてくる水の量が激減した。

 そこにさらに中国人の、独特の生活習慣がからむ。たとえばゴミだ。中国人はどこへでも平気でゴミを棄てる。道路はゴミ捨て場だ。中国の田舎の町にいくとありふれて目にするのが朝のゴミ掃除の風景である。商店街などは自分の店の前のゴミを掃除するのが朝の最初の仕事だ。乾燥している季節など、朝がたそれぞれの店の人が自分の店の前のゴミを掃いている埃で街全体がかすんで見えたりするほどだ。

 川があるところでは、それらのゴミは全部川に棄てられる。川ほど楽なゴミ投棄流出装置はない。中国じゅうでそんなことをしているから、川は人口増加とともに、巨大なゴミ排出路となり、支流のゴミがどんどん大河に集まってくる。

 黄河は、この数年で何度か水量枯渇とゴミの堆積によってその流れがとまってしまったことがある。川の水が海にまで流れていかなくなってしまったのだ。それも河口から200キロも上流あたりでとまってしまう、というのだから、もう大河のていをなしていない。揚子江のほうは、黄河よりも上流からの水がまだ豊富なので、いまこの揚子江から黄河にむけて三本の運河を作っている。

 要するに水を分けようとしているのである。すでにそのうちの一本は開通しているが、その距離が半端ではない。青森から福岡ぐらいの距離の運河なのだ。これをわずか数年で作ってしまった。このへんは共産圏の強みで、国土は全部、国のものだから、運河にしていく土地の買収という時間と手間のかかることは必要ない。
 あと二本の運河が開通したら黄河の水量は蘇るかもしれないが、そこにまた新たな問題がある。

 揚子江はその上流域に大がかりな国策事業として世界で一番巨大な「三峡ダム」を作った。ダムの堤長が2309メートル。せき止めた川の長さが660キロ。そこに393億立方メートルの水を溜めた。

 けれど大きいダムには問題がある。巨大な量の水を長く溜めておくと必ず塩分とシルトが蓄積されていく。シルトとは砂泥。黄河の「黄」はシルトのことである。これが揚子江にもあって水の質を悪化させる。さらにダム湖の下に沈められた130万人住んでいた街々はそのまま放置された。そこには考えただけで気の遠くなる、中国式ため込み便所や病院の廃棄薬品、工場の廃棄物質などがあった。これらの溶けた水が黄河に供給されたとして、はたして黄河が生き返るのか、ちょっと見当もつかない。

■日本の森林が危ない
 ぼくが水問題を取材している折にしばしば不安に感じていたのは、日本の水に対する無頓着…というより無防備、無策ぶりだった。冒頭書いたようにそれこそが、日本が恵まれすぎている結果なのだろうとぼくは推測した。

 世界はやがて「水略奪戦争」に入ろうとしている渦中にあって、海外の資本が日本の水に目をつけて、すでに様々な策略で日本の国土に入り込んでいる例を各地で聞いた。とくに北海道や東北でそういう話が多かった。

 典型的な例は、よく事業目的のわからない企業が山林の持ち主を訪ねて山を買おうとするケースである。それらの多くはどうもダミー会社のようで、目的が明確でないまま山をいくつも買いたがる。通常価格の10倍ぐらいの値を切り出すケースもあるという。

 林業が低迷している今、使いみちのない山林を抱えた地主にとってはまことにおいしい話だ。すでに買われた山が沢山あるようだ。
 やがて少しずつ、この山林買い付けの背後が見えてきた。今のところ中国やヨーロッパの企業が日本の企業と合併でダミー会社を作って買っているらしい。目的は「水」なのだろう。日本百名水などと言われるように、日本には豊富な地下水がいたるところに存在する。

 山林を買ってその下を流れている水をどんどん採取して、衰退する石油産業で必用なくなったタンカーにそれらの水を積んで持って帰れば、それはたちまちミネラルウォータービジネスにかわる。要するに「水寄生システム」のようなものだ。


『かぐや姫はいやな女』2 :シーナの探検記
『かぐや姫はいやな女』1 :エイリアン・かぐや姫の地球侵略





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Last updated  2018.06.28 00:41:46
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