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2018.09.27
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カテゴリ: アート
図書館で『青豆とうふ』という本を、手にしたのです。
この本は二人がかわりばんこにエッセイを綴ったもので・・・
したがって目次のページがないのです。どこから読んでも面白い♪


【青豆とうふ】


安西水丸×和田誠著、講談社、2003年刊

<「BOOK」データベース>より
二人がかわりばんこに文と絵をかいた、楽しさあふれるしりとりエッセイ。
タイトルは村上春樹さんが付けてくれました。
描下ろしカラーイラストレーション満載!

<読む前の大使寸評>
この本は二人がかわりばんこにエッセイを綴ったもので・・・
したがって目次のページがないのです。どこから読んでも面白い♪

amazon 青豆とうふ



和田さんや安西さんのロボット談義を、見てみましょう。
p36~44
<ここから和田誠>
 映画の中の建築家は理知的でカッコよく描かれることが多い。「十二人の怒れる男」のヘンリイ・フォンダは少年犯罪を裁く陪審員の一人。11人が有罪を主張するのに対し、少しずつ疑問を提出して、全員を説得してしまう。

 夏の暑い日の物語である。彼らは裁判所の一室にこもって討議をする。冷房装置はなく、扇風機も動かない。彼らは汗だくである。

 一人だけ「私は汗をかきません」と言う冷静な男がいる。野球を見に行くので早く帰りたい男もいる。広告代理店の男は討議中に自分が考えたキャッチフレーズを披露している。

 議長役を買ってでた男は、半袖のワイシャツにネクタイをしていた。今なら珍しくもないスタイルだが、この映画が日本で公開された1959年の時点ではぼくには奇妙に思われた。暑いから半袖になるのだろうに、どうしてわざわざネクタイをするのか。矛盾した服装だと感じたのだ。そもそも半袖のシャツというものが、日本には存在しなかったような気がする。

 まもなくぼくは社会人となり、デザイン会社に勤めた。ある時、東洋レーヨンが半袖ワイシャツを「セミ・スリーブ・シャツ」という名のもとに売り出すことになって、その広告を手がけたのだった。
 同じ時期にテイジンも半袖ワイシャツを発売。「ホンコンシャツ」という名称であった。何故ホンコンなのかよくわからないが、知名度はそちらの方が上だったのではないかと思う。

 ぼくが勤めていたデザイン会社は、お洒落な先輩が多かった。しかも二枚目で、モデルだってやれる。実際ぼくたちは、手がける広告に彼らをよく登場させていた。
 新入社員のぼくも彼らの影響を受けて、お洒落を心がけた。当時流行のアスコット・タイを首に巻き、レイバンのサングラスをかけ、細巻きの葉巻をくわえたりしていたのである。

 まもなくそんなことをして板につく人とつかない人がいることがわかり、ぼくは板につかない部類に属することが明白になったので、服装やら小道具に関心を持つことをやめてしまった。

 その頃からぼくはジーパン党となった。当時は今よりもジーンズを手に入れるのは楽ではなかったけれど、折り目をつけたりする面倒がないので大好きになり、毎日のようにジーパンで会社に行った。そんなサラリーマンはあまりいなかったと思う。今は1年のうち360日以上ジーパンである。はき潰したジーパンは数知れず。

 夏場はTシャツ、冬場はトレーナーで過ごすことが多い。Tシャツもトレーナーもぼくが絵を描いたものがたくさんあって、タダでもらえる。服装にはほとんど金がかからない。

 そんな具合で、お洒落には関わりなく生きているのだが、おのずと選択もあり、着ないものがある。マオカラーというのもその一つである。
 美術学生時代はベレーをかぶって学校に来る同級生もいた。絵描きはみんなベレーをかぶると思っている人もいるし、漫画に登場する絵描きはたいていベレーをかぶっているが、ぼくはもちろんかぶったことがない。「もちろん」を強調しておきたい。
(中略)

 アシモフはロボットが登場する小説で有名である。代表作は「われはロボット」であろうか。その本でアシモフは「ロボット工学の三原則」というのを巻頭に掲げている。第1条はロボットは人間に危害を加えてはならないし、人間に迫る危機を看過してはいけない。第2条は、ロボットは人間の命令に服従すること、ただしその命令が第1条に抵触しない限り、自己を守ること。というものである。

 それゆえ、アシモフの書くロボットは人間に優しい。原則と自分の行動が矛盾してしまって悩むロボットもいる。時には人間に忠実であろうと努力するロボットが哀れになる。
 アシモフ以外にもロボット小説はもちろんたくさんあるし、漫画にも映画にもロボットは大勢登場する。
 「鉄腕アトム」や「スター・ウォーズ」のR2-D2、C-3POなどは人間に忠実なロボットだが、「ターミネーター」でシュワルツェネッガーが演じたのは滅茶苦茶怖いロボットだった。「スペース・サタン」という映画に出てくるロボットも骨組だけのくせに意志を持っていて相当恐ろしい。

 ロボットの名付親はチェコの劇作家カレル・チャペックとその兄ヨゼフだそうである。カレルは戯曲「R・U・R」で、労働用に作られたロボットたちが反乱を起こす物語を書いた。
 人間が創ったものに人間が滅ぼされる、というのは「フランケンシュタイン」、あるいはそれ以前からのテーマである。 
(中略)

<ここから安西水丸>
 数年前、某航空会社から依頼された機内誌の仕事でチェコのプラハに行った。ここは作家カレル・チャペックの生れた街で、彼はロボットの命名者として知られている。ロボットの登場した作品は、彼独特のユートピア的喜劇「R・U・R」で、ロボットは万能機械人間として登場している。彼の小説には「絶対子工場」とか「山椒魚戦争」、「白疫病」などと、非人間化、全体主義の危険に対し、空想と諷刺で抗議したような作品が多い。

 プラハでは彼の小説に出てくるロボットの置物を土産に買った。
 ロボットは、ぼくの小・中学時代、つまり昭和30年前後は、少年雑誌の漫画にさまざまな形で登場している。

 漫画ではじめてそれらしきものを見たのは坂本牙城の人気漫画の主人公「タンク・タンクロー」だった。これはロボットといえるかどうかわからないが、ぼくには何となくそう見えた。

 ロボットものに火をつけたのは何といっても手塚治虫の「鉄腕アトム」だろう。とにかく昭和30年前後にはあれこれとスタイルを変えたロボットの登場する漫画があふれていた。

 「鉄腕アトム」がロボットものの横綱だとしたら大関は「鉄人28号」だろう。その他にもロボットの出てくる漫画としては桑田次郎の「鉄人ブラック」、久米みのる原作で金田光二が絵を担当した「電光人間」、板井レンタローの「火炎人間」と、ここに書ききれないほどあった。


ロボットということで、お二人がカレル・チャペックに言及しているが・・・
大使が偶然に読んだ『スペイン旅行記』という本には、多芸で親しみやすいカレル・チャペックが表れています。

【スペイン旅行記】


カレル・チャペック著、恒文社、1997年刊

<「BOOK」データベース>より
イスラムやキリスト教はじめ多種多様な文化が混在して豊かな趣をたたえたスペインの風物を、独自の観察と描写で紹介!マドリード、トレド諸都市の風景、ベラスケスやゴヤなどの絵画、闘牛やフラメンコ、壮大な建築、魅力的な美女な風俗一般を、巧みに描写。

<読む前の大使寸評>
ぱらぱらとめくると、ユーモラスな挿絵が多くて親しみを覚えるのです。
この本の挿絵はチャペックの自筆とのことで・・・多芸な人である♪

rakuten スペイン旅行記
『スペイン旅行記』2


『青豆とうふ』2 :和田さんの映画談義
『青豆とうふ』1 :安西さんのアンケート談義





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Last updated  2018.09.27 00:05:29
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