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2020.03.17
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カテゴリ: アート
図書館で、『藤田嗣治 手紙の森へ』という本を手にしたのです。
ぱらぱらとめくると、自筆絵画のカラー画像、挿し絵、書簡など多彩でビジュアルである・・・新書で1200円と高価であるが、コスパは悪くないでぇ♪





林洋子著、集英社、2018年刊

<「BOOK」データベース>より
藤田嗣治は1920年代のパリを拠点に、油彩画の本場ヨーロッパで勝負し、相応の成果を果たした最初の日本人美術家として知られます。画家の没後半世紀。彼が残した作品だけでなく、遺族の手元以外から、手紙の存在情報が明らかとなり、多くの書きもの=日記や手紙の存在が確認され、整理公開、復刻が進んでいます。彼から手紙をあてられた人が、もしくはその遺族や関係者が守っていたのです。本書は生前の画家が書いた手紙をテーマとします。インクでぎっしり書かれた文字群には相手への思いのこもったイラストレーションも添えられることがしばしばで、こうした紙の上の「手しごと」を知ることが藤田の多面性の理解につながるのです。

<読む前の大使寸評>
ぱらぱらとめくると、自筆絵画のカラー画像、挿し絵、書簡など多彩でビジュアルである・・・新書で1200円と高価であるが、コスパは悪くないでぇ♪

rakuten 藤田嗣治 手紙の森へ

≪小さな職人たち≫

国籍変更、改宗~永訣あたりを、見てみましょう。
p190~192
洗礼と晩年
 1950(昭和25)年2月にようやくパリに戻り、定住した後も、シャーマン、杉本、伊原との交信は続く。杉本とは最晩年の1967年まで、伊原とは1965年まで、手紙を確認できる。
 杉本はニューヨークから、伊原は東京からパリをたずねる機会を持ち、藤田は細やかに対応している。しかしながら、1945年8月の終戦から1949年5月のニューヨークでの君代の合流までのやりとりにある、ひりひりするような緊張感はもはや見られない。

 パリ帰還後の藤田は、1955年2月にはフランス国籍を取得して日本国籍を放棄、そして1959年10月14日にはカトリックに改宗する。その後は、この際に受けた洗礼名レオナールを名乗り、作品にもサインするようになる。

 その前後からキリスト教をテーマとした作品が制作の中心となる。1960年4月8日にヴァチカンをたずね、ローマ法王ジャン(ヨハネ)23世に面会したことは、挿絵本『しがない職業と少ない稼ぎ』(1960)の特装版にも盛り込まれているように、カトリック教徒となった藤田夫妻の大きな感激であった。晩年の自画像は宗教とともにあったといえる。

 1961年、パリを離れ、郊外の小村ヴェリエール=ル=バルクに移り住む。最後の自画像は、自らの墓所として設計、壁画もフレスコで制作した。北フランスの街ランスにある礼拝堂「ノートル=ダム・ドゥ・ラ・ペ」にある。1968年1月29日没、享年81歳。

レオナールの遺言
 君代夫人の手元には、藤田晩年の書きものとして、日々の日記以外に、「私の生い立ち」と「夢の中に生きる」と題された草稿が残っていた。

 これらを調査発表された近藤史人氏によれば、晩年の藤田は自伝執筆の意志があり、幼少期から美術学校入学までの思い出をまとめた「私の生い立ち」はその冒頭として着手された可能性もあるが、その先はない。後者は1965年から亡くなる1年前の1967年5月までの身辺雑記で、入院や手術、そしてこの世との永別を控えての不安や孤独の思いを絞り出すように綴っている。


『藤田嗣治 手紙の森へ』4 :シャーマンあての絵手紙
『藤田嗣治 手紙の森へ』3 :「赤毛の女」マドレーヌ
『藤田嗣治 手紙の森へ』2 :1910年代のパリにおける藤田
『藤田嗣治 手紙の森へ』1 :「はじめに」





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Last updated  2020.03.17 03:50:39
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