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2018.07.20
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カテゴリ: 歴史
図書館で『敵機に照準』という本を手にしたのです。
渡部洋二氏といえば・・・
今次大戦の戦闘機、「雷電」とか「二式水戦」などについて、いろいろと渋い著作を出している作家である。
ということで、飛行機オタクのツボが疼いたのです。





渡辺洋二著、潮書房光人新社、2016年刊

<「BOOK」データベース>より
戦闘機や爆撃機を筆頭に、たいていの攻撃用機は射撃、爆撃、雷撃などのための照準器(陸軍は照準具)を備えている。あやまたぬ照準が命中と破壊をもたらし、敵戦力の消耗が戦局の好転につながる。どれほど雄大な戦略、巧妙な戦術を抱いていようとも、個々の戦場での具体的勝利がともなわなくては、画餅でしかない。

<読む前の大使寸評>
渡部洋二氏といえば・・・
今次大戦の戦闘機、「雷電」とか「二式水戦」などについて、いろいろと渋い著作を出している作家である。
ということで、飛行機オタクのツボが疼いたのです。

rakuten 敵機に照準

雷電2

雷電で初戦果を上げた三五ニ空を、見てみましょう。
p10~15
■開隊前後の三五ニ空で
 松尾上等飛行兵が同期生3名とともに、7月初めに長崎県大村基地にやってきたとき、部隊の名はまだ佐世保空・大村分遣隊で、任務は零戦の練成と佐世保鎮守府管区の防空にあった。

 中国大陸奥地のB-29の北九州爆撃と、マリアナ諸島サイパン島の陥落まじか(B-29の基地化)により、後者の防空戦闘機部隊への改編が進みつつあるころだった。

 まだ佐空・大村分遣隊の装備機は零戦ばかり。それも古い二一型が多く、三二型、二ニ型が少数で、第一線機の五二型は見当たらなかった。訓練を命じられた松尾上飛は、翼面荷重が小さくて楽に乗れる、二一型での慣熟飛行を開始する。

 8月1日付で佐空・大村分遣隊は改編され、第三五ニ航空隊として独立した。三00番台は局地戦闘機と夜間戦闘機を装備する防空部隊だ。飛行隊長は飯塚雅夫大尉から神埼国雄大尉にかわり、昼間戦闘機の分隊長に次席の杉崎直大尉が補職された。

 神埼大尉は先任下士官の名原安信上飛曹とともに、新たに導入する「雷電」の講義と操縦訓練を、7月に厚木基地の三0二空で受けていた。とはいえトップとしては、機数が多い零戦の甲戦隊の指揮を担当するのが順当で、まだ少数の「雷電」の乙戦隊は杉崎大尉が率いるように処置がなされた。

 草薙部隊と別称が付いた三五ニ空が、初交戦に至ったのは8月20日。このときは甲戦隊と「月光」の丙戦隊だけで、可動機が皆無の乙戦隊は出られなかった。十月25日には乙戦隊から二個小隊8機が上がって、杉原小隊の名原上飛曹がB-29一機に火を、もう一機に煙を吐かせたと報告し、「雷電」の初戦果を上げている。

 名原兵曹は神崎飛行隊長とともに、隊内で最初に「雷電」に乗った搭乗員だが、それよりも1年半ちかく前の横須賀空で、試作の十四試局地戦闘機をテストしていた一木利之上飛曹が、八月上旬に二六三空から転勤してきた。一木兵曹を区隊長に加えた邀撃戦は11月21日である。

 大村の海軍機生産工場・第21航空廠をねらったB-29群は、高度がさして高くなく、乙戦隊から出動した16機はよく戦った。「雷電」が葬った3機のうち、1機は一木区隊長の単独撃墜、もう1機は名原区隊長と三宅淳一上飛曹が共同撃墜したものだから、二人の区隊長の優れた技量が知れよう。

 この時点で松尾上飛はまだ零戦の操訓中で、作戦出動の搭乗割りには入っていなかった。

■「雷電」、悪くないぞ
 8月のある日のこと松尾上飛は、名原上飛曹の部屋に呼び出された。上飛曹は腕は立つが、下級者に意地が悪いと思わせる先任下士官だった。上飛もにらまれていて、重い気分でドアを開けると、室内にいたもう一人の上飛曹がすっと立ち上がって言った。
 「松尾さん、同県人なので、この部隊でよろしく頼みます」

 松尾上飛はびっくりした。先任下士の部屋にいるなら、二人は同格なのだろう。最下級の搭乗員と言っていい自分に、古参上飛曹が立って敬称、敬語で話しかけるとは!
(中略)

 それから4ヶ月ほどたった12月1日付で特乙二期は飛行兵長に進級。まもなく、仲がいい栗栖幸雄飛長から「『雷電』へ来んか。『雷電』の方がいいぞ」と誘われた。彼はすでに11月6日の単機で偵察に来たB-29の邀撃から、杉崎分隊長の区隊の四番機に指名され、不時着大破まで経験していた。
(中略)

 「『雷電』ってそんなにいいのか」
 「おお、速度が速いからな」





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Last updated  2018.07.20 08:02:35
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