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2019.04.24
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カテゴリ: 経済
図書館で『日本の「水」が危ない』という新書を手にしたのです。
昨今では「水道民営化」の是非が取り沙汰されるようになっているが・・・
この本のタイトルに危機感を持ったわけでおます。






六辻彰二著、ベスト新書、2019年刊

<出版社>より
昨年12月に水道事業を民営化する「水道法改正案」が成立した。
ところが、すでに、世界各国では水道事業を民営化し、水道水が安全に飲めなくなったり、水道料金の高騰が問題になり、再び公営化に戻す潮流となっているのも事実。
なのになぜ、逆流する法改正が行われるのか。

<読む前の大使寸評>
昨今では「水道民営化」の是非が取り沙汰されるようになっているが・・・
この本のタイトルに危機感を持ったわけでおます。

rakuten 日本の「水」が危ない

コンセッション方式のなかで育ったフランスの水企業は、開発途上国をターゲットにすると、その悪賢さを遺憾なく発揮するようです。

「第4章 海外水メジャー」で拡大する水ビジネスを、見てみましょう。
p154~157
■水ビジネスを活性化させる四つの変化
 コンセッション方式の導入により、これまで「水鎖国」に近かった日本の市場は、海外企業にも開放された。しかし水メジャー呼ばれる欧米の巨大な水企業は、世界各地で少なからず悪評を買ってきた。日本が水メジャーの標的になっている以上、水道の将来を考えるには、世界の水市場の動向や構造を知ることが欠かせない。そのために、以下ではまず、世界の水ビジネスについてみていこう。

 さまざまな批判を招きながらも、世界の水ビジネスはこれまでにんく活発化している。オランダの資産運用会社RobecoSAMによると、2014年に約6000億ドル(約60兆円)だった世界の水ビジネスの市場規模は2018年に約7000億ドル(約70兆円)に達した。この驚異的なまでの規模とペースからすれば、日本の2018年改正水道法は、周回遅れでも逆行でもない。ただし、世界で活発化する水ビジネスの多くは、先進国よりむしろ開発途上国でのものである。

 日本総研の調査によると、東南アジアでの民間企業に経営される水道の給水人口は、2007年には3億1500万人だったが、2012年までに4億1130万人に増加した。(中略)東南アジアだけでなく、ラテンアメリカや中東でも、水ビジネスの活発化はうかがえる。

 なぜ、水ビジネスは活発化するのか。そこには、大きく四つの理由があげられる。
 第一に、人口増加と都市化だ。日本では人口減少が進んでいるが、地球人口は増加の一途をたどり、国連は2030年には86億人を超えると推計している。とりわけ開発途上国での人口増加が目立つが、これと並行して都市化も進んでいる。人口密集地が増えると、19世紀の欧米諸国と同じように、コレラなどの感染症対策として、水道の普及が課題になる。

 第二に、開発途上国で経済成長が進むなか、富裕層や中間層を中心に、ライフスタイルに変化が生れていることだ。人間が消費する水のうち、最も多いのは農業用水で全体の役70%を占め、これに工業用水(約20%)、生活用水(約10%)と続く。生産活動が活発化することで、農業、工業での消費量も増えているが、それを上回るほどの勢いでシャワーやトイレなどの生活用水の使用量が増えているのである。

 第三に、貧困対策として安全な水の確保が国際的な目標になっていることだ。2015年に国連で採択された世界全体の開発のための「持続可能な開発目標」(SDGs)では、「全ての人々に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する」ことが盛り込まれている。2015年段階で、地球人口の29%が安全に管理された飲料水にアクセスできず、61%が安全な下水システムにアクセスできていないとみられており、SDGsでその改善が盛り込まれたことは、いわば開発途上国での水道の普及にお墨付きが与えられたことをも意味する。

 そして第四に、地球温暖化である。地球全体で気候が変動するなか、日本では大型台風やベリラ豪雨といった「過剰な水」が問題になりやすいが、これとは逆に干ばつなど異常な水不足に見舞われる国が少なくない。水が十分手に入らない状態を「水ストレス」と呼ぶが、アメリカのシンクタンク世界資源研究所のシミュレーションによると、2040年には水ストレスが「非常に高い」国は世界全体で33ヵ国、「高い」国は26ヵ国にのぼると推計される。「非常に高い国」にはサウジアラビアなど砂漠の国が目立つが、「高い国」のなかにはアメリカ、オーストラリア、中国、インドなども含まれる。こうした国では、それまで以上に安定的に水を供給する必要があるため、水道の需要が増えているのだ。


『日本の「水」が危ない』3 :海外水メジャー
『日本の「水」が危ない』2 :火の車の水道事業
『日本の「水」が危ない』1 :はじめに





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Last updated  2019.04.24 08:40:12
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