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2018.10.31
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『海を脅かすプラスチック(ナショナルジオグラフィック2018年6月号)』という雑誌を、手にしたのです。
先日も、『鳥たちの地球(ナショナルジオグラフィック2018年1月号)』を借りて読んだのだが、この雑誌の特集や記事が、骨太のコンセプトに裏打ちされていることに好感をもったのです。





雑誌、日経ナショナルジオグラフィック社、2018年刊

<商品の説明>より
【特集】
●海に流れ出るプラスチック:
丈夫で軽く、安価なプラスチックの発明は、人々の暮らしを大きく変えた。便利になった一方で、廃棄された大量のプラスチックが海へと流出している。海洋生物を介した人体への影響も懸念されるなか、この厄介な問題を解決しようと各地で取り組みが始まっている。
シリーズ 鳥たちの地球
●タンチョウ:
かつて絶滅が危ぶまれたタンチョウ。保護活動が実を結び、生息数が回復する一方で、課題も出てきた。

●消えた入植者たちの影:
16世紀、英国から北米大陸に入植を試みた人たちが姿を消した。400年にわたる謎を考古学が解明するか?

<読む前の大使寸評>
先日も、『鳥たちの地球(ナショナルジオグラフィック2018年1月号)』を借りて読んだのだが、この雑誌の特集や記事が、骨太のコンセプトに裏打ちされていることに好感をもったのです。

amazon 海を脅かすプラスチック(ナショナルジオグラフィック2018年6月号)


p38~41
<17世紀、宗教弾圧を受けた清教徒が英国南西部の都市プリマスから新天地を求めて北米大陸に渡ったとき、まだプラスチックが発明されていなくてよかったと、つくづく思う:ローラ・パーカー>
メイフラワー号

 彼らを乗せて新大陸を目指すメイフラワー号にペットボトル入りの水やプラスチック包装のスナック菓子が満載されていたら、用済みで海へ捨てられたパッケージは大西洋の波と太陽光で小さな粒子に砕かれ、現在も世界の海を漂っていただろう。もともと有害な化学物質を含んでいる粒子は、さらに海中の有害物質を吸着し、魚やカキの体に取り込まれた後、めぐりめぐって人間の口に入っていたかもしれない。

 2017年の秋、私はプリマス行きの列車の中で、そんなことを考えていた。プリマスでは、プラスチックの利用が招いた惨状について、ある人物に話を聞く予定だった。

 プラスチックは19世紀後半に開発され、生産が本格化したのは1950年頃のことだ。これまでの累計生産量は83億トン。そのうち廃棄されたのは63億トンにのぼるが、廃棄されたなかでリサイクルされていないプラスチックは、実に57億トンもあるという。2017年にこの数字を割り出した科学者たちも驚く状況だ。

 回収されなかった廃プラスチックがどれだけ海に流入しているのか、誰にもわからない。2015年、米ジョージア大学の工学者ネンナ・ジャムベックがおおよその値を推定し、世界の注目を集めた。沿岸部から流出する分だけでも年間480万~1270万トンにのぼるという。

 その大半は、主にアジアの国々で不用意に捨てられたものだ。想像してみてほしい。廃プラスチックを詰めたレジ袋を、世界中の海岸線に沿って1メートルおきに捨てるとしよう。1ヶ所につき年間15個捨てれば、プラスチックは約800万トンになる。これはちょうどジャムベックが推定した値の中間値だ。これらのプラスチックが分子レベルまで生分解されるのにかかる時間は、450年という説もあれば、永久に分解されないとの見方もあり、明確な答えはわからない。

 こうしたプラスチックは絶滅危惧種も含めた700種近い海洋生物に影響を与え、毎年多くを死に追いやっていると推定される。投棄された漁網にからまるなど、目に見える形での被害もあるが、目に見えない形でダメージを受けている生物はもっと多いだろう。

 直径5ミリ以下の微小なプラスチック粒子は「マイクロプラスチック」と呼ばれ、今では動物プランクトンからクジラまで、あらゆる大きさの海洋生物が体内に取り込んでいる。私が訪れた米国ハワイ島の人里離れた浜辺でも、この粒子は足首が埋まるほど堆積していた。

 2017年12月にナイロビで開催された第3回国連環境総会で、国連環境計画(UNEP)の代表は「海洋のハルマゲドン」という表現を使い、危機的状況にある海を救うことの重要性を訴えた。
 「解決方法はわかっているんです」と言うのは、開発途上国のごみ問題に25年余り取り組んできた資源経済学者のテッド・シーグラーだ。「ごみの拾い方は知っていますし、誰でも拾えます。処分やリサイクルの仕方もわかっています」。必用なのは、それを実行するための制度や仕組みを確立することだという。

行方不明のプラスチックはどこへ?
 目的地の英プリマス大学に着くと、海洋生態学者のリチャード・トンプソンが出迎えてくれた。64歳のトンプソンは、博士号を目指していた1993年に、西部沖にあるマン島で初めて海岸の清掃活動に参加した。

 ボランティアたちがペットボトルや漁網を拾うなか、彼は満潮時の波打ち際に残された、見過ごされそうなほど小さな粒子に目を留めた。最初はプラスチックかどうか確信がもてず、警察の科学捜査班に助言も求めたという。
(中略)

 初めての政争活動を皮切りに、トンプソンは何年も研究を続け、その謎を解く手掛かりを得た。行方不明のプラスチックは、誰も気付かないような微細な粒子に姿を変えていたのだ。彼は2004年の論文で、こうした粒子を「マイクロプラスチック」と名づけ、海洋に大規模に集積している可能性があると予測した。この予測はその後の調査で裏づけられることになった。

 プラスチックを細かく砕くのは、波と太陽の光の作用だけではない。私がプリマスを訪れる直前、トンプソンはヨーロッパ沿岸部でよく見られる小さなエビに似た甲殻類の一種が、1枚のレジ袋を175万個もの小さな破片に裂くことを、実験室で突き止めていた。

 マイクロプラスチックは、深海の堆積物から北極の解氷まで、調査されたあらゆる海域で見つかっている。ある論文によると、北極で氷の融解が進めば、今後10年間に1兆個ものプラスチック粒子が海に流出する可能性があるという。ハワイ島の浜辺の砂は、多い地点でこの粒子が15%を占めている。私が歩いたカミロ・ポイント・ビーチには、北太平洋をぐるりと回る、北太平洋旋回と呼ばれる海流に乗ってプラスチックが漂着する。


 世界には大量のごみを一定の海域に集める循環流が五つあるが、なかでも北太平洋旋回は最もごみが多い。そこには、洗濯かごや瓶、それに中国語、日本語、韓国語、英語、時にはロシア語のラベルの付いた容器が堆積していた。


ちなみに、最近読んだナショナルジオグラフィックです。
『鳥たちの地球(ナショナルジオグラフィック2018年1月号)』2 :耕す人:池澤夏樹
『鳥たちの地球(ナショナルジオグラフィック2018年1月号)』1 :鴛鴦 世界一美しいカモ:福田俊司
『超監視時代(ナショナルジオグラフィック2018年4月号)』2 :イズリントン区の監視カメラ
『超監視時代(ナショナルジオグラフィック2018年4月号)』1 :「鳥たちの地球」シリーズ





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Last updated  2018.10.31 09:04:17
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