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2021.05.20
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カテゴリ: 気になる本
図書館に予約していた『出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記』という本を、待つこと4ヶ月ほどでゲットしたのです。
内容をざっと眺めてみると、出版社の編集者との虚々実々の闘いの日々が綴られているわけで・・・と言うか詐欺まがいのパワハラに耐える日々だったようで、涙ぐましいかぎりでおます。





宮崎伸治著、フォレスト出版、2020年刊

<「BOOK」データベース>より
30代のころの私は、次から次へと執筆・翻訳の依頼が舞い込み、1年365日フル稼働が当たり前だった。その結果、30代の10年間で50冊ほどの単行本を出すに至った。が、そんな私もふと気がついてみれば、最後に本を出してから8年以上も経っていた。-なぜか?私が出版業界から足を洗うまでの全軌跡をご紹介しよう。出版界の暗部に斬りこむ天国と地獄のドキュメント。

<読む前の大使寸評>
内容をざっと眺めてみると、出版社の編集者との虚々実々の闘いの日々が綴られているわけで・・・と言うか詐欺まがいのパワハラに耐える日々だったようで、涙ぐましいかぎりでおます。

<図書館予約:(1/06予約、副本5、予約58)>

rakuten 出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記


「第1章 夢の夢の、そのまた夢の仕事」で出版翻訳家の何たるかを、見てみましょう。
p12~15
<デビュー>
 出版社から翻訳書を出す。自分の名前がカバーに載った翻訳書が書店に並ぶ。運が良ければ平積みになる。もっと運が良ければベストセラーになり、大きな広告を出してもらえる。もっともっと運が良ければ雑誌社や新聞社からインタビューを受ける。最高に運が良ければその分野のオピニオンリーダーと目され、著書執筆の依頼が来る。出版翻訳家を目指している人にとって、もうこれは想像しただけでもワクワクゾクゾクものだろう。それだけ翻訳書を出版するという夢のある話なのである。

 しかしどうすれば出版社から翻訳書が出せるのか。これを知っている人は少ないだろう。私は大学教授からその方法を聞かれたことすらある。それほどその道筋はベールに包まれていてミステリアスなのだ。というのも翻訳家を公募している出版社などまずないし、合格すれば翻訳書が出せるという検定試験もないからだ。

 では、私はどうやって出版社から翻訳書を出すに至ったのか。じつを言えば、ひょんなことがきっかけだった。

 私は21歳のときに出版翻訳家になる夢を抱き始めたものの、翻訳書出版は夢の夢の、そのまた夢。そんな夢物語にうつつを抜かしていても翻訳書の出版ができるはずもなく、当然お金も稼げないのだから、働きに出てお金を稼がなければならない。そこで私は大学卒業後に残業が少ないと評判の大学事務職員になった。プライベートの時間をフル活用して翻訳の腕を磨くためである。

 その後25歳で大学職員を辞めて英会話講師になり、27歳で企業内の産業翻訳スタッフとなった。出版翻訳家になることを念頭に次々とステップアップしていったのだ。

 そんな私であったが、産業翻訳スタッフになって1年経つころには留学を志すようになった。一生錆び付かない英語力を身につけたいと願うようになったからである。当時はまだ出版翻訳家になれるとは露にも思っていなかったが、産業翻訳家として抜きん出るには留学は必須であることを悟った私は留学資金を手堅く貯め、29歳のときにイギリスの大学院から入学許可を獲得するに至った。

 かくして私は29歳でイギリスに渡ったわけだが、そんな私を待ち受けていたのはカルチャーショックの毎日だった。男女共同の大学寮のトイレにはコンドームの自販機が置いてあるし、キャンパス内ではカップルがキスしまくりだし、大学教授は教壇の上に座ってあぐらをかくし、イギリス人はハンバーガーをナイフとフォークを使って食べるし、大学生は昼休憩に平気でビールを飲むし、風邪を引いてマスクしていたら変人扱いしてくるし、ヌード雑誌を買ってみたら女性「そのもの」がカメラに向かって全力投球しているし・・・・・・。

 私は日本では経験できない出来事に遭遇するたびにそれをエッセイにしたため、在英邦人向けの新聞2紙に投稿した。留学前も雑誌に投稿するのが好きだったが、掲載される率は日本にいるときと比べればはるかに高かった。

 やがてエッセイ執筆は癖になった。自分のエッセイが紙面に載るだけでも嬉しいものだが、さらに謝礼までもらえる。1本あたり日本円にして2000円程度のものだったが、イギリスではその2倍3倍の使い出があったので、いい小遣い稼ぎになった。嬉しいのはそれだけではない。

 友人の間でも「宮崎さんの投稿、いつも読んでいるよ」と評判になり、編集者には「宮崎さんの投稿が届いたらいつも編集部のみんなで回し読みしているくらい面白いです」と絶賛され、最後には編集部経由で見知らぬ女性読者からファンレターまで来た。
(中略)

 そんな希望に満ちた留学生活を終えて帰国した私が真っ先に直面したのは生活費をどう稼ぐかという現実的な問題だった。作家になるという夢は抱いていても、当時の私は原稿料や印税だけでは食べていけなかったから再就職活動を開始せざるをえなかった。

 再就職のための準備金は50万円あったが、都内に新たにマンションを借り、生活必需品も一から揃えると貯金は瞬く間に底をつき、人生初の借金生活に突入した。やがて借金が10万になり20万になり30万になり40万になり50万近くまで膨れ上がった。利子だけでも毎月数千円かかるようになると、考えることのすべてが金、金、金・・・になった。


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Last updated  2021.05.20 06:01:43
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