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2020.12.10
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カテゴリ: アート
図書館で『短編小説のレシピ』という新書を、手にしたのです。
阿刀田さんが選んだ10人の作家がそれぞれいいのだが、太子一押しといえば・・・
ロアルド・ダールとなるわけでおます。





阿刀田高著、集英社、2002年刊

<「BOOK」データベース>より
八百編もの短編小説を生み出してきたマエストロがみずから解説・案内する、短編小説の醍醐味。短いだけに、あらゆる技法を駆使した作品は、おもしろさも多彩。小説作りの源泉と技をも教えてくれる。向田邦子、芥川龍之介、松本清張、中島敦、新田次郎、志賀直哉、夏目漱石、ロアルド・ダール、エドガー・アラン・ポーなど十人の作家の、名作やユニークな作品を具体例として選んで特徴を解説し、短編の構造と技法に迫る。短編小説をより楽しく読むためにも、また書くためにも役立つヒントが満載。

<読む前の大使寸評>
阿刀田さんが選んだ10人の作家がそれぞれいいのだが、太子一押しといえば・・・
ロアルド・ダールとなるわけでおます。

rakuten 短編小説のレシピ




「第1章 短編小説はおいしいぞ」で長編と短編の違いを、見てみましょう。
p24~25
■長編と歴史、短編と会話
 考えてみると長編小説はおおむね現実的だ。現実にありうる人生や社会を描いているものが圧倒的に多い。歴史的と言ってもよいだろう。たとえば司馬遼太郎、たとえばトルストイ、さらに山崎豊子、マーガレット・ミッチェル。みんな現実的で歴史と関わりあっている。世の中の記録と繋がりあっている。実際の生活を写している。

 歴史小説や時代小説が歴史と関わっているのは当然として現代の社会小説、風俗小説だって現代の歴史、現代の記録と見ることができる。小説というジャンルはノンフィクションのように現実をそのまま正確に描くことは少ないけれど、現実らしいものを描くことをリアリズムと言うならば長編はリアリズムの手法を用いているものが多い。例外が山ほどあるのを承知で言えば、この傾向が鳥瞰できる。

 それもそのはず、長く書くとなれば現実的であり、歴史を綴るような叙述(現代を含めて)のほうが書きやすく、受け入れられやすい。

 では短編小説はどうなのか?
 長編小説とまったく同じリアリズムの土壌に育ったものも数多くあるけれど、長編小説が歴史と関わりやすいこととの対比で言えば短篇は私たちの会話と関わっている。ここ数年来、私はこの見方に強い関心を抱いている。

 たとえば夕餉のテーブル。夫が妻に向かって会社の出来事を話す。どこにでもある風景だ。
「俺のななめ前に座っているタムラ君」
「ええ?」
「結婚して2,3年たつんだけど、夫婦喧嘩をしたときにサ」
「よくするの?」
「そりゃ、わからん。人並みじゃないのか。だけど喧嘩をしたとき、奇数日は亭主が謝り、偶数日は奥さんのほうが謝る、そういうルールを作って守っているんだちサ」
「へーえ、おもしろいわね。それでうまくいくのかしら」
「だって夫婦喧嘩なんて、原因はつまらないことが多いだろ。少し言いあったところで、どっちかが“ごめんなさい”って謝れば、それですむようなこと、多いぜ」
「カレンダーを見ながら?おかしいわね」
「ああ、おかしいよな」
「もし謝らなかったら?」
「それでまた喧嘩になる。夜の12時を過ぎるまで、一方的に謝り続けなけりゃいけない」
「どう? うちもやる?」
「考えておく」

 こんな会話は、すでにして短編小説に近いのだ。
 いや、近いと言うより、こういう会話を楽しむ心理の延長線上に短編小説がある、と言えば的確だろう。

『短編小説のレシピ』1

ダール関連の本を ロアルド・ダールと阿刀田高の出会い で集めてみました。





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Last updated  2020.12.10 00:10:01
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